第47回「ワクワクする地域のつながり!」
「私たちの未来は、私たちで作る!」
あなたの「困りごと」、「モヤモヤ」、「お悩み」、もしくは、「変えていきたい社会の課題」などを通して、みんなで一緒に「これから」を考えていく番組。
今回もリスナーの方から寄せられたメッセージに3人でこたえました。
53歳で自営業をしています。
私の町は人口4万弱の小さな田舎町です。そんな我が町にも、行き場のない猫たちをボランティアで保護する民間団体があります。
しかし、地域では「多頭飼育崩壊」が頻繁にあり、現在、小さな一軒家の保護ハウスは130匹の猫ちゃんたちで溢れかえっています。お世話をするボランティアさんも足りない中、多額の食費と医療費などは団体が発信するブログのみで寄付を募っている状況です。
犬の狂犬病予防などは行政でもPRなどの発信はありますが、猫は繁殖率が高い割に去勢手術の徹底が周知されない上、無責任な餌やりなどが後をたたず、不幸な猫ちゃんたちがどんどん増えています。
また、1人世帯の高齢者が多く、施設や病院に入るために泣く泣く、長年暮らした猫ちゃんとお別れしなければならないのですが、その子の引き取り手も見つからないのが実情です。
不幸な猫ちゃんを増やさないためには、地域交流を増やしていくべきだと思うのですが、具体的にどのような取り組みをしていけばいいのでしょうか?
小泉:お医者さんも協力して、少し安くしてくれるとか、そういうところもきっとあると思う。だけど、小さな田舎町でこういうことがあって。民間で猫を保護している団体って、すごくたくさんあると思います。「多頭飼育」は、犬も猫もあるみたいだけど、どんどん増えちゃって、どんどん生まれちゃって、どうしたらいいかわからなくなっちゃって…ある部屋を猫の部屋にしてほったらかしにする場合って、結構あるみたいです。
上村:この保護ハウスも、130匹の猫ちゃんを飼おうとすると、お金かかるでしょうね。
小泉:大変です。お金もかかるし、猫はすごく清潔好きなので、トイレとかも頻繁に変えなくちゃいけなくて。私は2匹飼っていて、2つトイレを置いているんですね。それも、2匹になっただけでもすごくシートの取り替えとかの頻度が上がって、ちょっと忘れちゃったりすると大変っていう感じなの。それが130匹って、大変だと思います。
上村:うーん。
小泉:ご飯とかも、大変だと思う。
上村:夏は冷房もつけて…
小泉:匂いも。猫ちゃんのトイレの匂いって、特にオスの猫ちゃんとかは結構(匂いが)強いから、大変だと思います。
大石:じゃあ、いろいろな地域でこういう問題があるってことですね。
小泉:すごくあると思います。
上村:メールだと、「具体的にどのような取り組みをしていけばいいでしょうか」とありますが、どうですか?
小泉:なんか、猫が得意じゃない、怖いって思っちゃう人もいたりするし、猫の鳴き声が嫌だとか。猫ちゃん、外で暮らしていると、どこでもトイレじゃないですか。それが自分のお家の庭でされたら嫌だとか、人によってはいろいろな意見があると思います。
大石:たしかに。
小泉:イスタンブールとかって、「猫による猫の街」みたいに言われていて。写真集とかもいっぱい出ているんですけど、あらゆるところに猫ちゃんが共存していて、道端で猫ちゃんが寝ていたらおじさんが「猫が寝ているので起こさないでね」みたいなメッセージをポイと置いていたり。お店屋さんとかも猫ちゃんが来たらご飯をあげたり。そういう街みたいです。
大石:なるほど。
小泉:憧れます。行ってみたいです。
大石:行ってみたいですね。
上村:私も広島の尾道に「猫の細道」があって、行ったことがあるんです。その時いとこが岡山に住んでいたので、一緒に車で広島まで行ったんですけど、いとこは猫が大好きで。そうしたら「猫の飼い主を探しています」っていう張り紙があって「この子を飼いたい!」って言って、そこの猫ちゃんを引き取ったんです。なので、猫好きの人が集まる場所があると遊びに行って可愛がるのもいいですし、そこで猫ちゃんとの出会いがあれば引き取ることもできる、そういう地域が増えるといいなって思いましたね。
小泉:猫好きはパッとすぐに会話ができるから、猫が欲しいなと思っている人は、ペットショップで買うのも出会いかもしれないけど、そういう(猫と出会える場所)を探してみるのもいいですよね。地域猫は地域猫で守ってあげたいけど、1匹でも、お家の猫にしてあげるっていう考え方ができるといいですよね。
街を元気にする駄菓子屋さん!
