石破首相が続投の意向。ライバル不在も大きな要因?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、7月21日の放送にジャーナリストの二木啓孝が出演。参議院選挙にて自民、公明両党の議席が大幅に減るも、石破茂首相が続投する意向を示した件について解説した。
長野智子「なぜ(石破首相が)続投かということですね」
二木啓孝「普通辞めるよ、と思うでしょう(笑)。衆議院も参議院も過半数割れ、となると基本的にもう政権運営できない。『比較第一党の責任を自覚する』『トランプさんとの関税交渉もいよいよだから』など理由をつけているけど、意地張っているな、という感じです」
長野「きのう、特番(『文化放送 参議院選挙開票スペシャル 決戦!125議席』)の中でも鈴木哲夫さんが、石破さんに近い人に話を聞いたら、森山幹事長が『君(石破総理)は責任をとる必要はない』と言った、という話もありました。森山さんの考え方は?」
二木「森山さんも共同責任みたいなところがあって。きのう『石破おろしなんて言っている場合か』と怒っていた。じつは政権を満期以前で辞めるというのは野党じゃなくて与党内なんです。この総理を支えたら自民党がダメになる、と。この人ではダメだ、と自民党内から引きずる声が大きくなければいけないんです。その後ろに野党が『退陣しろ』とくっついてくる。そうなると自民党内の動きはどうなるか」
長野「はい」
二木「きのう麻生最高顧問が『石破続投は許さない』と言った、割と大きく報道された。私からすると本心ではなく感想なんです」
長野「実際に動くわけでは?」
二木「ない。確かに党内で『もう石破さんでは、やっていられない』という声も多い。それはそうでしょう。でも表立って言う人がいないから、麻生さんが言った。麻生さんの肚(はら)は、岸田さん再登板を考えている、と。最近、仲いいからね。なぜ石破さんが続投するかという、もう1つの根拠は、党内の動きで石破おろしが明確ではない、というね。たとえばポスト石破で名乗りを上げているライバル、いまいないんですよ」
長野「全然声が聞こえてきませんものね」
二木「昔は橋本さん、小渕さんのときもそうだったけど、総理にとって代わるベテランの適格者がいっぱいいたわけ。小泉さんのとき最終的に安倍晋三さんが就いたけど、ポスト小泉に麻生さん、谷垣さん、福田康夫さん、安倍晋三さん、と手を挙げた。いまは党内を見回しても中堅以上がそろっていない」
長野「そうですねえ」
二木「そういうところでいうと、いまたとえば高市さん、林芳正さん、茂木さん、小林鷹之さんとか、小さな支持力を持っている。本人が聞けば怒るけど、党内で不人気なんです」
長野「4人とも?」
二木「4人とも。個人的に見ると林芳正さんは、やれと言われたらすぐできる人だけど、そういうような派閥の動きをしていない。官房長官でもある、ということで声が出ていない」
長野「ご本人たちもそんなに手を挙げるつもりはない?」
二木「もう少し待とうと思っている。しんどいとき石破さんに全部やってもらって、いろいろ片づけてもらったあとに手を挙げるならまだいい、というぐらいの話ですね」