学校給食の無償化は? 178万円の壁への引き上げは? 今年の通常国会を占う
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、1月6日の放送にジャーナリストの二木啓孝が出演。「どうなる通常国会?」というテーマについて解説した。1月24日から始まる通常国会で、与党と野党の駆け引きはどうなっていくのか。
長野智子「(通常国会で)野党の要求はどこまで受け入れられるのか、というところも気になりますが」
二木啓孝「野党はいろいろ言っているわけです。103万円の壁は済んだんですけど、学校給食無償化」
鈴木純子(文化放送アナウンサー)「これは立憲民主党、日本維新の会、国民民主党(が目指す)」
二木「はい。既に予算を出している、『学校給食法改正』というようなことで。共産党もOKしている。たぶんこれは修正に応じるかたちになると思います。昨年末に自公が予算編成大綱というものを決めて、盛り込んでいるんですね。総額4800億だからそれほどインパクトはない。学校給食は既に全国の4割ぐらいで実施されている。残った問題は、この財源をどこに振り分けるか、ということ」
長野「あ、そうか」
二木「たとえば自治体でやることで自己財源の中に入れますよ、というのと、臨時交付金でやりますよ、というのと、ふるさと納税の中に入れますよ、という話と。それから市町村なので都道府県からの補助金にしますよ、と。それぞれの振り分けをどうする、というのは盛り込まれるだろうなという感じです」
長野「そうなってくると大変なのは維新のあれですかね。所得制限なしの高校事業の無償化」
二木「ざっくりいうとあと5000億円の財源が必要になってくる。維新は自信を持っているんですよ、大阪でやっているから。でも各自治体からすると財源ないよ、となる。それを先ほど言った振り分けも含めてやるかどうか。いまのところ維新だけで、具体的にドン、と突き出しているのは他にない。野党の足並みがそろうかどうかが決め手になるでしょう」
長野「そして国民民主の言う、103万円の壁の178万円への引き上げですが」
二木「103万円については一応やりますよ、ということで去年の補正予算は国民民主が乗ったんですが、これでおしまいか、みたいな話になって。去年12月に自民公明と国民で合意文章をつくった。これが古文書のようにおもしろい文章で」
長野「文言がね」
二木「合意文書にこう書いてあるんです。いわゆる103万円の壁は国民民主の主張する178万を目指して、来年から引き上げる……。『目指して』がどこにかかるのか。『来年から引き上げるように目指す』のか」
長野「それだと時期すら書いていない」
二木「たとえ話をすると、富士山頂を目指して来年から登ります、というのと一緒。来年っていつ登るの、と。目指すと言っているし」
長野「しかも頂上まで登るかわかりませんし」
二木「これはダメだ、文言をきつくしろ、と去年、国民民主が言えなかった。これはうやむやになるんじゃないでしょうか」