無痛アクション『Mr.ノボカイン』 どんどんズタボロ「ヒーローの常識が覆る」
痛みゼロのアクション映画『Mr.ノボカイン』で炸裂するのは、生まれつき痛みを感じない男の戦い。アクションの常識を覆す、強烈な激痛バトル(でも、痛くない!)が次々と飛び出す。
本作の主人公はどこにでもいるようなごく普通のサラリーマン、通称Mr.ノボカインことネイサン・カイン。格闘技経験ゼロ、もちろん戦い方もわからない完全なるド素人だが、唯一の武器はどんな痛みも感じないという異常すぎる体質。強盗に人質として連れ去られた愛する彼女を救うため、“痛みゼロ”の肉体ひとつで必死に食らいつく。
「彼が得意とするのは、派手なカンフーではありません。人が窓から放り出されたり、物を使って戦ったり、素手で殴り合ったりするような、生々しくリアルなアクションです。」と語るのは、監督のロバート・オルセン。超ハードなアクションシーンを手掛けたのは、『エクスペンダブルズ』(2010)や「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011〜2019)のスタニミル・スタマトフだ。
©2025 PARAMOUNT PICTURES.
「スタマトフのアプローチには、気骨が感じられ、強硬なメンタリティの中にも、安全への誠実な姿勢と、俳優やスタントへの細やかな配慮が見て取れます。その結果、激しくワイルドでありながら、しっかりとケアされた、安全なアクションが完成しました」とオルセン監督は太鼓判。俳優一人ひとりに対して1日平均2時間半のトレーニングを6~7週間ぶっ通しで実施したそうだ。この前代未聞アクションについて、監督は次のように話す。
「この戦いで生き延びるのは、戦えない男です。これは、元暗殺者が特殊部隊員と戦うアクション映画でも、誰もがずっとクールな空手を繰り広げる映画でもありません。もがきながら生き延びようとし、周囲の環境を駆使する人物の映画です。」
©2025 PARAMOUNT PICTURES.
ノボカインは痛みを感じない体質を持つ男。つまり、撃たれても蹴られても顔色ひとつ変えちゃダメ。ノボカインを演じたクエイドは、「自分が痛がったり、顔に苦痛を表したりしないようにするのは、とても興味深い取り組みでした」と振り返る。クエイドはこれまでの役作りで格闘技の訓練を積んでいたため、その基礎をベースにトレーニングを敢行。「数ヶ月前からかなり厳しいトレーニングメニューをこなし、南アフリカに到着してからは、スタントトレーニングに集中しました。スタントチームとスタントダブルのフリスト・ディミトロフが頼もしくて、初日から全力で仕込んでくれた。一つ一つの動きに慣れるだけでなく、そこに自分の役柄をどう反映させるかがポイントでした」。
スタントコーディネーターたちは、キャラクター設定とクエイドの動きのクセを徹底的に分析しながら、唯一無二のアクションを構築した。コーディネーターのケリー・グレッグは「セットのシチュエーションをとことん活かして、戦うたびにちょっとずつ戦い方がうまくなってくる。最後の決戦は、まさに信じられないほど壮絶な戦いとなりました」と手応えを語った。
『Mr.ノボカイン』は2025年6月20日より全国公開。