セカンド松陽 小中学生が1年で100人に バスケスクールが活況
県立松陽高校のバスケ部OB・OGらが運営する小中学生のバスケットスクール「セカンド松陽」がじわじわと活動を広げている。昨年の発足からわずか1年で登録部員数は97人までのぼり、近隣のバスケット教育の底上げに一役買っている。
昨年4月から活動を開始したセカンド松陽。同校体育館で月に2回の練習を続けており、区内外の小中学生が汗を流している。活動をけん引するのは同高バスケ部で一時代を築き、現在も同部にかかわる阿部哲也さん。その教え子のOB・OGが全面協力する形で運営している。
以前よりも部活動に制限がある中、「中学の先生の負担を減らし、バスケ好きな子どもたちの受け皿に」との思いが活動を支えている。
部活とも違う場
近隣の中学校に呼びかけたこともあって、初回の練習会には20人ほどが参加。活動を続けるうちに口コミで参加希望者が広がり、3月時点では97人にのぼっている。
指導者の一人・本田守さんは「人数が増えるのはもちろんうれしいこと。なので一人当たりの運動量が減らないように、というのは工夫しました」と振り返る。
日野南中(港南区)2年の小峰夢大さんは姉が松陽高だったのがきっかけでセカンド松陽に。「部活とも違って、分からないことをすぐ聞ける。練習はいつも楽しい」と笑顔を見せる。
指導では技術のほかに気の持ち方や考えを表現することなどにもふれ、「みんな回を重ねるごとに反応がよくなっている。私自身も体育館に来るのが楽しみです」と本田さんは明かす。
広まりに期待
セカンド松陽の「セカンド」には、スクール生がそれぞれ所属する部活などをファーストとする意味も込められている。「中学校の先生の方針が第一。基本的な指導に力を入れ、みんなが得たものをそれぞれの学校に持ち帰って、それが広まったらいい」と阿部さん。
さらにこの春には、セカンド松陽のスクール生で松陽高校に進学した生徒も。阿部さんは「なんといっても育成段階。バスケットを楽しむことを伝えるとともに、限られた時間の中でより効率的な練習をしていけたら」と思いを語る。