家庭内別居から“復縁”できる? 妻たちの葛藤 #5「予想外…夫はもしかしたら」
同じ家に暮らしながらも別々の部屋で過ごし、一緒にいる時間をなるべく持たないのが家庭内別居の状態。
顔を合わせることすら苦痛に感じる状況になると、元の会話のある夫婦に戻るのはよほどのことがないと難しいのでは、と感じます。
一方で、家庭内別居をしたからこそ以前の夫婦関係に戻りたいと思うことも、実際にあります。
家庭内別居からの「復縁」について、妻たちが抱えた葛藤についてご紹介します。
「モラハラがひどい夫とは長らく仮面夫婦でしたが、離婚しなかったのは子どものためでした。
私の収入だけではふたりの子どもを満足に育てられないため、夫の給料をあてにするだけの虚しい夫婦関係でしたね。
私が客間で寝起きする家庭内別居状態で、子どもたちがいないときは夫が家にいても一言も口をきかずに過ごしていました。
自分は気楽ではあるけれど、このままでは駄目だと思ったのは娘が中学生になったとき。
思春期で親の状態なども以前より気が向くのか、『お母さんたちって本当は仲が悪いよね』と言い出すのを見て、不安にさせている可能性を知りましたね。
自分がいても両親は何となく会話を避けていて、食事も買い物も父親の好みなどまったく反映されず、愛情を実感する場面がないことを想像したら、『これがこの子にとって親のモデルケースになる』と思ってしまい……。
それで、まずは夫との会話を増やそうと思い、娘がいる場で話しかけていました。
夫は機嫌を取ってあげれば操作は楽で、『いつもありがとう』と言えばまんざらでもない様子で答えてくるので、腹は立つけどひたすら『子どものため』と思って耐えましたね。
でも、予想外だったのは夫のほうは以前より態度がやわらかいというか、文句や嫌味などをあまり言わなくなったことで、もしかしたら家庭内別居が嫌なのかもしれません……。
同じ寝室に戻るような完全な解消は無理ですが、私のほうから変わるきっかけを作ったのはよかったのかもと今は思っています」(40代/経理)
夫婦として、ではなく「子どもため」と割り切って、家庭内別居からの復縁を望むケースです。
自分たちが子どもの目にどう映るかを想像すると、家庭内別居の状況はやはりいい影響はないことがわかります。
それを放置せずに何とかしようとするのがこの女性の強さであり、今はたとえ表面上ではあっても、会話が復活するのはいい兆しのはずです。
ここから、夫婦の在り方を新しく変えていけることが、家庭内別居からの復縁の理想ともいえます。
(ハピママ*/弘田 香)