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横浜都市発展記念館 横浜と能登つなぐ「銭湯」 経営者の多くにゆかり

タウンニュース

横浜と能登つなぐ「銭湯」

海にそびえ立つ軍艦のような大きな岩―。「朝日湯」=西区中央=の女湯の壁面には、珠洲市のシンボル・見附島のペンキ絵が掲げられている。なぜ、能登半島の風景が西区の銭湯に描かれているのか。実は横浜の銭湯と能登には深い関わりがある。そのつながりをひもとくパネル展「能登半島と横浜-銭湯がつなぐ人びとの交流-」が横浜市都市発展記念館=中区日本大通=で9月29日(日)まで開催されている。

開港以降、新開地・横浜にも「銭湯」が進出し、その運営は主に現在の行政区域でいう石川県七尾市・中能登町・志賀町の出身者によって担われてきた。横浜で成功した経営者が故郷への恩返しに寄付をし、それを見た人々がさらに移住するという流れができていたためだ。現在も能登の神社の石鳥居や狛犬、灯籠、寺院には「横浜」の文字が刻まれた寄進物が残されている。

現在、市内には47の銭湯があり、その内半数以上の26軒が能登半島にゆかりがある。見附島のペンキ絵がある朝日湯の経営者・菓子田卓也さんもその1人。絵は、故郷に思いを寄せて絵師に依頼したものだ。

歴史を「風化」させない

横浜市都市発展記念館の主任調査研究員・吉田律人さんが本格的に研究を開始したのは2019年のこと。銭湯経営者の都市移住に関する文献史料がほとんど残っていないことに危機感を覚えたからだ。地元の学芸員らとの現地調査や昭和戦前期の組合名簿などのデータを収集し、より具体性を持って説明できるようになったという。

パネル展では、能登半島に残る「横浜」と横浜のなかの「能登半島」が感じられる写真や資料が掲出されている。また、市内の能登半島にゆかりがある銭湯の一覧が、中区「間門湯」生まれのカメラマン・澤井誠さん=人物風土記で紹介=の写真で紹介されている。澤井家も能登半島の出身だ。第2会場では、藤棚の県営住宅に暮らしていた広瀬始親さんが撮影した昭和30年代の銭湯の写真展示も。

元旦の地震では、多くの寄進物が倒壊などの被害にあった。その様子も、6月に現地を訪れた吉田さんが写真に収め、展示している。「風化していく歴史を記録し残していかなければという思いで企画した」と話す。

(問)同館【電話】045・663・2424

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