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310年以上の歴史を守りながら、「魁の精神」で新たな試みに挑戦し続ける酒蔵 【辛丹波】大関‐兵庫県

酒蔵プレス

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第288回目の当記事では、兵庫県西宮市(にしのみやし)の大関(おおぜき)を特集します。

灘の酒文化を支えるパイオニアの歴史

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

1711年(正徳元年)、初代大坂屋長兵衛(おおざかやちょうべえ)が日本有数の酒どころである「灘五郷」の今津郷(兵庫県西宮市)で酒造りを始めました。江戸時代は、酒銘「万両」として樽廻船で江戸に運ばれ「灘の下り酒」として親しまれました。

1964年にはカップ酒のパイオニアであるワンカップ大関を発売するなど「魁(さきがけ)の精神」を大事にし、1979年にはアメリカカリフォルニア州での酒造りを開始、1999年には清酒メーカーとしては初めてISO14001を取得しました。

―代表銘柄は?

「辛丹波」

2023年に発売35周年を迎えた代表銘柄の1つです。
酒米づくりの里である地元・兵庫の素材にこだわりたいという想いから、兵庫県産米を100%使用。
日本三大杜氏の一つ、300年の歴史を持つ丹波杜氏の伝承の技で醸しています。

お薦めの飲み方:『辛丹波』は酒質が安定していて、香味のバランスが優れているため、冷酒、常温、燗のどの温度帯であってもおいしく味わえます。冷やすと淡麗がよりきわだち、温めるとまろやかなうま味がひろがります。

―イチオシ商品はなんですか? 

「創家 大坂屋 純米大吟醸」

2021年の創醸310周年を機に、立ち上げた「創家 大坂屋(おおざかや)」ブランドの第一弾商品です。

酒米の最高峰・兵庫県産山田錦を100%使用。代々伝承されてきた丹波杜氏の醸造技術をもとに、蔵人が手作業で醸した最高品質の純米大吟醸酒です。

お薦めの飲み方:華やかでフルーティーな吟醸香と、ふくらみとコクがありながらも軽い後味で余韻を残す味わいが特徴です。

冷やしてワイングラスでお楽しみください。

時代を先駆ける酒造りの歴史と未来

―酒造りで心がけていることは?

大関は、伝統の丹波杜氏の酒造りを継承し、最新の技術と融合させることにより、常に時代に“さきがけた”酒造りを目指しています。

また、「ワンカップ大関」や「はこのさけ」などの画期的な商品開発、米国における日本酒の現地生産や安全安心なモノ造りへの対応としてFSSC22000認証取得、最近では日本酒で初めて有機JAS認証を取得した「#J(ハッシュタグジェイ) 有機米使用純米酒」を発売するなど、業界内でいち早く実現してきました。

これからも創醸から脈々と流れる“魁”(さきがけ)の精神を心に、酒造りを科学し新しい技術に挑戦し、選ばれるメーカーであり続けていきます。

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

「関寿庵」:
お酒の副産物を有効活用することを目的に設立された、大関本社工場の隣にあるアンテナショップです。
発酵のチカラとお菓子造りとの融合、お米の力を最大限に引き出した基礎化粧品など、“美味しい、愉しい、やさしい”時間をお届けいたします。
有料試飲や喫茶コーナーも併設しておりますので、ゆっくりとお過ごしいただけます。

「今津灯台(大関酒造今津燈台)」:
1810年、江戸の酒荷を運ぶ樽廻船でにぎわっていた今津港に、大関酒造の長部家5代目長兵衛が私費を投じて創建された民間灯台です。
航路標識として海上保安庁から正式承認されている日本最古の灯台であり、西宮市指定重要有形文化財にも指定されています。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

310年以上の歴史を守り、高品質な日本酒はもちろん、酒造りで培った発酵技術を活かした商品を通して「楽しい暮らしの大関」をお届けしてまいります。

今回ご紹介した酒蔵について

【兵庫県】
大関株式会社
兵庫県西宮市今津出在家町4番9号
https://www.ozeki.co.jp/


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