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コマツ、新世代油圧ショベル「PC200i-12」発表 ICT施工で生産性向上、建設業の人出不足解消へ

J-CAST会社ウォッチ

コマツは2024年11月27日に幕張メッセで、ICT機能を搭載した新世代油圧ショベル「PC200i-12」の発表会を開いた。

「PC200i-12」は、土木分野の主力機種となっている機械質量20トンクラスの油圧ショベルをフルモデルチェンジし、車両本体に「3Dマシンガイダンス」を標準装備していることが特長だ。

「3Dマシンガイダンス」は、運転席のディスプレイ上に、設計図面データと自機の位置や姿勢などの情報が表示される機能だ。これにより、オペレーター(操縦者)が設計図面に対し、掘削位置を判断できるようになる。

また、オペレーターの操作を自動でサポートする「3Dマシンコントロール」機能の利用も可能だという(利用度に応じたプランがある)。

オペレーターの作業を自動化する「3Dマシンガイダンス」

コマツでは2015年から、デジタル技術を活用した建設現場の施工の「見える化」「最適化」を目指し、3Dデータで現場の各工程をつなぐ「スマートコントラクション」の取り組みを進めている。

いわば、建設をIT化する施策だ。デジタルで工事現場や現場事務所、建設業の本社がつながることで、リアルタイムでの工程改善を行うソリューションの導入が進んでいる。

建設のIT化が進む背景として、建機マーケティング本部長の西浦泰司常務執行役員によると、建設業界の主な課題に「労働力不足と高齢化」、「自然災害の激甚化・頻発化」、「インフラの老朽化」があると指摘した。

将来的な建設業界の人材不足を見据え、建設プロセス全体(調査・測量、設計、施工、維持管理)を三次元データ(3D)でつなぐ、3D施工の推進が求められているのだという。

そうしたなか今回、スマートコントラクション推進本部長の四家千佳史執行役員は、コマツは3D施工の標準化に向けて強い意志を持ち、土木分野の主力機種「PC200」について、3Dマシンガイダンスを標準とした「PC200i-12」に機種統合したという。

新機種「PC200i-12」は、オペレーターの操作を自動でサポートする「3Dマシンコントロール」の利用も可能だ(利用度に応じたプランがある)。「3Dマシンコントロール」では、GPSやGNSS(衛星測位システム)、3次元設計データによってオペレーターの操作を自動停止したり、図面に沿った操作を自動でサポートしたりする。

「PC200i-12」は2024年12月1日発売で、公表価格は3150万円。3Dマシンコントロールは従量課金制と使用無制限の料金形態がある。

なお、コマツでは、施工前~施工~施工後の施工プロセス全体をひとつと考え、全体の安全性向上、生産性向上、品質向上のため、最新のICTを生かす「スマートコンストラクション」の取り組みを進めている。

たとえば、建機の作業量や掘削量などセンサーを通じてデータ化し、現場事務所や本社に送信することで、工事の進捗状況を共有できるICTソリューション「Smart Construction Dashboard」がある。それにより、現場に出向くことなく進捗状況を把握し、分析につなげられる「建設業の働き方改革」にも寄与することを、発表会でアピールした。

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