「求愛ダンス」は突然に 絶景との一期一会をかみしめる【北海道の絶景写真13枚】
数多くの「絶景」を持つ北海道。
観光情報にはなかなか載っていない、「日常の絶景」も多くあります。
今回は、HBC帯広放送局のカメラマン・大内孝哉さんが撮影した、十勝の冬の風景をお届けします。
連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」
十勝の冬
春の景色もすぐそこで待っている気がします。
これを執筆している3月末、現在の外の風景は雨。雪が雨に変わる季節が来たんだなぁ…なんて思いながら、今年撮った写真を見返していました。
週末には雪予報もあったりと不安定な季節ではありますが、きっともう季節は春に向かって走っていくのだろうと思います。
今年の冬は暖冬から始まり、少雪、そしてドカ雪と、冬の季節の安定感がなかったなと感じています。ニュースカメラマンとして、そんな季節ネタの取材もたくさんしました。
この冬見た中でも、十勝平野の冬の景色は絶景でした!
冬が完全に終わってしまう前に、皆さんにお届けできていない十勝の絶景をお伝えします!
霧氷と気球
・撮影日:2025年2月
・場所:音更町
・シャッター速度 1/200
・絞り f/10
・ISO 500
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
この日はとても寒い朝でした。十勝川付近に到着した時点での車の温度計は、マイナス18度。
しかし周りの景色は、あたり一面、毛嵐の霧の中に包まれていました。
寒いけど撮りたい!!
そんな感情のなか、周りの景色を撮影していると、霞の中からゆっくりとゆっくりと現れたのは気球です。
十勝川温泉付近で行っているアクティビティの気球です。これまでにも何度も同じ撮影スポットで、気球と景色のコラボを狙いましたが、この日が今までで一番幻想的に『霧氷と気球』を撮影でき、お気に入りの一枚になりました。## 撮影スポットの決め方
・撮影日:2025年2月
・場所:幕別町
・シャッター速度 1/100
・絞り f/8.0
・ISO 1250
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
撮影スポットを選ぶときの話をします。
僕は写真を撮りに行く時、このスポットに行く!という明確な場所が決まらないまま撮影に出かけることがほとんどです。
なんとなく、どこの方面に向かうかは大雑把に決まってはいるのですが、細かくこの場所!というのは決まっていません。
なので今まで撮った写真は、たまたま出会った景色を撮影し収めた写真がほとんどです。
・撮影日:2025年2月
・場所:幕別町
・シャッター速度 1/100
・絞り f/8.0
・ISO 1250
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
十勝平野は、ここがスポット!!という場所は多くはないと思うのですが、見渡す限りの広大な景色が広がっている場所が多く、車を走らせていて急に絶景が現れることが多々あります。
僕の撮影は『その場所で出会う景色を撮影する』というスタイルがほとんどです。
なので景気との出会いも一期一会ですね。
「求愛ダンス」も突然に
・撮影日:2025年3月
・場所:十勝平野
・シャッター速度 1/3200
・絞り f/9.0
・ISO 800
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
そうそう。この前は大樹町に向かっているときに、2羽のタンチョウに出会いました。
しかもですね、シャッターチャンスを狙っていたらなんと、舞うようにバサバサと羽を動かし始めました。
タンチョウの繁殖期に見かけることが多く、「求愛ダンス」とも呼ばれています。
・撮影日:2025年3月
・場所:十勝平野
・シャッター速度 1/3200
・絞り f/9.0
・ISO 800
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・撮影日:2025年3月
・場所:十勝平野
・シャッター速度 1/3200
・絞り f/9.0
・ISO 800
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
僕は今までタンチョウには何度も出会ったことがありましたが、求愛ダンスを見たのは初めてでした。
2羽のタンチョウが顔を合わせながら、翼を広げ、鳴き声をあげたり、飛び跳ねたりを繰り返します。
タンチョウが広げた羽は、白と黒で織りなされ、とても美しく、広大な雪が積もった畑の中という最高のステージで、観客は自分一人だけ。感動です。
動物との出会いはまさに「運」。
とても贅沢な貸切のダンスショーでした。
この冬、最も美しい早朝
・撮影日:2025年3月
・場所:帯広市
・シャッター速度 1/100
・絞り f/13
・ISO 200
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
そしてこの冬も、最も美しい早朝がありました!
霧氷に覆われた早朝です。
・撮影日:2025年3月
・場所:帯広市
・シャッター速度 1/400
・絞り f/10
・ISO 200
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
この現象は、去年も一度だけありました。
青空の下で、濃い真っ白な霧氷の景色を見られる日。
早朝起きたときは、帯広市内は濃い霧のなかでした。
特に撮影に行く予定ではなかったのですが、車を走らせると少しづつ霧が晴れてきて、見えてきたのは、どこを見回しても霧氷の木々が広がる景色です。
霧の中、自然の芸術作品ができ上がっていました。
・撮影日:2025年3月
・場所:帯広市
・シャッター速度 1/400
・絞り f/13
・ISO 200
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
この景色を皆さんにお届けしたかった。
ずっと待っていたのですが、暖冬だったせいかなかなか現れず。半ば諦めていた3月に出現しました!
ちなみに去年同じような光景が見れたのは、1月中旬の1回のみでした。
カメラマンでよかったと感じる瞬間
・撮影日:2025年3月
・場所:帯広市
・シャッター速度 1/100
・絞り f/20
・ISO 200
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
冬の十勝平野は「厳冬であり幻冬」です。
暖冬と謳われていた今年も、やっぱり寒い日はとても寒い。
でも僕の勝手な感想ですが、寒ければ寒いほど十勝平野は美しい。
そう感じています。そしてその美しい景色の表情は一瞬です。
その一瞬の光景を見ることができると、決して大袈裟ではなく、時間を忘れるような感覚になります。
どこか異世界にいるような感覚。匂いや、防寒着を着ていても肌に伝わる寒さ。
それを感じる瞬間に、「自分がカメラが好きでよかった。カメラマンでよかった」と思います。
そんな感情にさせてくれるのも北海道であり、十勝平野でもあるのだろうなと思います。
冬の景色は今回にて終了です。
これからは春を追い求めて、撮影に励みたいと思います。
ありがとうございました。
連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」
撮影・文:HBC帯広放送局 大内孝哉
2015年からテレビカメラマンとして、主にニュースやドキュメンタリーを撮影。担当作品に映画/ドキュメンタリー「ヤジと民主主義」「クマと民主主義」や、ドキュメンタリー「核と民主主義」「ベトナムのカミさん〜共生社会の行方〜」「101歳のことば ~生活図画事件 最後の生き証人~」など。
2023年10月から帯広支局に異動。インスタグラム@takayasunset0921では、プライベートで撮影した北海道の写真を公開中。
編集:Sitakke編集部IKU
※野生動物は距離をとって望遠レンズで撮影
※掲載の内容は記事執筆時(2025年3月)の情報に基づきます