「涙の女王」「ソンジェ」OSTに参加!日本の韓ドラファンも注目「男性版ペク・ジヨン」とは
歌手クォン・ジョンヨルが、6月19日放送のMBCバラエティー『ラジオスター』に出演した。
番組では、韓ドラOSTの女王ペク・ジヨンの男性版と紹介される一幕が。
今年の大ヒット作『涙の女王』(tvN/2024)と『ソンジェ背負って走れ』(tvN/2024)のOSTに参加した点にも触れるなど、彼の輝かしい実績に番組共演者は羨望の眼差しを送っている。
両作の成功を機に最近特に注目を浴びているクォン・ジョンヨルだが、実は10年以上前からOST界で活躍してきたアーティスト。日本の韓ドラファンも一度くらいは彼の声を聞いたことがあるだろう。
彼が初めて挿入歌を担当したのは、2人組デュオ10cmとして活動していた2012年のこと。イ・ジヌク主演のラブコメディー『ロマンスが必要2』(tvN/2012)だった。
愛する人への想いを歌った『Only U』は、当時韓国の各音楽配信チャートの上位を席巻。ドラマの人気に大きく貢献したのではないかとの声が上がるほど多くの人に親しまれた。
その後間髪入れずに、故イ・ソンギュンさん主演の『ゴールデンタイム』(MBC/2012)、翌年2013年には、ベテラン女優キム・ヘスの演技が光った『オフィスの女王』(KBS2/2013)でも挿入歌を担当する。
以後約3年ドラマから離れていたものの2016年、チェ・ジウ&チュ・ジンモの法廷ラブロマンス『キャリアを引く女~キャリーバッグいっぱいの恋~』(MBC/2016)でOSTに再び参加。同作の挿入歌の中で最も好評を得た。
そしてその余韻が冷めやらぬうちに、韓ドラ史に残る不朽の名作と呼ばれるあの作品に携わることに。いまだなお愛され続けている『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(tvN/2016)だ。
クォン・ジョンヨルの声とアコースティックギターの演奏が心地よい楽曲『My eyes』は、気がつけばいつの間にか好きな人を目で追ってしまうというキュートな歌詞が魅力。
トッケビ(コン・ユ扮)とチ・ウンタク(キム・ゴウン扮)がカナダに瞬間移動するシーンのバックミュージックとして使用されるやいなや、ドラマの掲示板には同曲に関する問い合わせが殺到したのだとか。
翌年2017年7月に相方のユン・チョルジョンが健康上の理由で10cmを脱退。後にスキャンダルが原因だったことが明らかとなり、クォン・ジョンヨルにとっては大変な1年だったのだろうか、この年はOSTには参加していない。
(図)Danmee イ・ミンホが歌うあの曲「視聴者の耳も魅了する韓国ドラマOST」アンケート調査で1位に!
しかし2018年に『恋愛プレイリスト』シーズン3で復活。翌年2019年にはIUとヨ・ジングの熱演が光る人気作『ホテルデルーナ~月明かりの恋人~』(tvN/2019)に、楽曲『Lean On Me』で名を連ねた。
それまでの10cmとは一味異なる雰囲気とどこか懐かしさを感じる魅力で作品に大きく貢献したと評価されている。
そして年末には、第4次韓流ブームの火付け役で『愛の不時着』(tvN/2019)も歌で大いに盛り上げた。
物語の内容や世界観が溶け込んだ『But it’s Destiny』は、“偶然”と“運命”をキーワードにした歌詞がポイント。そこにスローテンポの曲がマッチし、観る者の感動を倍増させている。
同曲を聴くとリ・ジョンヒョク(ヒョンビン扮)とユン・セリ(ソン・イェジン扮)の切ない愛を思い出す人は多いだろう。
こうしてクォン・ジョンヨルの勢いは留まることを知らず、2020年に入ってもOST界で活躍。
若者のサクセスストーリーを描いたスジ&ナム・ジュヒョク主演の『スタートアップ:夢の扉』(tvN/2020)を経て、チェ・ウシク&キム・ダミのケミストリーが話題を呼んだ『その年、私たちは』(SBS/2021)に参加。
BTSのVもハマったことで知られる感動作『私たちのブルース』(tvN/2022)など、日本でもよく知られるヒット作に立て続けに携わり、昨年も『愛してると言ってくれ』(ENA/2023)、『マイ・デーモン』(SBS/2023)の挿入歌を歌うなど、彼の名前を見ない年がない。
そして2024年も変わらずドラマ界で重宝されており、抜群の存在感を発揮、冒頭で触れたとおり今年の大ヒット作『涙の女王』と『ソンジェ背負って走れ』で熱い視線を浴びている。
『涙の女王』では、ブルース風のバラード『Tell Me It’s Not a Dream』が重要なシーンに流れてきてロマンチックなムードと視聴者のドラマへの没入を高め、『ソンジェ背負って走れ』では、静かで美しい旋律の『Spring Snow』が初恋の懐かしさを表現、ドラマファンのトキメキを増大させた。
錚錚たるドラマのOSTに参加してきたクォン・ジョンヨル。彼が名を連ねた作品でドラマ選びをすれば間違いなく良作に巡り会えそうなほどの実績を残してきた。
今後も引き続き、OST界に欠かせないアーティストとして韓ドラ界を盛り上げることが期待される。
(ライター/西谷瀬里)