動きケア®による予防と改善! 新発想の身体部分分けと基本運動②頸部【スポーツ障害予防の教科書】
身体の部分分けと基本運動① 頸部
チェック以外では基本動かさない
頸部の基本運動には「屈曲と伸展」「左側屈と右側屈」「左回旋と右回旋」という6つがあります。頸部についてはとても重要なことがあります。それは動きケア®では「頸部を積極的に動かしたり、直接的な外圧をかけたりしない」ということです。頸部の基本運動はチェックとしてだけ使うことにし、基本運動を行うことで直接改善につなげるようなことはしないようにします。
頸部は体表面積が小さく、外部からの力に対し弱い部位でありながら、大事な血管や神経が通っている重要部位です。今まで、首に直接外圧をかける施術や首をボキボキ鳴らす習慣、強すぎる首へのストレッチなどでかえって首を痛めてしまったケースをたくさん目にしてきました。本当に首は繊細で大事な部位です。次の画像のようなストレッチも注意してください。
首に不調がある場合には、まずは、チェックとして基本運動を行い、どの動きに痛みや不快感、可動域減少があるか把握しておきます。そのうえで、眼や胸郭の動きケア®(十分にできなくなっている基本運動をできるようにする)をします。再度、頸部の基本運動でチェックしてみると先ほど痛みや不快感、可動域減少があった動きに変化を感じられるはずです。
「人の身体が連動していること」を本当に理解できると、このように繊細な首には直接アプローチしない安全な方法で、首の不調を改善することができます。ぜひ、お役立てください。
6つの頸部の基本運動
①屈曲⇔②伸展
③左側屈⇔④右側屈
⑤左旋回→⑥右旋回
出典:『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』