相模原市 経営者の視点を行政に 職員研修に第五電子工業社長
職場におけるリーダーシップやモチベーション向上につながるマネジメントのヒントを企業経営者から学ぼうと、相模原市環境経済局は2月3日、職員研修をけやき会館で開いた。講師は緑区橋本台に本社を置く株式会社第五電子工業の水田光臣代表取締役社長。職員らは会社を成長させた成功哲学に熱心に耳を傾けていた。
研修に参加したのは30代から40代までの若手職員約30人。これから管理職となる若手を対象に庁内公募を実施し、同局の職員を中心に各局の職員が集まった。
同社は半導体やフラットパネルディスプレイ製造装置などの生産用機械機器の製造業。創業は1960(昭和35)年。現在は年商14億8千万円(2024年4月期)。
水田社長は相模原市内の小中学校・高校を卒業し、大学卒業後に大手鉄鋼メーカーの住友金属工業(当時)に入社。20代で第五電子工業の社長(当時)の子女と結婚して30歳の時に入社し、09年7月、43歳で社長職を引き継いだという。
この日の講演では、先代社長と経営をめぐる考えの違いがあったエピソードを紹介し、会社を成長させた経営哲学を語った。
その中でかつて受けた研修を紹介し、「成功出来ない人は必ず出来ない理由を考える。人は出来ると信じても100%出来るとは限らないが、出来ないと思った人は100%出来ない。そう聞いて頭を棒で殴られたように感じた。30年近く前のことだが、今でも私のバイブルです」と話した。
また「信じてやってきたこと」として、「65歳定年制を実施し60歳を過ぎても給料を下げない経営」、「従業員を駒として考えたり、税金を過度に払いたくないと考えたり、コンプライアンスを軽視するようなダメな経営者にならない」などと語り、「どんなに良い機械や設備があってもそれを生かすも殺すも人である。良い人材を確保できなければ会社の発展はない」などと訴えた。
相模原市では行政サービスの向上や業務改善に役立てていくため、今後も継続して市内企業の経営者から学ぶ機会を設けたいとしている。