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東京のネオ酒場8店。遊び心満載の空間で創作料理と美酒を楽しむ

さんたつ

ジャンソーアタル2

古き良き日本の酒場の雰囲気を残しながら、アイデアを盛り込んで新たな魅力を生み出したネオ酒場。いつもの居酒屋とはひと味違う酒場に行ってみよう!

酒場はりや

雀荘の雰囲気を残した近未来的な隠れ家『ジャンソーアタル』【北千住】

ニラのジェノベーゼソースを絡めたニラビーフン825円。見た目も美しい青のレモンサワー715円。

元雀荘を改装した酒場。「麻雀登美」の看板をくぐって扉を開ければ、無国籍で近未来的な空間が広がる。店内にはコの字型のカウンターや麻雀卓を利用したテーブル席などがあり、新旧入り交じったワクワクする造りだ。料理は干し豆腐の生胡椒オリーブ和えといった独創性のある創作料理があるかと思えば、ポテサラやハムカツなどの定番メニューも。まるでカクテルのようなオリジナルサワーや自然派ワインなどと一緒に楽しみたい。

「好きなことをミックスしたら居心地のいいネオ酒場になりました」と代表取締役の當山鯉一さん。
入り口は雀荘時代のままなので、気づかずに通り過ぎてしまう人も。

『ジャンソーアタル』店舗詳細

ジャンソーアタル
住所:東京都足立区千住1-33-11 上野ビル2F/営業時間:16:00~22:30LO(ドリンクは23:00LO)/定休日:不定/アクセス:JR・私鉄・地下鉄・つくばエクスプレス北千住駅から徒歩2分

斬新なアイデアでさまざまな料理を創作『酒場 浮雲』【学芸大学】

人気のメニューや旬メニューが盛られた「おまかせ前菜七種盛り合わせ」1540円~(写真は2人前)。この日は〆サバサンドも。

店主の有川毅さんは、スイスで料理修業を積み、帰国後はイタリアンやもつ鍋店などを渡り歩いて研鑽(けんさん)を積んだ。自身の経験を生かし、季節の素材で作り上げた料理は、ジャンルにとらわれないこだわりの味を生み出している。一番人気の〆サバサンドは、締めすぎず、サバの脂の旨味を感じられる一品だ。日本酒や焼酎、ワインなど種類豊富にそろい、特に季節のフルーツを使ったサワーは、色鮮やかで見た目にも美しいと好評だ。

多彩なノンジャンルの料理を作り続ける店主の有川さん。
外観や内観は小粋なビストロのようなオシャレな造り。

『酒場 浮雲』店舗詳細

酒場 浮雲
住所:東京都目黒区鷹番2-20-8 モンテローザビル2F/営業時間:17:00~23:00/定休日:火・水(祝の場合は翌)/アクセス:東急電鉄東横線学芸大学駅から徒歩1分

探究心で作り上げた店には自由な楽しさがある『キクヤ』 【三軒茶屋】

インド人の友人から直伝された炊き込みごはんのビリヤニ1500円。クラフトビール1100円~との相性抜群。

店主の三木さんは元々調理経験がなかったが、「大阪出身=お好み焼き」という発想で、まずはお好み焼き店を始めたという。その後、飲食店で修業中にスパイス料理と出合い、やがて、クラフトビールを造るまでになった。訪れた店で気になる料理があればメモをするなど、自由な発想でメニューを作り上げている。マスタードシードで漬けた新大根の浅漬けや、エスニックな香りが広がるおひたしなど個性的な料理が多い。クラフトビールは10種ほど用意。

新大根の浅漬けをはじめとした料理がそろう前菜5種盛り1500円。
研究熱心な店主の三木基弘さんとの会話も楽しい。

『キクヤ』 店舗詳細

キクヤ
住所:東京都世田谷区太子堂5-1-12-1F/営業時間:18:00~23:00(金は18:00~翌2:00、土は15:00~翌2:00、日は15:00~22:00)/定休日:月/アクセス:東急電鉄田園都市線・世田谷線三軒茶屋駅から徒歩7分

居酒屋メニューのほか、各種定食も人気『初場所 中目黒』【中目黒】

圧力鍋でしっかりと煮込んだ牛煮込み490円は甘めで洋風な味わい。ジンにリキュールを加え、炭酸で割ったボール(ジンハイボール)490円。

代表の吉利雄太さんは「この界隈(かいわい)で魚の定食が食べられる店ができたら喜ばれるだろう」と考え、喧噪(けんそう)から少し離れた現在地に開店。一日中定食が食べられることもあって、食事だけで利用する人も多いという。店内の壁には黒板に白文字のメニュー札が並び、卯の花や牛煮込み、玉子焼きなどの料理と、日本酒や焼酎といった居酒屋定番メニューがそろう。昔から続く酒場文化を独自解釈し、進化させたネオ酒場として人気だ。

代表の吉利さん。店内はカウンター席、テーブル席、宴会もできる座敷席がある。

『初場所 中目黒』店舗詳細

初場所 中目黒
住所:東京都目黒区青葉台1-27-1 青葉台Aハウス101号/営業時間:11:30~24:00(日は~22:00)/定休日:無/アクセス:東急電鉄東横線・地下鉄日比谷線中目黒駅から徒歩10分

