今週末(6月20日~) BS・CSで放送する「世にも奇妙な物語」韓国映画4選
韓国映画には、奇想天外な展開や仕掛けで観客の心を鷲掴みにする作品がある。
ドラマにも当てはまるが映画はスケールが大きい分、大胆で見応え抜群。比較的自由な表現が認められていることも手伝って、固定観念にとらわれない独特の奇妙さが魅力だ。
しかもそれを最大限に活かし、物語を刺激的かつドラマチックに。無理があるのではないかと思われるような設定のものでも、いざ観てみると違和感があるどころか、「さすが」と言わざるを得ないクオリティーに仕上げているものが目立つ。
想像の斜め上を行く独創的な物語は、奇妙さこそが韓国映画と言わんばかりで、観る者を飽きさせないための工夫を感じさせる。
今週末にはそんな『世にも奇妙な物語』ならぬ”世にも奇妙な韓国映画”がBS・CSで放送される予定。気になるラインナップを紹介する。
(図)Danmee 「どの回も泣いたり笑ったり」日本ファンが選んだ1月~3月公開 No.1韓国ドラマはこれ!
スピリットウォーカー (2021)
『スピリットウォーカー』は、12時間ごとに幽体離脱して、他人の体に意識が移る奇妙な現象に見舞われた男が、自分の正体と陰謀の真相を追うアクションスリラー。
各人物の人生が絶妙に絡み合うスリリングな展開をはじめ、追う者と追われる者が次々と入れ替わる先の読めないストーリー構成が魅力だ。
また、主人子が手がかりを少しずつ掴んでいく過程は、観ている側も一緒に推理を楽しめる。パズルのピースを埋めていくような面白さを持っている。
もちろんユン・ゲサンの熱演も圧巻。複数の人格を演じ分けて物語への没入を高めたと評価された。
●キャスト:ユン・ゲサン、パク・ヨンウ、イム・ジヨン、パク・ジファン、ユ・スンモク 他
●日本放送情報:ザ・シネマ/2025年6月20日(金) 19:00~21:00
※編成の都合により放送日時・作品に変更が生じる場合があります。
The Witch/魔女 (2018)
『The Witch/魔女』は、秘密研究所から逃げ出した8歳の少女が、10年後に自分の超人的な能力と過去に関連のある謎の集団に追われるSFアクションスリラー。怪しい雰囲気がプンプンする“魔女プロジェクト”なる極秘計画の実験体となった主人公の物語だ。
記憶を失った少女が、自分が何者であるのかを知ろうとする過程で、ある陰謀が明らかになって徐々に緊張感が高まっていくストーリー。
そこに二面性のあるキャラクターを演じた主演キム・ダミの熱演が加わり、さらに物語が魅力的になっており、特に、一見普通の少女に見えるが、実は冷酷で感情の制御がきかない主人公の不安定さとギャップが独特の世界観を作り出して作品全体の奇妙さを増している。
●キャスト:キム・ダミ、チョ・ミンス、パク・ヒスン、チェ・ウシク 他
●日本放送情報:ザ・シネマ/2025年6月20日(金) 12:30~14:45 (吹替版)、21時~23時15分 (字幕版)
※編成の都合により放送日時・作品に変更が生じる場合があります。
王宮の夜鬼 (2018)
『王宮の夜鬼』は、“ゾンビ×時代劇”という、異色の組み合わせが斬新な時代劇。朝鮮時代を背景に、王子VS”夜鬼”(ゾンビの感染爆発の混乱)を利用して王座を狙う側近の死闘を描いている。
韓国の伝統的な雰囲気漂う物語のなかにゾンビという西洋のものを投入しているが、見事なまでの完成度の高さ。
特に、史劇の鉄板要素で本作のメインストーリーでもある権力争いを、ソンビという素材を使用することで、さらに過激かつドラマチックに。時代劇はもちろん韓国映画の新たな可能性を示した作品と言われている。
もちろん、ヒョンビン&チャン・ドンゴンの活躍も見逃せない。韓国公開当時、2人のアクションには、称賛の声が寄せられた。
●キャスト:ヒョンビン、チャン・ドンゴン、チョ・ウジン、チョン・マンシク、イ・ソンビン 他
●日本放送情報:ザ・シネマ/2025年6月21日(土) 深夜03:45~06:00
※編成の都合により放送日時・作品に変更が生じる場合があります。
かくれんぼ (2013)
『かくれんぼ』は、兄が住んでいるはずの家に、見知らぬ人が住んでいたという奇妙なサスペンススリラー。行方不明になった兄のアパートを訪れて以降、不可解な事件に巻き込まれていく主人公の姿を描いている。
日常的な空間に、見知らぬ者が隠れているという底知れない怖さと不気味さがリアルに描写されており、観ているこちらが精神的に疲れてしまうほど。アパートの玄関に記された暗号の意味を知った時には、背筋が凍るほどの恐怖を感じること間違いなしだ。
また、どこか不穏な空気が漂う役を演じるイメージの強いソン・ヒョンジュが、独特の演技で劇に緊張感をプラスし、音楽や照明なども観る者の恐怖心を煽る。
日常空間に潜む脅威は、非日常で起こるそれよりもずっと恐ろしく、観終わった後には、「もしかして自分の家にも?」と、心配になるだろう。
●キャスト:ソン・ヒョンジュ、ムン・ジョンヒ、チョン・ミソン、キム・ウォネ、チョン・ジュンウォン 他
●日本放送情報:BS10 スターチャンネル/2025年6月22日(日) あさ6:00
※編成の都合により放送日時・作品に変更が生じる場合があります。
(ライター/西谷瀬里)