ふわふわ泡のまろやかな鶏白湯♡六甲道『ヒキュウ』で定番中の定番ラーメンを実食 神戸市
六甲道・行列のできるラーメン店の中でも草分け的存在『麺 ヒキュウ 六甲道店』(神戸市灘区)で、改めて定番メニューを実食。製麺やスープづくり、接客に至るまで、チャレンジを止めないさすがの名店を取材してきました。
2014年にこの場所に開業した頃、六甲道はまだラーメン激戦区ではなく、当時のヒキュウは神戸大学の学生で溢れかえっていたそう。「もう神大の食堂かと思うくらい」と笑うのは店長の平川さん。
今や学生はもちろん、サラリーマンやカップル、家族連れなど、お昼から夜までの通し営業をする同店には、老若男女が絶えず来店し、食事時は行列必至。
この行列について平川さんに伺うと、並んでもらうのも仕事だと思っているとのお答え。「中には途中であきらめて帰る姿を見ることもあります。どうすれば並んでいる間もワクワクしてもらえるかを常に考えています」
それにはラーメン自体の味はもちろんのこと、接客での声がけやコミュニケーション、お見送りなど、また来たいと思ってもらえるようなプラスアルファを常に心掛けているんだとか。
今回お願いしたのはこちら。ヒキュウと言えばこのメニュー、つけ麺と人気を二分する定番「鶏白湯魚介濃厚ラーメン」です。
麺は、毎朝7時半ごろから店内にある製麺室で、2号店の『麺 ヒキュウ 御影店』とあわせて2店舗分を作ります。ガラス張りの製麺室は、店内から自由に覗けるようになっており、お客さんを楽しませるサービス精神を感じます。
鶏白湯魚介濃厚ラーメン用の麺は、中太平打ち麺。国産小麦の準強力粉と中力粉をブレンドしています。
水や塩と合わせて”そぼろ”と呼ばれる状態にしたら、製麺機で伸ばしてロールに巻き取り、スープに合わせた太さに切断します。気候や湿度で水分量を調整するのはもちろん、流行りや好みの傾向などによって、時々改良も加えるんだそう。
スープは、御影店のセントラルキッチンでまとめて仕込んでいます。鶏ガラやもみじ(鶏の足)、かつおの厚削りなどの魚介や野菜といった大量の材料を、圧力鍋で煮込みます。管を通して隣の鍋にスープを移したら、大きなしゃもじを使って鍋の中の材料を全て細かく砕き、濃厚なスープへと仕上げます。
醤油などが入った”かえし”に、温めたスープを入れたら、ブレンダーで泡立てます。これはオープンから3年経った頃に始めたのだそう。言われてみればその頃、鶏白湯のエスプーマブームがありました!
こうした時代が求めるニーズにも応え、常に味を進化させる探求心も忘れません。繁盛病にならないというのは、会社の全スタッフが意識している事なんだそう。
まずはスープをひと口。ふわふわの泡で口当たりはとってもまろやか!色々なものが溶け込んだ複雑で濃厚な味わいは、くせになる魅力があります。
麺はつるつるとした表面で、すするたびにスープと一緒に軽やかに口の中へ。そして鼻から抜ける小麦の香り、まさに口福です!
チャーシューは鶏と豚の2種類。特に豚チャーシューは持ち上げたら崩れてしまうほどのホロホロ加減。食べ応えある太いカットのシナチクも推しポイントの一つです。
カウンター横の壁に神棚のように祀られている置物は、中国の伝説上の猛獣「貔貅(ひきゅう)」。以前、会社がとあるお店を開業した際、この雄と雌一対の貔貅を置いたところ大繁盛。それにあやかって店名を『ヒキュウ』と名付け、置物を同店に移設したんだそう。
行列のできる名店となっても、現状に甘えず進化し続けるためにと、更なる新店オープンを視野に入れているそう。チャレンジを止めないその姿勢に、名店であり続ける所以を見た気がしました。
場所
麺 ヒキュウ 六甲道店
(神戸市灘区永手町3丁目4-19 嶋田パールハイツ)
営業時間
11:30~21:00
定休日
なし