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【非認知能力が高い子の“親がかけている言葉”】できていることを見つけ、プロセスを観察し、ほめる・伝える/ボーク重子・中山芳一

こそだてまっぷ

従来の学力や偏差値など目に見える能力に対して、目に見えない能力を総称して「非認知能力」と呼びます。

ママ・パパのみなさん、そして非認知能力に興味のあるみなさん、非認知能力を育む子育てにようこそ!

なぜ今、「非認知能力」が求められているのでしょう?

それは21世紀になり、時代の変化がますます加速する中で、今の子どもたちは親世代が育ったのとはまったく違う世界を生きているからです。

正解のない問題にあふれる現代の社会では、親世代の常識は通用しません。自分らしく幸せに生き抜くためには、非認知能力のように「どんな世界でも生きていける力」が必要になります。

『マンガとイラストでわかる はじめての非認知能力』(Gakken)では、非認知能力育成のパイオニア、ボーク重子が非認知能力を育む子育てのスキルの数々をご紹介します。

●ボーク重子
Shigeko Bork BYBS Coaching LLC 代表。。1998 年に渡米、結婚し娘を出産する。非認知能力育児に出会い、研究・調査・実践を重ね、自身の育児に活用。娘・スカイが18 歳のときに「全米最優秀女子高生」に選ばれる。現在は、「非認知能力育成のパイオニア」として知られ、140 名のBYBS 非認知能力育児コーチを抱えるコーチング会社の代表を務め、全米・日本各地で子育てや自分育てに関するコーチングを展開中。

※こちらの記事では『マンガとイラストでわかる はじめての非認知能力』(Gakken)から、一部内容を抜粋して掲載しています。

子どもの可能性を大きく育てる「7つの非認知能力」

従来の学力や偏差値など目に見える能力に対して、目に見えない能力を総称して「非認知能力」と呼びます。非認知能力という言葉に「難しそう…」「生まれつきの才能なんでしょ…」と思う方もいるかもしれません。

「非認知能力」というと、幅広く「生きる力」を指すので、たくさんの要素があるの。

だからこの本では特に非認知能力とはじめて出会うママ・パパ向けに「これだけあれば大丈夫!」なポイントに絞り、わかりやすく「7つの力」としてまとめてみました。

7つの非認知能力

1 自己肯定感=自分を大切にする子

2 自己効力感=できると思って挑戦する子

3 自制心=感情と行動をコントロールできる子

4 主体性=やる気のある子

5 柔軟性=頭の柔らかい子

6 共感力=思いやりのある子

7 社会性=責任ある行動ができる子

3年後がどうなるか、いえ明日がどうなるかもわからないほど変化の激しい時代には、何があっても「自分を大切にする力」が重要だし、従来の成功のレールが崩れた今「できると思って挑戦する力」がなければ人生を切り開くことはできない。

そのためには「やる気」が必須で、さらに正解のない問題にあふれる社会では「頭の柔らかさ」が問われます。加えて多様性の時代には、これまで以上に「思いやり」が求められるし、役立つ社会の一員として「協働する力」も重要です。

こんな力があったらどんな社会でも生きていけると思いませんか?

