【駿河区・登呂遺跡】これは難問! 土器パズル 弥生人の生活体験ができるスポット
弥生時代の水田跡で有名な登呂遺跡で「弥生人体験」ができます。弥生時代の服を着て、田植えのまねをしたり火を起こしたり。超難問の土器パズルにも挑戦してみました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへいつも通る道でも一本裏へ入ればそこはまるで別世界。 静岡県民必見、静岡駅からまっすぐ南へ延びる「石田街道」を散歩します。
登呂遺跡の歴史を知る
立ち寄ったのは石田街道から少し裏に入った場所にある国の特別史跡「登呂遺跡」です。
晴れていれば富士山も見えます。さっそく博物館へ。
登呂遺跡は1943年に発見され、2023年は80周年でした。
登呂遺跡は戦時中に軍需工場を建設する時にたまたま発見され、戦後になり本格的に発掘調査を開始。
弥生時代後期の集落跡が発掘されました。
住居や水田の跡など、弥生人の生活ぶりを知ることができ、この時代の稲作文化が日本で初めて証明された貴重な遺跡なんです。
ほとんど国の重要文化財
学芸員の渡邊智大さんに館内を案内してもらいます。
登呂遺跡博物館 学芸員・渡邊智大さん:
実際に登呂遺跡で発掘された約2000年前の住居・倉庫の材料です。ほとんどの資料が国の重要文化財です
なぜ当時の木製品が今も朽ちることなく残っているのでしょうか。
学芸員・渡邊さん:
他の場所だと木は腐ってしまい残ることは珍しいんです。登呂は地下の水位が高く、湿地のような場所ですので、土の中で真空パックのようになって腐りにくい土地でした
数ある出土品の中で渡辺さん一押しは「高杯形木器」です。
2000年前の人々の木を加工する技術が、よくわかる遺物です。
台付壺型土器もおすすめの展示品の一つ。
壺の中で食材の位置が下から6cmの高さになっていて、火にくべたとき適温で温まる高さなんです。
ところで渡邊さんは子供の頃から博物館が好きで、登呂遺跡のようなところで働きたいと思っていたそうです。
埼玉の出身で、埼玉の遺跡で一番のオススメは埼玉県行田市にある「さきたま古墳群」だそうです。
弥生人になりきる
1階の弥生体験展示室は入場無料です。
土器や琴など複製品が並んでいるんですが、手に触れることができます。
渡邊さんによると登呂遺跡では琴が3つ出土していますが、1つは“作りかけ”でした。つまり、ここで実際に琴を作っていたということになります。
復元された住居もあります。弥生時代の四季を感じながら、さまざまな弥生体験ができる場所です。
この部屋は、昼、夕、夜へと15分ごとに移り変わる演出で臨場感も抜群!
まずは弥生人の服装「貫頭衣」を着てみましょう。
弥生人になりきって弥生人の1日を体験します。
復元した丸木舟に乗ってみることもできます。
大人が2人乗っても沈まない丸木舟。8月4日の「とろ村体験フェスティバル」では、外の水場に浮かべて乗船することもできるそうです。
続いて弥生時代の田下駄(たげた)を体験しましょう。
実際に登呂遺跡で出土した田下駄を忠実に再現しています。田んぼに似せた不安定なクッションの上を歩くのですが、これが意外と大変でした!
弥生時代の田植えをしたら、最後に石包丁で稲穂を収穫して、杵で突いて脱穀するまで一連の弥生の米作りの流れが体験できます。
弥生土器パズルが超難問!
登呂博物館オリジナル、弥生土器パズルに挑戦!
分解された弥生土器の壺を元に戻していくパズルです。
これが1ピース目から全然はまらないのです。
もしかして、めちゃくちゃ難しいパズルなんじゃないですか? 完成するとかなりの達成感です。
火をおこそう
最後は屋外の遺跡へ。「火起こし体験」にチャレンジしましょう。
屋外体験指導員・青木伸子さん:
肩の力を抜いて、いちに、いちに!
指導員の青木さんのかけ声で、素早く火起こし器を動かし続けると、煙が出始めました。火種ができたら火起こし完了です。
火起こし体験は平日は一日2回、土日祝は一日4回。 休館日以外は毎日開催しています。
■施設名 静岡市立登呂博物館
■住所 静岡市駿河区登呂5-10-5
■営業時間 9:00~16:30
■休館 月 ※祝日の場合は翌日
■観覧料 一般200円 高大生200円 小中生50円