昔ながらの大衆酒場風。遊びを取り入れ進化『The Office』【恵比寿】

レバネギ2本430円や海老トースト660円、クラフトビールはレギュラー1030円。

マジックで「オフィス」と書かれた鉄の扉が入り口。店内はコンクリート打ちっぱなしのクールな造りだが、コの字型のカウンター席が大衆酒場を思わせる。店舗中央にはタップ(注ぎ口)が設置され、国内外のクラフトビールが楽しめる。肴はお刺身盛り合わせといった定番の居酒屋メニューがあるが、クラフトビールに合わせるならばガパオごはんの焼きおにぎりやエビとハーブの生春巻きなど、個性的なエスニック料理を選びたい。

「もっと自由に楽しめる場所を作っていきたいです」と代表取締役・千倫義さん。
入り口は白い防火扉なので、見過ごさないように。

『The Office』店舗詳細

The Office
住所:東京都渋谷区恵比寿南1-8-1 STMビル2F/営業時間:17:00~23:00(金は~翌3:00、土は14:00~翌3:00、日は14:00~23:00)/定休日:無/アクセス:JR・地下鉄恵比寿駅から徒歩2分

アジフライを求めてすぐに満席になる『酒肴 あおもん』【五反田】

「名物重さゼロのアジフライ」1280円前後。レアと完熟のハーフ&ハーフも注文できる。

さまざまな居酒屋で修業を重ねた店主の渡辺さんが開いた、魚料理のなかでも青魚をメインとした酒場。「名物重さゼロのアジフライ」が看板メニュー。火入れに2種類ありレアは内側がしっとり、完熟はフワッとしている。衣にもこだわり、特注の低糖質パン粉を薄くまとわせて、揚げ時間も秒単位で調整している。サクッとした食感のアジフライはまさに 「重さゼロ」。サバ専用の日本酒という「SABAde SHU」と一緒に楽しもう。

サバや旬の魚が盛られた青盛1188円(写真は2人前)。

『酒肴 あおもん』店舗詳細

酒肴 あおもん
住所:東京都品川区西五反田2-31-4 KKビルB1F/営業時間:17:30~23:30/定休日:不定/アクセス:JR・私鉄・地下鉄五反田駅から徒歩5分

古民家の奥に変態的な偏愛酒『散ポタカフェ のんびりや』【日暮里】

定番の鶏刺し3種盛り1800円、オムライス黒1200円など。「剣菱樽酒」880円。

古民家カフェと思い、入り口の戸を引くと、「剣菱」の樽と目が合う。メニューに目をやれば、清酒を蒸留して仕込んだ焼酎「秀洋(しゅうよう)」が。屋号に似合わず、酒の顔ぶれが濃い!「口で踊る妖艶な風味にひかれたドメーヌ・アツシ・スズキのワインなど、造り手の顔が見えるお酒が好きなんです」と妻のもしゃさん。夫のきんちゃんが繰り出す料理もスーパーマリオフライやイカ墨の黒オムレツなど、独創的ながら彩りよし、味なおよし!

街に灯をともす、小さな名酒場。
築100年余の古民家を夫婦でコツコツ改装。

『散ポタカフェ のんびりや』店舗詳細

散ポタカフェ のんびりや
住所:東京都台東区谷中5-2-29/営業時間:11:30〜15:00・18:00〜23:00(土・日・祝は11:00〜23:00)/定休日:水・木/アクセス:JR・私鉄・日暮里・舎人ライナー日暮里駅から徒歩8分

伝統の酎ハイと女将が作る料理が旨い『酒場はりや』【東向島】

下地は薄いお好み焼き、上はもんじゃの不思議な生地にゲソが絡むげそ天580円。

昭和6年(1931)創業。以前は墨田区の鐘ケ淵で営んできたが、3代目の荘司美幸さんの時に現在地に移転。名物メニューの酎ハイは、あらかじめ割ったものを強炭酸サーバーから注ぐという初代から受け継いだ伝統の味。キリッとしたさわやかさがあり、常連が通うのも頷ける。料理好きの美幸さんが作る、もんじゃとお好み焼きの中間のような食感のげそ天や、パリッとした赤いウインナーなど、家庭料理のようだが、味は抜群だ。

タコさん型に切った赤いウインナー480円。
知人の寿司屋跡を借りて2023年にオープン。新しい人ばかりでなく、古くからのなじみ客も集う。
3代目店主の美幸さんと、飲み比べ用の三連升を手にする長女の実咲さん。
吸い込まれるようについつい縄暖簾をくぐってしまう。

『酒場はりや』店舗詳細

酒場はりや
住所:東京都墨田区東向島5-3-1/営業時間:18:00~22:00LO(土は17:00~)/定休日:日・月・祝/アクセス:東武鉄道スカイツリーライン東向島駅から徒歩1分

取材・文・撮影=アド・グリーン 撮影=加藤熊三、井上洋平、岡田孝雄、原幹和、丸毛透

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