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「SHOGUN 将軍」浅野忠信、惜しくもエミー賞逃し海外メディアやファンも悔やむ声 ─ 「完璧な演技」最有力候補の人気ぶり

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第76回(2024年)エミー賞は、ドラマシリーズ部門でが最高栄誉の作品賞を含む最多18部門を受賞。これは、エミー賞の歴史史上最も多い受賞数であり、まさに「SHOGUN 将軍」は天下を獲った。

真田広之が主演男優賞に、アンナ・サワイが主演女優賞に、それぞれ日本人初として見事輝いたが、助演男優賞ノミネートの浅野忠信と、同じく平岳大は惜しくも賞を逃した。この賞は「ザ・モーニングショー」のビリー・クラダップに渡った。

中でも浅野は最有力候補とさあれていた。米の事前予想記事では、クラダップがフロントランナーだったものの、「SHOGUN 将軍」が前哨戦クリエイティブ・アーツ・エミー賞で史上最多14部門を総なめにしてから風向きが変わった。記事によれば多くの専門家や記者が浅野の受賞を予想していたという。

浅野が演じた樫木薮重は状況に応じて立場を変える油断ならないトリックスターで、他のキャラクターとは一線を画すような人間性で人気を博した。劇中ではセリフにならないような呻き声や感嘆の声を漏らすことがとても多く、海外ファンの間ではミーム化するほどの人気キャラクターに。配信当時の海外メディアによる批評記事でも、浅野の芝居を評価するものが一際目立っていた。

愛すべき薮重を演じた浅野が受賞を逃すと、米は「タダノブ・アサノはエミー賞を奪われてしまった」との記事で、浅野のために悔やんだ。

© 2024 Disney and its related entities

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ドラマを観た方なら同意いただけると思うが、薮重の飄々としたような空気感は、重厚な質感の本作の中で悪目立ちしてしまう危険性と背中合わせだったと言えるだろう。実際にそうならなかったことは浅野による絶妙としか言いようのない塩梅のためだが、まさに米Colliderもその点に着目し、「薮重がコミカルの領域に踏み込んでしまう失敗を犯さずにいられているのは、浅野のフィジカルな演技によるものである」と書いている。「特にブラックソーン周りにおいて、薮重のセリフは多くが唸り声や笑い声で構成されているのだが、しかし彼の表情はたいていの場合、その真意に反している。例えばエラスムス号の押収である。彼は進んで船を手放したが、その瞳には怒りと羞恥心が舞い踊っていた」。

他に挙げられたのは、最終話『夢の中の夢』だ。前話『紅天』で自らの策が災いして取り返しのつかない悲劇を招いた薮重は、「『夢の中の夢』で許しを請う姿を見せる。浅野は、野心が大きく裏目に出てしまった男の悲しみと罪悪感を、完璧に表現している」。

さらに、すべての種明かしが行われる最終幕だ。ここでは浅野忠信と真田広之の役者魂が交差する様を目撃できるが、彼らがこれまでに共演を重ねている仲であることは海外でもお馴染み。「『モータルコンバット』や、不運に終わった『47 RONIN』でも共演してきているが、『夢の中の夢』は、二人の相性がいかに良いものであるかを、はっきりと思い出させてくれる」と、記事は称えた。

© 2024 Disney and its related entities

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このラストシーンについて浅野は、「真田さんと僕自身の、二人の俳優が行き着いた場所」なのだと、で感慨深く語っている。「お前のことはワシが一番わかっているよと、虎永様も思っているはずです。藪重はやっぱりあの通り……(笑)、何も変わらない男ですから。本当に彼らしいシーンだと思います」。このシーンで浅野と真田は、ハリウッド作品環境において、彼らだけの聖域を作り、存在感を残した。

米ネット掲示板のでも、授賞式後はあらためて浅野の演技を思い返す書き込みが多数。「このいタチのようなキャラクターに、こんなにも愛着を抱くとは思わなかった」「このドラマで最高の俳優だと思う」「このドラマは全員が凄すぎて、全員エミー賞を10億回くらい受賞して良いはずなのに、彼が受賞できなかったことが今も腹立たしい」「彼は三船敏郎を思わせる。それ以上の賛辞が思い浮かばない」などの投稿が相次いでいる。「彼も素晴らしかったが、ビリー・クラダップも同じく傑出していた。クラダップは受賞に相応しかったと思う」。

最有力とされる事前予想にもかかわらず、惜しくもエミー賞を逃した浅野。もっとも、浅野と平の日本人ノミネートも史上初となる快挙だ。作品賞で名が呼ばれた時、浅野忠信、平岳大、そして広松役のの3人で肩を組み、世界最高栄誉の壇上の光へと並んで向かっていく姿は感涙ものだった。

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