イランは厳しい中にも笑いあり、相撲もあり?
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、10月16日の放送に文筆家でイラストレーターの金井真紀が出演。女性の自由が少ないといわれるイランでの取材をもとにし、今年6月に発売となったインタビュー&スケッチ集『テヘランのすてきな女』や、現地で経験したという相撲などについて語った。
大竹まこと「イランっていうといま、中東の周りからも厳しい情報がありますね。イスラエルが攻めるなどしています。そこへいつお行きになったんですか?」
金井真紀「本の取材では昨年11月に行きました。そのあとすごくイランが好きになって。今年の4月にまた行って原稿や内容を確認してもらいました。そのあと本が出て、取材した方たちに配って、ついおととい帰ってきました。何度も行ってしまいます」
水谷加奈「大丈夫なんですか、と言ったら変ですけど……」
金井「日本の友人や家族は心配していましたけどイランへ行くとけっこうみんな笑っているというか。怒っている人や泣いている人もいて、ニュースにはそこが映るんですけど」
大竹「とんでもない紛争地帯でも意外に現地の子供たちは元気、ということもありますね。もちろん厳しい生活をしているでしょうが」
金井「2022年9月にマサ・アミニさんという女性が、スカーフのかぶり方が不適切ということで警察に連行されて逮捕され、そのあと亡くなって。因果関係はわからないですけど警察に何かされたのでは、ということで皆さんが抗議活動に立ち上がった。イラン全土で反スカーフ、それだけでなくいろんなことが制限されていることに反発というか、そういうデモが起きました」
大竹「はい」
金井「それ自体も政府に鎮圧され、という。それから1年経ったぐらいに行きました。昨年11月のその時点では風紀警察みたいな人がまだ街にいて、スカーフちゃんとかぶっているか、未婚の男女が仲良くしていないか、風紀を乱していないか見ている人がいて。今年4月も行ったんですけど、そのあと大統領が変わったんです」
大竹「うん」
金井「前の大統領、厳しいライシさんという方が亡くなって。新しくペゼシュキアンさんという方が(大統領に)。変わったせいかはわかりませんけど、9月に行くと風紀生活がほんどいない、というか私は全く見ませんでした。いろいろバランスとりながら、という国なのかなと」
大竹「そんななかで相撲をとりに行ったんですか?」
金井「はい、相撲が好きなんです(笑)。いま50歳なんですけど48歳で初土俵を踏みまして。イランで女子相撲があると聞いて、大会に出たんですね。編集者にそそのかされて『ただ取材するんじゃなくて、とったほうがいいですよ』と」
水谷「急な話でよくわからない(笑)。もともと日本の相撲が好きなんですか?」
金井「大相撲を観るのが好きな、普通のファンでした。世界でけっこう女の人は相撲、“SUMO”をとっていて、アマチュア相撲の世界大会があると割と女の人が出てくる。日本人もいるんですけど、ロシア、ブラジル、ウクライナから、強い人が出るんですね。イランにはいないだろうと思ったんですけど、いて。ただイランの人は肌を出してはいけないので長袖長ズボンにスカーフを巻いて、まわしをつけています」