中野信子、災害時の脳の働きを解説「正常性バイアスがかかってしまう」
野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時)10月23日の放送は、脳科学者の中野信子氏が出演し、大災害が起きた時の人間の脳の働きについて、お話いただいた。
野村邦丸(パーソナリティ)「大災害と脳科学ってどう結び付けられますか?」
中野信子「正常性バイアスですよね。今まで大丈夫だったから、大丈夫に違いないとか。
自分だけ災害に遭わないとどうしても思ってしまうバイアスがあるんですよ。ですが、何がどこで起こるかわからない時代になってきているので、命を守る行動を取っていただきたいです」
邦丸「私がよく聞いたのは、東日本大震災の時に、過去も津波がきたし、今回も津波がきてもうちは大丈夫だろうと。それが悲劇につながってしまう。正常性バイアスは自分の平常心を保とうとするために、脳から信号を送っているんですか?」
中野「自分の脳を守るための仕組みでもあるんですけど、あせってストレスがかかりすぎると脳がちゃんと働かなくなるから落ち着こうという働きの1つでもあるんですけど、命を守るためにはちょっと焦ったほうがいい場合もあります」
邦丸「適度に焦る方法ってありますか?」
中野「リハーサルしておく必要があるんです。終末ものと呼ばれる映画が意外とよいという調査があります。こうした映画を見てる人の方が災害対応がうまくできているそうです。だから、皆さん、恐い映画を見ましょう」
邦丸「俺、恐いのダメなんだけど…」
中野「個人差の方が大きいのですが、性差があると言われていて、女性のほうが、ホラー好きですよね。恐怖の回路と快感の回路が共有されてて楽しめるらしいです。一方、男性は攻撃の回路と快感の回路が共有されてます」
邦丸「女性のほうが危機を自分の中で受け止められるんですね」
中野「ひょっとしたら災害対応は女性がリーダーのほうが良いかもしれないですね」