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パティシエ直伝「寒天なし琥珀糖の作り方」。乾燥時間別のレポも!

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パティシエ直伝「寒天なし琥珀糖の作り方」。乾燥時間別のレポも!

琥珀糖は寒天なしでも作れる?ゼラチンやアガーで代用できる?

アガーは、カラギーナンという海藻やローカストビーンガムというマメ科の種子の抽出物からできたものです。30~40℃で固まるので常温で固まります。

ゼラチンは、牛や豚の骨、皮から抽出された動物性タンパク質のコラーゲンから作られたものです。ゼラチンは、20℃以下で固まり、25℃くらいで型崩れするので、常温で乾燥させるのは科学的にむずかしいです。

寒天は、テングサやオゴノリなどの海藻が原材料のものです。40~50℃で固まり始めるので、常温で固まります。歯切れもよくはっきりと形を作りたい場合に向いているので、琥珀糖には寒天が使われています。

琥珀糖をゼラチンとアガーで作ってみたところ、ゼラチンでは常温で形が保てないけど、アガーでは常温で固まるので乾燥させることができました。次からはレシピを紹介するのでぜひ参考にしてくださいね。

寒天なし。アガーで琥珀糖風

調理時間:10分

乾燥時間と固める時間は除く。

アガーで作った琥珀糖です。寒天よりも丸みのある仕上がり。食感も寒天とはまた違い、みずみずしい琥珀糖でした。

材料(200ml入る小さめのボウルのような入れ物1つ分)

水:50g

グラニュー糖:85g

イナアガー:4g

色粉:適量

コツ・ポイント

アガーは固めに仕上がるイナアガーがおすすめです。

いろんな色の琥珀糖を作りたい場合は1回ずつ分けて作ってください。固まりが早いので後入れしている間に固まってきてしまい上手く混ざらなくなってしまいます。また、固まりを崩してしまうのできれいに固まらなくなってしまいます。

煮詰め具合もポイントです。糸状に垂れるくらいまで煮詰めてください。作り方では写真もありますので、参考にしてくださいね。

作り方

グラニュー糖にアガーを入れて混ぜる

グラニュー糖にアガーを入れてよく混ぜます。

【ポイント】
こうすることによってアガーがダマにならなくなります。

鍋に水を入れてお好みの色に染める

鍋に水と色粉を入れてお好みの色に染めます。

【ポイント】
薄めで爽やかな琥珀糖に。濃いめでポップな仕上がりになります。

1を2に入れて混ぜる

1を2に入れて混ぜます。

中弱火で沸騰させ2分ほど煮詰める

中弱火で沸騰させ2分ほど煮詰めます。

これくらいの糸状に垂れるくらいになります。

ここまでやると煮詰めすぎでうまく固まらなくなり、形が保てなくなるので注意してください。

冷やし固める

素早く容器に移します。

粗熱をとって冷蔵庫で1時間ほど冷やし固め、取り出します。

カットする

包丁か手で2cmほどに縦にカットしていきます。

宝石のようにしたい場合は先ほどカットした縦長のゼリーを手でちぎってください。

【ポイント】
寒天のようにきれいなギザギザではなく丸みをおびます。

乾かす

網の上に直接乗せると寒天のようにかたくないので下に落ちてしまいます。オーブンシートの上で乾かすと、形を保って固まってくれます。

3日目。薄く表面が乾いてきました。べたべたしていなければオーブンシートを外しても大丈夫です。表面はシャリシャリ中はみずみずしいままでした。

7日目。回りが完全に乾き、表面の結晶化も進みました。これで完成です。表面が厚くなりシャリシャリで、中はみずみずしいままでした。

【ポイント】
梅雨の時期になると乾燥しにくく、カビなどが気になる場合、オーブン機能で発酵機能などで40度があれば2時間ほどオーブンに入れれば後の乾燥が早まってくれます。

「アガーで作る琥珀糖風」のQ&A

Q1. アガーはどこで買えますか?

スーパーや製菓専門店、ネットでも購入できます。アガーでもいろいろな種類がありますが、日本で手に入るものでは固めに仕上がるイナアガーがおすすめです。

Q2. 砂糖の種類はグラニュー糖でないとだめですか?

色がついている砂糖でも作れはしますが、色がついていると、琥珀糖のようにきれいな色を付けたい場合は不向きです。上白糖でもできますが、見た目にさほど差はありませんがグラニュー糖よりもねっとりとした甘さに仕上がります。

Q3. 早く乾燥させる方法はありますか?

パン発酵機能がレンジにあればスチームなしで40℃で2時乾燥させると常温で乾燥室続けるより乾燥が早められます。

Q4. 何日経ってもベタベタして固まりません。

湿度の高いところだとなかなか乾燥しません。

また、
・煮詰めがあまかった
・煮詰め過ぎた
・固まり始めているのに崩すように触ってしまった
といった場合も固まりません。

Q5. どのように保存すればよいですか?

乾燥剤と一緒に密封容器に常温で保管。日持ちは涼しい常温の場所で2~3週間。冷蔵庫はカビの原因となるので避けてください。

アガーで作った場合、冷凍保存はできませんでした。写真のように離水して、解凍した際に表面が水っぽくなり、中も離水状態になりました。

寒天なしの琥珀糖を作ってみて!

アガーで作った琥珀糖は寒天とは違いゼリーそのものを 琥珀糖にした仕上がりになったので今までにない新しい感覚のお菓子になりました。

シャリシャリ、つるんっ、と口の中で楽しさが広がり、少し手を伸ばした時にさっと口に頬張れるのもいいところ♪ 夏に見た目が涼しいアガーの琥珀糖、ぜひ作ってみてくださいね♪

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

ライター:はまちゃん(パティシエ / 製菓衛生師)

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