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広瀬すず、日英合作映画『遠い山なみの光』主演決定「とても宝物のような時間でした」

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広瀬すず、日英合作映画『遠い山なみの光』主演決定「とても宝物のような時間でした」

ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロのデビュー作『遠い山なみの光』が、2025年夏に日英合作で映画化されることが決定。監督を石川慶、主演を広瀬すずが務める。

・広瀬すずの写真 2枚

同作は、戦後の長崎と1980年代のイギリスを舞台に、人々の記憶と秘密を描くヒューマンミステリー。

日本人の母とイギリス人の父を持ち、ロンドンで暮らすニキ。大学を中退し作家を目指す彼女は、自著執筆のため、異父姉の死以来足が遠のいていた、母が1人で暮らす郊外の実家を訪れる。母の悦子は、長崎で原爆を経験し、戦後イギリスに渡ってきていたが、ニキは母の過去を何ひとつ聞いたことがない。夫と長女を亡くし、想い出の詰まった家で一人暮らしていた悦子は、ニキと数日間をともにする中で、最近よく見るという、ある“夢”について語り始める。それはまだ悦子が長崎で暮らしていた頃に知り合った、とある女性と、その幼い娘の夢だった。

広瀬すずは、主人公の悦子役を担当。

コメント

カズオ・イシグロ:
私は石川監督の前作『ある男』の大ファンで、彼が私の小説『遠い山なみの光』の映画化を希望してくださった最初の日から、とても興奮していました。石川さんは映画という言語を巧みに操り、俳優たちから見事なニュアンスの演技を引き出す監督です。私が夢中になって読んだ今回の素晴らしい脚本は、ミステリアスで感動的でした。主演の広瀬すずさんは、国際的な舞台において今最もエキサイティングな若手俳優の1人です。これらの理由から、私はこの映画の完成をとても楽しみにしています。

物語そのものは、第二次世界大戦の惨禍と原爆投下後の、急激に変化していく日本に生きた人々の、憧れ、希望、そして恐怖を描いています。今もなお私たちに影を落とし続けている、あの忌まわしい出来事の終結から80年を迎えるこの時期に、この映画が公開されることは、なんと相応しいことでしょう。

石川慶:
目下絶賛撮影中、ロンドンへ向かう飛行機の中でこの文章を書いています。いまだにこの特別な原作を自分たちの手で映画化しているとは信じられない思いでいます。この大きな原作に立ち向かう勇気を僕に与えてくれたのは、ほかならぬ原作者のカズオさんの“この物語は、日本の若い世代の人たちの手で映像化されるべきだと思っていた”というお言葉でした。

すでに撮了した広瀬すずさんは、紛れもなく戦後長崎に生きた悦子そのものだったし(本当に素晴らしかった!)、ほかにも考えうる最高のキャストスタッフが集まってくれました。イギリスからは、自分の青春時代に大きな影響を受けた数々の傑作映画を制作してきた、Number 9 Filmsが参画してくれています。

特別な映画ができつつある、そういう手応えを確かに感じています。来年の映画公開、ぜひ期待してお待ちください。

広瀬すず:
不安感を抱きながら演じる、そんな日々でした。難しくて、悩みながらでしたが、不穏な緊張感を感じるたび悦子に近づいているのを確信し、心強い座組みの中お芝居できたことがとても宝物のような時間でした。希望を捨てず、光に向かって。まだまだ気が早いですが、みなさまに届く日まで、待ち遠しいです。

原作:『遠い山なみの光』カズオ・イシグロ/小野寺健訳(ハヤカワ文庫)
監督・脚本・編集:石川慶(『ある男』 『蜜蜂と遠雷』)
出演:広瀬すず
製作幹事:U-NEXT
制作:分福/ザフール、Number 9 Films
配給:ギャガ

2025年夏 全国ロードショー

『遠い山なみの光』カズオ・イシグロ/小野寺健訳(ハヤカワ文庫)

©『遠い山なみの光』製作委員会

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