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夏まで待ってる場合じゃない! ミズバショウの花が咲いている遥かな尾瀬は「春」思い出せ

Jタウンネット

尾瀬保護財団公式Xアカウント(@oze_info)の投稿より

「夏が来れば思い出す」という言葉を見れば、思わず口ずさみたくなるのが、名曲「夏の思い出」だ。「はるかな尾瀬 とおい空」と音楽の授業で歌ったような記憶が......という人も多いだろう。


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歌詞の中には、「水芭蕉の花が咲いている」という一節がある。そのため「尾瀬では夏にミズバショウの花が咲く」と信じている人もいるだろう(実は、筆者も)。

尾瀬保護財団公式Xアカウント(@oze_info)の投稿より、ミズバショウの花

夏=尾瀬=ミズバショウという図式が、すっかりインプットされてしまっているのでは?

だが、ちょっと待っていただきたい。

2024年5月11日、尾瀬保護財団の公式Xアカウント(@oze_info)から次のようなポストが投稿され、注目を集めた。

5月11日、「ミズバショウのシーズンが始まりました」宣言があったのだ。しかも、尾瀬保護財団からの公式な発表である。

5月11日って......確かに、すでに「立夏」は迎えている。暦の上では夏かもしれない。

しかし感覚的には、まだ春だ。気象庁だって毎年6月1日に過去3か月を振り返り「春(3~5月)の天候」という発表資料を出している。

尾瀬のミズバショウは春に咲くのか? ミズバショウの見頃というのはいったいいつなのか?

Jタウンネット記者は、尾瀬保護財団に話を聞くことにした。

今年は開花が早くなっている

22日、尾瀬保護財団の職員が取材に応じ、例年に比べ今年は開花が早くなっている、と語った。

「例年は6月上中旬まで楽しめますが、今年は5月中までになるかもしれません」

おや、それは大変だ。「夏が来れば 思い出す」なんて、悠長なことは言っておれない。

尾瀬保護財団公式Xアカウント(@oze_info)の投稿より

前出の投稿によると、「尾瀬ヶ原」と「尾瀬沼」では開花の時期に違いがあるそうだが、どちらを見るにしても急いだほうが良さそうだ。

尾瀬沼の方が標高が高くて雪解けが遅く、気温が低いため、尾瀬ヶ原よりも開花・見頃が遅くなり、遅くまで楽しめる見込みなのだが「しかし、尾瀬沼のミズバショウも現在見頃を迎えています」ということらしい。

ミズバショウのシーズンの見どころは、「可憐なミズバショウが咲き乱れる尾瀬らしい風景」。

周囲の山々に残る白い雪、緑や青空とのコントラストをぜひ楽しんでほしい、と職員は呼びかける。

ミズバショウとは、「花びらのような白」が印象的な植物だが、白の部分は苞(ほう)。花を守るために葉が変化したものだ。

実は、花は、苞に包まれている黄色の部分。小さな黄色の花が密集している。

「とても綺麗な植物ですが、人にとっては有毒です。しかし、クマやシカはミズバショウを好んで食べてしまいます。また、霜に非常に弱く、降雪があると苞が茶色くなってしまいます。そのため、真っ白なミズバショウが咲き乱れる風景はとても貴重です」

これから5月末から6月にかけて、尾瀬は相当混み合うことが予想される。

鑑賞時には、次の点に注意してほしい。

「植生保護のため、木道以外の場所には立ち入らないようにしてください。 朝夕、風のある日は寒いため、温かい装備が必須です。 霜による木道での転倒にも注意してください。 また、晴れた日は日差しが強いため、日焼け防止対策も必要です」(尾瀬保護財団職員)

加えて、現地を訪れる前には、尾瀬保護財団財団のホームページ公式サイト(https://oze-fnd.or.jp/)上のブログで毎日発信されている尾瀬の様子を事前に確認しておく方がいいだろう。

そして、今年が無理そうなら、来年こそ「春が来れば 思い出そう」。ミズバショウの花が咲くのは、5月だよ!

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