川崎市 救急出場が過去最多 火災件数も10年で最多
川崎市は1月7日、2024年中の救急出場件数を発表し、8万9114件で過去最多となった。火災件数も398件と過去10年で最も多い結果に。市消防局では火の元への注意と、救急車の適正利用の協力について呼び掛けている。
市内の救急出場件数は、6万6951件だった20年から5年連続で増加。24年は8万9114件で、前年よりも1523件増で過去最多だった。1日平均で見ると、243・5件で約5分54秒に1件の割合で救急出場したことになる。搬送人員は、7万2446人で前年比1336人増で、過去最多。年齢別では、65歳以上が前年よりも1・9ポイント増の57・7%で、成人(18歳〜64歳)、少年(7歳〜18歳未満)、乳幼児(7歳未満)はそれぞれ前年よりも減少している。
搬送原因は、急病が5万1889人、一般負傷が1万1641件、交通事故が3055人だった。搬送人員のうち入院を必要としない「軽症者」は3万7657人で全体の52%だった。
火災原因最多は電気機器
市内の火災件数は、345件だった22年から3年連続で増加。24年は、398件と前年から8件増で過去10年で最も多かった。火災の種別は、建物が282件と最も多く、原因別では「電気機器」が53件、次いで「たばこ」「こんろ」が各50件だった。火災による死者数は14人で、前年比で11人増。過去10年で最も多かった15年の22人に次いで2番目に多かった。
市消防局では、救急車の提示・適切な利用を呼び掛けており、「急な病気やケガをした際に、救急車を呼んだ方がいいのかと迷った際には、かながわ救急相談センター『#7119』でアドバイスを受けてほしい」としている。その他にも、川崎市救急医療情報センター(【電話】044・739・1919)での医療機関の紹介、交通手段がない場合にタクシーや民間救急車を案内する「サポート救急」の活用も勧めている。また火災予防については、近年、電気機器、配線器具、電灯・電話等の配線が増えていることから、同局では「電化製品は取扱い説明書通りに使用し、モバイルバッテリー等のリチウムイオン電池は圧力・衝撃を与えず、変形しているなどの異常があれば使用を中止するなどの基本的な対策を」と呼び掛けている。