【八王子市】八王子消防署管内 建物火災が増加 リチウム電池にも警鐘
秋季全国火災予防運動週間(11月9日から15日まで)を前に、八王子消防署は住宅火災への注意を呼びかけている。市内では今年9月30日までに97件(前年同期比25件増)の建物火災が発生しており、すでに5人(同3人増)が亡くなっている。
同署によれば、建物火災の主な出火原因で最も多いのは「電気関係」で37件(前年比3件増)、次いで「ガステーブル等」18件(同10件増)となっており、「たばこ」「放火」、「ストーブ」と続く。消防署は火災の後、必ず火災調査を行っており、その中で「住宅用火災警報器がついていれば、こんなに被害が大きくならなかったのに」という無念さを感じることがしばしばあるという。同署は「火災警報器が設置されている場合は、死者数が約3分の1に抑えられているというデータもある。住宅火災で死傷者を出さないために今、正しく取り付けましょう」と呼びかける。
バッテリーから出火
また近年話題になっている「リチウムイオン電池」の火災についても警鐘を鳴らす。
2024年に東京消防庁管内で発生したリチウムイオン電池を搭載した製品からの出火による住宅火災の件数は106件(速報値)で、5年前から倍増。内訳はモバイルバッテリーが最も多く、次いで携帯電話、コードレス掃除機、ポータブル電源、電動アシスト付自転車と続く。火災の6割が充電中に発生しており、その中で最も多いのが、正規品以外で充電する「充電方法誤り」だった。充電中以外では「分解・廃棄・バッテリー交換時」が多く、落下などの「外部衝撃」のケースもある。
市内でも今年9件発生しており、昨年より倍増。同署は「ふくらんでいる、熱のこもりやすい場所で使用している、落としたことがある、充電できない、指定された充電器やバッテリーを使用していない、以上のようなときは危険です。使用を中止するか、使い方を改めましょう」と呼びかける。
リチウムイオン電池の廃棄方法は自治体により異なるが、八王子市ではビニールテープで電極(端子部分)を絶縁して家電量販店などのリサイクル協力店に持ち込む、取り外せない製品は隔週1回の「有害ごみ」で収集している。
火災が発生した場合は、火花や煙が激しく出ている場合は近寄らず、勢いが収まったら大量の水や消火器で消火。消火後は安全に配慮し、可能であれば水没させる。