地域貢献事業の取り組み 創立35年・伊賀上野ケーブルテレビ
今年6月、創立35周年を迎えた三重県伊賀市緑ケ丘南町の伊賀上野ケーブルテレビ株式会社(小坂元治社長)。「地域と共に」を合言葉に、CSR(企業の社会的責任)の観点から「地域貢献事業」に取り組んでいる事例を、同社取締役でカスタマー営業部長の山本哲也さん(50)に聞いた。
最初は2015年、25周年の時にウェブ公開したICT(伊賀上野ケーブルテレビ)ライブカメラだ。道路や河川に設置する固定カメラで、現在、市内に28か所、名阪国道に8か所、河川に国土交通省木津川事務所の1か所を含めて5か所、合計で41か所あり、24時間365日、ライブ映像を無料で公開。同社コミュニティーチャンネルの他、スマートフォンやパソコンから視聴できる。
山本さんは「これからの台風シーズンに、河川の増水状況や道路の被害状況などを確認し役立ててほしい」と話している。
もう一つは、20年、30周年の時に整備したフリーWi-Fi(ワイファイ)だ。伊賀市内の銀座通り、東通り、中町通りなどの繁華街の他、市民がよく利用する体育館、ゲートボール場など、現在では合計100か所以上のポイントで利用できる。スタート時の50か所から5年間で2倍のエリアに広がっている。「ICTコネクト」の無料アプリを使い、スマートフォンで接続して利用できる。
名張市にあるケーブルテレビ局・アドバンスコープと相互協定を結んでおり、名張と伊賀市青山地区の主要な公共施設などでもフリーWi-Fiを利用することができる。
同社ポータルサイトの「伊賀ポータル」は、市内を始め、近隣の店舗や観光・イベント情報を検索できる。更に不定期だが、上野天神祭などイベントのライブ配信を受信できる。「インバウンドなど観光に来られた方が飲食店を探すのに役立つ情報が満載で、クーポンもあるので好評いただいている」
同社の主な提供サービスは現在、青山町地区を除く伊賀市全域を対象に、地上・BS・CS放送など合計114チャンネルを提供しているケーブルテレビの他、ケーブルテレビ網を活用したインターネット接続サービスの「ICT光」だ。高速大容量の光ファイバーで接続する「ICT光」は、利用環境に合わせて超高速の10ギガと1ギガ、100メガの3つのプランを提案している。
また、法人向けには、各企業のニーズに合わせて通信システム構築やアフターサービスを実施。市内の小中学校には、同市の「ギガスクール構想」に基づき、児童生徒1人1台の学習用端末整備とワイファイ環境の構築に貢献している。
山本さんは「これからも地域とともに成長し、伊賀地域の特色に合った新しい情報通信サービスを実現できるように努力していきたい」と話している。