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「プランターでメロンが育った!」自身の感動体験がきっかけで創業。育てるたのしさ・食べるよろこびをテクノロジーの力で届ける<プランティオ株式会社 芹澤孝悦さん>【東京都渋谷区】

ローカリティ!

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「スマートコミュニティファーム」と呼ばれる仕組みが、全国に広がりつつあります。都市部で野菜栽培を通じた農的活動(アーバンファーミング)をしたい不特定多数の人が集まり、ビルの屋上や公園の一角で作物を栽培する、いわば“共同栽培”スタイルの農園。さらに、野菜の成長を見守るセンサーシステムからの細やかなサポートで初心者でも農的活動を始められるという、新時代の農のかたちです。

手がけるのは東京のプランティオ株式会社。都市部の人が食と農に触れる場と機会を創出するため、野菜を中心とした作物の栽培ガイドシステムや作物の収穫前後で楽しめる食農コンテンツの提供・プロデュースを行っています。 

プランティオの共同創業者でCEOの芹澤孝悦(せりざわ たかよし)さんは、自身の感動体験がきっかけで農的な活動のたのしさ・よろこびを届ける事業を開始しました。芹澤さんがプランティオを創業した背景や描く未来についてお話を伺いました。

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興味のなかった農的な活動、「メロンの栽培」が転機

芹澤さんは大学卒業後、新卒でITのベンチャー企業に就職。インターネットを介してデジタルコンテンツを配信するコンテンツプロバイダーとして多くの企業のコンテンツをプロデュースしてきました。その後、芹澤さんの祖父で世界で初めて「プランター」という和製英語・製品を発明した芹澤次郎さんが創業したセロン工業株式会社の3代目として家業を継ぎました。 

家業を継ぐ前は農に対してまったく興味がなかったという芹澤さん。まず、自社の製品を知るところから始めようとプランターを使い、メロンの栽培を始めました。

「私は素人ですし、プランターでメロンなんて育つわけがないだろうと思っていました。ところが、メロンがたわわに実りました。その体験が私にとっては衝撃的なできごとでした。野菜を育てるということは実は、立派なエンタメで多くの人に伝えなくてはならないと思いました」

育てるたのしさ・食べるよろこびを「エンタメ」と捉え、さらに「テクノロジー」を加えることでたのしさやよろこびが増大するのではないかと考えた芹澤さんは、2015年にプランティオを創業。テクノロジーの力で育てるたのしさ・食べるよろこびを多くの人に伝えています。

「アーバンファーミングというカルチャーを広げていきたい」

現在、都市型農園を公園や商業施設に展開をするプランティオ。芹澤さんは「都市型の農的な活動『アーバンファーミング』というカルチャーを広げていきたい」と話します。

現在、世界的にアーバンファーミングは広がっていますが、人口の東京一極集中が進む日本は世界と比べるとかなり遅れています。プランティオはテクノロジーを使って、アグリテイメント(agriculture/農×entertainment/娯楽)という独自の方法でアーバンファーミングをこの国でも進めていくことを目指しています。

アーバンファーミングを広げていく意義について芹澤さんは、“都市部の人の農的活動に挑戦するハードルを下げたい”という思いがあるのだそう。「都市部ならではの農地の少なさや資金面での課題、知識・技術の問題などをできるだけ軽減して、とにかく土に触れる機会を作り出して、楽しいって思ってもらいたいんです」

具体的にはビルの屋上や公園の一角に、AIoT(人工知能×モノのインターネット)/ICTを活用したスマートコミュニティファームを展開し、アーバンファーミングに関心を持つ人たちが一緒になって作物を栽培する“共同栽培”を採用。農園を見守るセンサーが日照量・土壌水分量・土壌温度などを管理し、栽培に関するアドバイスをコミュニティの中にいるご利用者さんに提供します。

芹澤さんが農的な活動を通して感動を味わったように、たくさんの人にその楽しさや尊さを感じてもらうため、プランティオはアーバンファーミングのカルチャーを広げていきます。

育てるたのしさ・食べるよろこびを一般の家庭でも

アーバンファーミングのカルチャーを推進をしていくために一般の方が農に触れる機会を増やすプランティオ。次なる挑戦について、「アグリテイメントを一般家庭のベランダでも」と話す芹澤さん。 

テクノロジーの力で栽培アドバイスをする野菜栽培のガイドシステム、「grow CONNECT」は2021年より一般の方にも販売を予定していましたが、コロナ禍の影響で半導体が不足し販売ができませんでした。

「やはり育てるたのしさ・食べるよろこびをもっと多くの人に感じてもらうには私たちのシステムをご家庭のベランダで使ってもらうことが一番だと思っています。だからこそ、できるだけ早くgrow CONNECTを一般家庭のベランダで使われることを目指しています」と芹澤さんは話します。

育てるたのしさ・食べるよろこびをテクノロジーの力で広げるプランティオ。プランティオと芹澤さんの挑戦は今後も続きます。

聞き手、書き手、國府谷純輝

國府谷純輝

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