海水浴中、友人の目の前でワニに襲われた10歳男児 3時間足らずで遺体で発見(マレーシア)
マレーシア東部にあるボルネオ島サバ州ラハダトゥのビーチで13日、浅瀬で遊んでいた10歳男児が、友人らの目の前でワニに襲われた。ボルネオ島では近年、ワニの襲撃による死亡事故が顕著に増加しており、この男児は襲撃から3時間足らずで無惨な状態で発見された。悲劇のニュースをマレーシアのネットメディア『Sinar Harian』などが報じた。
【写真】野生生物局は男児が襲われた地域で8日後、体重250キロのイリエワニを射殺した
13日午前7時頃、5人の子供たちと一緒にシナクットビーチ(Sinakut Beach)の浅瀬で遊んでいたデニス・ロディ君(Denis Rodi、10)が突然、大型のイリエワニに襲われ、水中に引きずり込まれた。
サバ州野生生物局のレンジャー(自然保護官)であるシルベスター・サイミン氏(Silvester Saimin)によると、デニス君はその日、ビーチから近い親戚が住む村を家族と共に訪れていたそうで、事故について次のように説明した。
「午前7時頃、叔母に連れられ、5歳から10歳の子供たちが海水浴を楽しんでいた。ところが不幸にも子供たちのグループの真ん中にいた被害者(デニス君)がワニに襲われ、水中に引きずり込まれた。」
デニス君がワニに襲われた直後、家族や村人たちは捜索したものの見つからず、継父がその後、警察に通報した。
現場には警察官4人が駆けつけ、午前9時26分、シナクットビーチから約600メートル離れた海岸で、頭部と右手がない遺体が打ち上げられているのが見つかった。遺体はデニス君のものと確認され、現場から地元の病院へと運ばれた。
なお、マレーシアの中でも特にボルネオ島のサラワク州とサバ州では、イリエワニが生息する川や沿岸地域で人間への襲撃が増加していると報告されている。これはマングローブの伐採などが原因でイリエワニの生息地が消失し、人間との間に軋轢が生じているためで、9月にはサラワク州で、川で泳いでいた6歳女児がワニに水中に引きずり込まれ、死亡した。
ちなみにデニス君が襲われたサバ州ラハダトゥでは、イリエワニの個体数が増加しており、野生生物局のレンジャーは21日、アブラヤシ農園の小川にいたオスのイリエワニを射殺していた。この個体は18日に、ある農場の牛を襲ったとみられており、体重250キロ、体長4.42メートルと同地域でこれまで記録された中で最大だった。さらに同局は「村人の安全が脅かされている」として、22日に2頭、23日に1頭を射殺しており、イリエワニの個体数の管理や襲撃を減少させるための対策に追われている。
画像は『Sinar Harian 「Budak maut dibaham buaya ditemukan tanpa kepala, tangan」』『Borneo Post Online 「Three crocodiles shot dead in Lahad Datu」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)