そのために育むのが「非認知能力」なのです。

非認知能力を伸ばす「親の伝え方」4つのコツ

では、ここで、非認知能力を伸ばすために効果が高い「親の伝え方」を紹介します。

【コツ①】言葉で伝えるときの基本「肯定・質問・論理」

話すときは「肯定」的に。変な意見であってもまずは肯定。

次に「どうしてそう思うの?」と、子どもの思考力を育むために「質問」します。

しつけやルールを徹底する場合、感情的になることもありますよね。そんなときは、感情(命令・指示・叱責・ご褒美)ではなく「論理」的に伝えることが重要です。

【コツ②】「80対20の法則」で「聞く」を徹底

話を聞いてもらえるってそれだけで安心しますよね。だって自分の存在と価値を肯定してもらえて「自分は大切にされている」「ここに居ていいんだ」と感じるから。

だから、大人は「子どもから聞くのを80%、自分が話すのを20%」の割合を心がけて。子どもの話をたくさん聞いてあげましょう。

【コツ③】「伝わる非言語コミュニケーション」の基本

私たちは、「言う」よりも「言わない」ところで、多くの非言語コミュニケーションを使って伝えます。「伝わる非言語の伝え方」の基本は次のとおりです。

●ジェスチャー(身振り・姿勢・表情・視線など視覚に訴える)
笑顔で子どもの目を見て頷きながら話を聞けば、子どもは「ちゃんと聞いてくれいる」「自分の存在を認められている」と感じるでしょう。

●声のトーン・話すスピード・音量(聴覚に訴える)
興奮していると、声は大きくなるし、スピードも速くなります。楽しいことならともかく、怒ってるときにやると、子どもは恐怖を感じ、萎縮してしまいます。

●距離感(視覚)
楽しいときは距離も自然と縮まります。近くでコミュニケーションをとりましょう。

●スキンシップ(触覚)
ハグしたり優しく背中をさすってもらえると、子どもはとても安心します。

【コツ④】込める思いは「愛・思いやり・受容」

子どもに向ける行動は、いつもたっぷり愛を込めてくださいね。

「自己効力感」を育てたいならどっちの言葉を選ぶ?

『マンガとイラストでわかる はじめての非認知能力』(Gakken)では、7つの非認知能力を育てる「親の伝え方」について詳しく解説しています。

こちらでは、その中から「自己効力感を育てる習慣」について、一部内容を抜粋してご紹介します。

自己効力感を下げる「どうせムリ」「失敗が怖い」「〇〇に比べて自分はダメ」という言葉。そんな言葉を使ってしまう原因はこの3つにあります。

① 学習性無力感
失敗やできなかった経験が重なると、「どうせ無理」とやる前から諦めてしまうのです。これを「学習性無力感」と呼びます。脳にはネガティブ・バイアスといってダメなことをより強く記憶する性質があるため、学習性無力感に陥りがちなのです。

② 完璧主義
子どもに完璧を求めてしまうと、できないことがあったときに減点法で評価してしまいます。そうすると子どもは「できない、失敗する、失敗が怖い」と思うのです。

③ 比較
自分の子どもよりもできる子がいたら、つい比べてしまうものですよね。子どもはそんな親を観察していて、「〇〇に比べて自分は…」といった発言になっていくのです。

うわー、いっぱいやってる! と思っても大丈夫。バンデューラ博士の理論に沿ってこの3つに向き合いながら子どもの自己効力感を高めていく方法をご紹介しますね。

やり方は、とてもシンプル。

①できていることを見つける、
②プロセスを観察する、
③ほめる・しっかりと伝えていく、

です。

従来の教育で育ったママ・パパに役立つリスキリングに

実は娘が幼稚園に入ったときに「私の子育ては終わった。あとは学校がなんとかしてくれるだろう」と思っていました。そしたら学校から「学校だけじゃダメなの、家庭でもやらないと!」と言われて、「難問」にぶち当たったのです。

「非認知能力って、家庭でどうやって育めばいいんだろう?」という「難問」に。

当時のアメリカには非認知能力を育む子育ての本なんてなかったから、先生に譲ってもらったボロボロの非認知能力を育む教育理論の本を読んで、学校に何度も通って授業や先生と子どもたちの触れ合い方を観察して、夫と一緒に家庭版を作りました。

そして成長した娘が18歳で「全米最優秀女子高生」をとり、そのときに「ぜひ非認知能力育児について書いてほしい」と言われてまとめたのが、2018年に出版された『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)と『非認知能力の育て方』(小学館)だったのです。

そこから7年の月日が経ち、その間、日本のご家庭・教育機関・自治体・企業に非認知能力の育成を広める活動を書籍・講演会・ワークショップ・コーチングを通じて行ってきました。

