横須賀市全公立学校 答案採点にAI導入 DX化推進で教員の負担減
横須賀市は、最新のデジタル技術を活用して教職員の業務効率を上げるDX化を教育現場に積極導入する。市では生成AIを全国の自治体に先駆けて業務に取り入れてきた実績があり、学校の仕事の中でも作業的な要素の強い校務に用いることで教職員の働き方改革につなげる。
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市教育委員会が策定している「教職員の働き方改革の方針(よこすかスクールスマイルプラン)」に基づく具体的な取り組み。市立学校の教員の時間外在校等時間(残業時間)を原則、月45時間、年360時間以内にするという目標を定めており、生成AIを用いることで業務負荷を軽減させる。これにより生じた時間を児童や生徒に向き合うことに振り向けていく。
4月から運用を開始したのは、生成AIによる文書作成と答案用紙の自動採点の2つ。それぞれ民間事業者が教育現場に特化して開発したサービスを利用する。
前者は学級通信や学年通信、保護者への案内物などの文書作成をテンプレート化することで、生成AIが不慣れな人でも利用しやすくしている。導入は神奈川県内で初。昨年度に試験運用した小・中学校各2校では、業務負担の半減につながった。教務全般の文書作成にも応用可能で小テスト案などに用いることができるという。
後者は教職員の多くが負担を感じている答案用紙の採点を自動で行うシステムで、模範解答と生徒の答案をスキャンして照らし合わせる。自分の考えをまとめて答える記述式を除く、数字や記号、英単語などをAIが採点する。採点業務だけでなく、様々なデータの自動集計も可能で生徒の理解度や定着度を図るツールとしての利用も想定。授業改善にも役立ててもらう考えだ。昨年度に中学校1校で試験運用した結果、65%の業務削減の成果があった。こちらは県内19市のうち藤沢・秦野・海老名の3市で導入されている。