祈りの光ともる がん患者ら鎮魂の電飾、今年も 名張の広野さん方
亡くなったがんや難病患者らを鎮魂する「祈りの電飾」が12月2日、三重県名張市富貴ケ丘1の広野光子さん(83)方で今年も始まった。期間は来年1月10日までの午後6時から同9時。
広野さんは、全国のがんや難病患者らで組織する「がんを明るく前向きに語る・金つなぎの会」の代表。情報紙記者だった1992年に乳がん、その翌年に卵巣がんが見つかり、94年には別の病気で夫が他界した。
その年の暮れ、追悼の思いから1本の庭木に電飾を付けたのが始まり。95年に同会を立ち上げてからは、亡くなった仲間を悼み、病気と共に生きる仲間に寄り添う気持ちで、毎年少しずつ電飾の数を増やしてきた。
31年目の今年は、木に取り付ける網状の電飾を追加し、光の数は約1万8000個になったという。赤、青、緑など鮮やかな光が外壁や植え込みを彩り、トナカイや雪の結晶などをかたどった電飾も並んでいる。
この日は午後6時から、近隣住民も交えて点灯式が開かれた。広野さんは「9月末に膝を痛めたが、息子2人と会員仲間10人が助けてくれて、今年も取り付けることができた。命の大切さを考えるきっかけにしてもらえたら」と話した。