最初は1人での奮闘だったのが、今では150名の最高に素敵なBYBS非認知能力育児コーチたちが日本と世界で一緒に活動してくれています。

そして本著でご一緒させていただいているアカデミック界の非認知能力の第一人者、中山芳一先生とは「学校と家庭を非認知能力でつなぐ」ことを目的として、いろんな活動を一緒に展開しています。そうすることで真に「子どもまんなか」な子育てができるからです。

人生100年時代はリスキリング(学び直し)の時代と言われます。変化に淘汰されないためには大人になった今こそ成長し続けないといけない。わが家では今でも家庭版を実践しています。

非認知能力を育む子育てを実践する過程で、思いがけず最高に素敵なことがありました。それは私自身の非認知能力も高まって、人生が180度変わったということ。

だから、本著は従来の教育で育ったママ・パパにとっても、役立つリスキリングになると思っています。

社会で役立つ力の育成法が満載の本著を、ぜひ新鮮なご自身の、そして子育てのリスキリングとして活用していただけたら光栄です。

●ボーク重子(ぼーく・しげこ)/写真右
合同会社BYBSコーチング代表。Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。ICF会員ライフコーチ。
ワシントンD.C.在住。海外在住歴30年。グローバルな視点でいち早く日本で非認知能力を育む教育法や子育てを提案・展開してきたことから、「非認知能力育成のパイオニア」として知られる。非認知能力を高める教育と子育てによって成長した愛娘・スカイさんは、60年以上の歴史ある「全米最優秀女子高生」で優勝した。
非認知能力の育成に関する著書は日本とアジアで18冊。これまでの講演会・ワークショップ総動員数は3万人以上、メディア掲載・出演180媒体以上。
現在、約150名のBYBSコーチ陣とともに、エビデンスベースの非認知能力育成法BYBSメソッドを採用した非認知能力育成プログラムを、個人や団体(自治体・教育機関・企業)向けに提供中。おもな実績として、学研教室(会員数35万人超)や学研幼児教室、学研スクエア、めばえ教室の指導者・指導員・講師向け非認知能力育成プログラムの作成・導入や、大手教材メーカー・アーテック社と共同で、業界初・非認知能力を育む知育玩具を開発・発売したことなどがある。

●中山芳一(なかやま・よしかず)/写真左
岡山県岡山市生まれ。All HEROs合同会社代表社員。
IPU・環太平洋大学特命教授。元岡山大学教育推進機構准教授。
岡山大学教育学部卒業後、1999年当時、岡山県内に男性たった1人といわれた学童保育指導員として9年間在職。以降は、教育方法学研究の道へと方向転換する。幼児教育から小中高の学校教育まで、さまざまな教育現場と連携した実践研究を進めるなか、岡山大学で学生たちのキャリア教育の主担当教員となる。
四半世紀以上に及ぶ小学生と大学生に対する教育実践の経験から、「非認知能力の育成」という共通点を見出し、全国各地で非認知能力の育成を中心とした教育実践の在り方を提唱してきた。
また、若者たちの社会進出支援や企業向けセミナーなど、社会人を対象とした活動も精力的に行っており、非認知能力の重要性をあらゆる世代に発信している。

マンガとイラストでわかる はじめての非認知能力

ボーク重子(著)
中山芳一(著)
定価 1,705円 (税込)

本書では「非認知能力育児」のパイオニアとして活躍する著者が、これまでに実践してきた非認知能力を育む具体的なスキルや実践方法を、たっぷりのマンガやイラストで、どなたにもわかりやすく解説しています。本書でご紹介する2つのコツを押さえるだけで家庭でも簡単に取り組めて、育児の心配・不安を期待とワクワクに変えてしまう「子どもまんなか」な最新の育児法を、ぜひ試してみてください!

[非認知能力1]自己肯定感 自己肯定感は生きる力のベース

「自己肯定感」を育てたいならどっちの言葉を選ぶ?
「そうなんだね、話してくれてありがとう!」or
「ダメな子ね。なんでそんなふうに思うの?」

「自己効力感」を育てる習慣2 最高にカッコいい「失敗する親」

Q.すぐ「私なんて」「どうせ」と言います。自信がないの?

 

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