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外国籍児童支援団体 学習指導支え15年 ボランティアら協力続け

タウンニュース

生徒に日本語を教える瀨田さん

とつか区民活動センターで外国籍の小中学生に向けて学習支援を行う「キララの教室」(飯塚紀子代表)がこのほど設立15年を迎えた。これまでの活動を振り返り飯塚代表は「ここまで来られたのは支えてくださるボランティアの皆さんのおかげです」と話す。

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同教室は毎週水曜日の放課後に開講。約30人のボランティアたちが子どもたちに個別で授業を行っている(授業料・教材費込みで年間1000円)。

現在はベトナム、中国、ネパール人などの小中学生15人が通っている。日本全体で在留外国人の数が増えていることに伴い、戸塚区内でも外国籍の子どもの数が増加、同教室への問い合わせも増えているという。

コロナ禍を乗り越え

同教室を始めたきっかけは飯塚さんが小学校教諭時代に外国籍の子どもを担任し「十分な日本語教育ができないまま授業を行うこと」への葛藤があったからという。

そして退職後の2009年、課外教室の形でスタートさせた同教室は、現在に至るまで70人以上の卒業生を輩出。なかには医療系大学やアニメの専門学校へ進学する生徒が出るなど夢の実現を支えてきた。

コロナ禍で対面授業ができない時期もあったが、オンライン授業を行ったり、教材をポストに投函したりなど工夫を凝らしながらボランティアが協力して乗り越えてきた。

約7年ボランティアを行ってきた瀨田惠子さん(81)も元々小学校の教員をしていたが、家庭の事情で仕事から離れていたという。

そんな時、ボランティア募集の案内を見て応募。説明会で飯塚さんの熱意に圧倒され参加を決意した。「また教育に携わることができてうれしい。年甲斐もなく楽しんでいます」と話す。

現在は中国人の中学生に日本語を教えており、授業ノートや単語カードなど独自の教材の作成も楽しんでいるという。

学校生活の相談も

同教室は学習支援だけでなく、学校生活の悩みを聞く場としても機能している。実際に教室では「友達はできた?」や「担任の先生ってどんな人?」などの声がけがきかれ、日本語の練習として考えながら答える子どもの姿が見られた。

また日本語が話せない保護者に対して講習会を開催するなど、寄り添い続けているという。

そうした姿勢もあり、同教室に通う小学校6年生のネパール人の女の子は「友達も先生も優しい。仲良くなれてうれしいです」と笑顔で話す。

今後について飯塚さんは「まずは協力していただける方、協賛してくださる企業を増やしていきたい。そこから行政や学校とのつながりも深めていけたら」と話した。

同教室では現在、日本語をはじめ各教科を教えたり、運営に関わるボランティアを募集している。資格不問。問合せは飯塚代表【携帯電話】090・9240・0540まで。

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