愛猫が『しかめっ面』をしているときの理由6選 必ずしも機嫌が悪いわけじゃない!
猫のしかめっ面ってどんな顔?
愛猫がしかめっ面をしていると感じたことはありませんか。しかめっ面とは、眉間のあたりにシワを寄せ、非常に不機嫌そうな雰囲気が伝わってくるような表情のことを指します。
短頭種の猫は元々眉の辺りにシワが寄っているため、しかめっ面に見えることが多いです。しかし、目をぱっちりと開けているときは不機嫌そうには見えません。猫の場合、眉間のシワだけではなく、目を半開きにし、下から少し見上げるようにしていると、しかめっ面に見えることが多いようです。
猫がしかめっ面をしている理由はいくつかあると言われていますが、必ずしも不機嫌なときだけではないと言われています。次章で、一般的に考えられている猫のしかめっ面の理由を具体的に見ていきましょう。
愛猫がしかめっ面をしているときの理由
1.眩しい
猫は、眩しいときにしかめっ面をしているように見えることがあります。猫は薄暗がりでも狩りができるよう、光を有効活用できるような目の作りをしています。
そのため、眩しいときには瞳孔が縦線のように細くなり、目の中に取り込む光の量を調整します。それでも眩しいときには少し下を向き、目を半開きにしたような表情になるため、しかめっ面のように見えるのです。
2.眠い
猫は、眠いときやリラックスしているときにも、しかめっ面に見えることがあります。眠くて目を半開きにし、うとうとと俯き加減になると、しかめっ面のように見えるというわけです。
ただし、リラックスしているときは全身の力が抜けていて、耳にも緊張感がありません。よく見れば、不機嫌ではないことがわかるでしょう。
3.気まずい
猫も失敗することがあります。例えば、テーブルの上に飛び乗ろうとして足を滑らせたなどというケースです。猫も、失敗したときには気まずそうな表情をします。その表情が、眉間にシワを寄せ目を半開きにした、しかめっ面に見えることがあります。
4.不安や恐怖を感じている
不安や恐怖を感じて緊張したり、体調不良や痛みを感じたりすると、しかめっ面のような表情をすることがあります。
目を細めているのに加え、耳を後ろに倒していたら、不安や恐怖から警戒モードに入ったというサインです。また、しかめっ面のような表情になるときの痛みは、主に口の中に炎症ができているケースが多いので、動物病院で診てもらうと良いでしょう。
5.要求を通そうとしている
過去に、しかめっ面をしながらおねだりをしたら要求が叶ったという経験を持っている猫は、その成功体験を元に、要求があるときにはしかめっ面をするようになることがあります。思い当たる節がある飼い主さんは、よく観察をして愛猫の気持ちを探ってみてください。
6.フレーメン反応
人間にはありませんが、猫には鼻以外にも鋤鼻器(じょびき)というニオイを感知する器官を持っています。鋤鼻器は、上側の門歯のすぐ後ろにあります。門歯とは、左右の犬歯に挟まれている小さい6本の歯です。
そのため、鋤鼻器でニオイを嗅ぐときには、上唇をめくって上側の門歯をむき出したような表情になります。顔の緊張で眉の辺りにシワが寄り、目も半開きのようになるため、まるでしかめっ面をしているように見えることがあります。
猫も、通常のニオイは鼻で嗅ぎます。しかしフェロモンという特殊な化学物質のニオイを嗅ぐ場合は、鋤鼻器を使います。この鋤鼻器でニオイを嗅ごうとしているときの表情は、フレーメン反応と呼ばれています。
フェロモンってどんなニオイ?
猫は、人が脱いだ直後の靴や靴下、足やハンドバッグの取手の部分、ゴミ箱など、人にとって「臭い」ニオイを好んで嗅ぎます。そのため、猫がフレーメン反応を示すとき、人は「臭いニオイを嗅いでいる」と思いがちです。
しかし実際は、必ずしも臭いとは限りません。例えば、二酸化炭素のニオイを人は感知することができませんが、蚊やショウジョウバエなどはニオイを感知しています。同じように、猫のフェロモンも人間にはニオイとして感知できないのです。
猫のフェロモンにはいくつかの種類があり、顔や肛門周辺などから分泌されます。そしてフェロモンのニオイを嗅いだ猫は、発情したり攻撃的になったり気持ちが落ち着いたりと、フェロモンの種類によって特定の行動をします。
どのようなニオイに感じているのかは私たちにはわかりませんが、猫にとっては「嗅がずにはいられないニオイ」なのでしょう。フェロモンの効果は、猫の進化や種の保存に大きく貢献していることは間違いありません。
まとめ
人がしかめっ面をするときは、大抵不機嫌なことが多いです。しかし猫のしかめっ面は、不機嫌というよりも、眩しい、眠い、ニオイを嗅ぎたいといった、生理的な反応であることが多いようです。
ただし、体調不良や痛みが原因でしかめっ面をしているケースもありますので、愛猫の様子をしっかりと観察し、異変を感じた場合は動物病院で診てもらったり、ストレスの原因を排除したりしましょう。