愛知県・名古屋市「スナックかくれんぼ」
お悩みから視点を広げて、こんな話題も紹介しました。
上村:今回ご紹介するのは、街を元気にする駄菓子屋さん。愛知県名古屋市南区の内田橋商店街の空き店舗を利用して、週に1回、木曜日の夕方に駄菓子屋さんがオープンしています。お店の場所はいつも同じ…とは限りません。「子どもたちに商店街を探検してもらいたい」という想いから、さまざまな空き店舗を巡っていくスタイルです。そんな理由から、駄菓子屋さんの名前は「スナックかくれんぼ」です。店主の横井れいさんにお話を伺いました。
「子どもたちが楽しめる場を作ると、子どもが来るんだ」と実感しています。
1日3時間しか開けないんですが、子どもだけでも50人、保護者を含めると80人くらいが毎回来てくれます。私たちスタッフが子どもたちの名前を覚えていって、名前で呼びかけると子どもの顔色はどんどん変わっていくんですよね。それで、また来てくれるっていう。
あと、常連の子どもたちがボランティアに志願してくれて、毎回、計算係に入ってくれているんですよね。大人も子どもも一緒になってお店を盛り上げているところがすごく嬉しいです。あと「私も一緒に手伝いたいんだけど」っていう、高校生、大学生、社会人、シニア層の方もお手伝いに入ってくれています。いろいろな年代の人が一つのお店にいて、名前を覚えあって声をかけあうっていうことができているので楽しいです。
でも、この「スナックかくれんぼ」、私一人の力ではとてもできないんですよ。まず、内田橋商店街の方々が応援してくださったんですよね。子どもを見かけないから、子どもが来る商店街にしたいって応援してくれて。
商店街の不動産屋さんの石原さん、いろいろな店舗のオーナーさんとお知り合いなので、「こういう趣旨でやりたいんだけど、どうか貸してくれないか」って交渉に当たってくれて。すごく想いを伝えてくださって、賛同してくれるオーナーさんを見つけてくださっています。
まず、石原さんありがとう、内田橋商店街ありがとう、というところです。本当に商店街のメンバー、最高なんですよ。
小泉:すごい!いいアイデアですよね。
大石:素晴らしい!
小泉:場所が変わる、変わらざるを得ないっていう状況もあるんだろうけど、それを逆手に取るじゃないけど冒険するみたいな感じで子どもたちは楽しいですよね。
上村:ねー!
小泉:私は子どもの頃、もう、ほぼ毎日(駄菓子屋さんに)行きましたよ!何も買わなくても、駄菓子屋さんにいけば子どもたちが集まってるから、ゴム飛びとか、縄跳び持っていったりとかして、みんなと遊べるから。10円とか20円で飴を買って。くじ引きみたいなのが多いじゃない?
大石:うん。楽しかったですよね。
小泉:楽しかった。(さえちゃんは)なかった?
上村:うーん、ありました。でも、そんなに頻繁に行ってたかというと、そうでもないですけど。でも、月に数回は行って飴とかを買ったり。あと、ブタメンが流行ってて、家だと食べさせてもらえないので…
大石:こっそり食べてたの?笑
小泉:そう!ある世代から下のひとは、ブタメンがすごく有名みたい。ドラマ『団地のふたり』の中にブタメンの話が出て来たんだけど、私も小林聡美さんも知らなくて「ブタメンって何?」ってなったんです。でも、実際に食べてみました!美味しかったです。
上村:大石さんも、将来駄菓子屋さんを開きたいという夢がありますからね。
小泉:いいねー。
大石:これ、実際に空き店舗を周るじゃないですか。普通にやっている店舗の軒先を借りて駄菓子屋さんが移動していくみたいなのもできるかもしれないな、と思いました。
小泉:「夜のパン屋さん」的な?
大石:そうすると、そこのお店の集客にもなるというか。商店街のお店って、地方に行くとお客さんが来ているのか不安になるようなお店もあったりするじゃない。そういったところに駄菓子屋さんが移動して行ったらコミュニケーションが生まれるから。
小泉:そうですね。商店街のスタイルって、顔が見えるじゃない。みんな知り合いだったりするから、危険じゃないよね。例えば、土曜日とかって車が入れなかったりすれば、昔みたいに店舗の前で遊び?チョークで道に丸とか書いてケンケンパーとかやってたじゃないですか。ああいうのとかもやらせてあげて、古い遊びを教えてあげるのも良さそうな気もする。
大石:たしかに。できるかもな。
上村:そして、お話を聞いた横井さん、本業は名古屋市役所の嘱託職員だそうで、勤めているのは地域振興課です。つまり、お仕事でも人と人を繋ぎ、プライベートでも駄菓子屋さんを開いて人と人を繋いでいます。内田橋商店街の場合、かつては40軒ほどのお店で栄えていましたが、高齢化には抗えず、現在開いているお店の数は半分ほどになっているんだそうです。ただし、空き店舗は増えていても、若い方々を中心に街を元気にするアイデアがたくさん生まれているそうです。そんな背景もある中で、横井さんによる「駄菓子屋さんを開きたい」というアイデアも歓迎されました。
小泉:うん。
上村:今、地域に元気がない、繋がりがない、という悩みは日本全国に共通する課題だと思いますが、横井さんは「どんな地域にも可能性がたくさんある」と話しています。
私、仕事柄いろいろなところに行くんです。いろいろな世代に、自分の街に関わりたいとか、何かしたいって思っているひとは一定数いるんです。ただ、今、入口がないんですよ。入口がなくて、見えにくいんですよ。
地域の役員じゃないといけないとか。役員となると、ちょっとそれは重いなみたいなところがあるので。今までの地域づくりって、入口が役員、組長、委員、とか当番で、番が回ってこなければ他人事みたいな入口しかないんですね。
関わりたい時に関われるっていう形に変えていくだけで、いろいろな人が関わってくれて。負担感、やらされ感、我慢みたいなものが、価値を感じて活動して、絶対にワクワクになっていくと思うので。入口をいかに広げていくか、っていうことがポイントだと思っています。
小泉:本当に今、シャッター商店街になっているところが多いと思うけど、どうせ何もしていないんだったら、ちょっと安く軒を貸してあげて、若い人も何か挑戦したい人っていっぱいいて。飲食もそうかもしれないし、お洋服作っている子たちとか。永久的に貸さなくても、そうやってこの駄菓子屋形式で「1週間だけ貸してください」とかそういうチャレンジの場に提供できたりするといいですよね。
(TBSラジオ『サステバ』より抜粋)