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「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録20周年記念シンポジウム「南方熊楠と熊野」が12月15日、御茶ノ水・明治大学駿河台キャンパス リバティホールで開催

さんたつ

関連0316 ジャクソンビルの南方熊楠胸像・写真

世界遺産の登録から20周年となる「紀伊山地の霊場と参詣道」。これを記念して、熊野に注目したシンポジウム「南方熊楠(みなかたくまぐす)と熊野」(主催:和歌山県田辺市)が、2024年12月15日(日)に東京都千代田区の明治大学駿河台キャンパス リバティホールで開催される。

南方熊楠を通して、熊野の自然や文化精神性の魅力を語り合う

ジャクソンビルの和服の南方熊楠・写真。

山岳修験の「吉野・大峯」、真言密教の「高野山」、自然崇拝の「熊野三山」という3つの霊場とそれらを結ぶ参詣道及び文化的景観で構成されている世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」。それぞれ起源も内容も異なる3つの霊場が参詣道でつながり、互いに影響し合って共存している世界的にも稀有な地域である。その景観や精神性が評価され、2004年に世界遺産に登録された。

なかでも熊野は、性別や身分、浄不浄、信不信をも問わず何人も受け入れたとされ、その寛容性を物語る数々の伝説が残る。

自然生態系を解明する新たな学問「エコロジー」を用いた南方熊楠(1867-1941)。地域の神社はコミュニティの精神的土壌であり、地域の民俗や伝統、文化の核であると重要性を訴え続け、熊野の「生態系」と神社と社叢(しゃそう)を守ることに注力した。

本シンポジウムは、「南方熊楠を通じてこれからの熊野をどのように捉えるのか」「これからの熊野が果たしていく役割」といった視点で、熊野の持つ自然や文化の魅力、神秘性、精神性について、見つめ直していく内容となっている。

中沢新一氏、島田雅彦氏らを交えてパネルディスカッションを実施

シンポジウムでは、第26回南方熊楠賞を受賞した思想家・人類学者の中沢新一氏による基調講演「熊野にわけいった熊楠」が行われる。

また、慶應義塾大学准教授で南方熊楠顕彰会理事である志村真幸氏がコーディネーターを務め、中沢新一氏をはじめ、法政大学教授で小説家の島田雅彦氏、紀行作家で熊野古道女子部ファウンダーの髙森玲子氏、田辺市長で南方熊楠顕彰会会長の真砂充敏氏ら専門家をパネリストに迎えたパネルディスカッション「熊楠の見た熊野、そして、これからの熊野」も実施。参加者とともに熊野の現状と課題、可能性について共有を試みる。

中沢新一氏(第26回南方熊楠賞受賞者/思想家・人類学者)

1950年山梨県生まれ。人類の思考全般を視野に入れた知のあり方を提唱。人類学のみならず、歴史、哲学、民俗学、経済学、自然科学の分野にまたがる広汎な研究に従事する。中央大学教授、多摩美術大学芸術人類学研究所所長、明治大学野生の科学研究所所長などを歴任。現在は、京都大学人と社会の未来研究院特任教授。著書に『森のバロック』『カイエ・ソバージュ』『精霊の王』『アースダイバー』『熊楠の星の時間』『レンマ学』など多数。

島田雅彦氏(法政大学教授/小説家)

1961年東京都生まれ。1984年東京外国語大学ロシア語学科卒。在学中の1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビュー。主な作品に『夢使い』、『彼岸先生』(泉鏡花賞)、『自由死刑』、『退廃姉妹』(伊藤整文学賞)、『悪貨』、『虚人の星』(毎日出版文化賞)、『君が異端だった頃』(読売文学賞)、『パンとサーカス』ほか多数。芥川賞選考委員。法政大学国際文化学部教授。

髙森玲子氏(紀行作家/熊野古道女子部ファウンダー)

1969年富山県生まれ。東京大学教養学部国際関係論分科卒業後、出版社に勤務し、占いや精神世界ジャンルのヒット作を多数手がける。また、聖地への旅をテーマに世界各地を取材。現在は、東京と熊野を行き来しながら、執筆や講演、旅のプロデュースを行う。著書に『スペイン サンティアゴ巡礼の道 新装版』、『熊野古道巡礼の旅 よみがえりの聖地へ!』など。2017年に「熊野古道女子部」を設立。

志村 真幸氏(慶應義塾大学准教授/南方熊楠顕彰会理事)

1977年神奈川県生まれ。慶應義塾大学准教授、南方熊楠顕彰会理事。博士(人間・環境学)。専門は、南方熊楠研究。主な著書に、『南方熊楠のロンドン-国際学術雑誌と近代科学の進歩』(慶應義塾大学出版会、2020年、サントリー学芸賞)、『未完の天才 南方熊楠』(講談社現代新書、2023年)、『南方熊楠の生物曼荼羅』(編著、三弥井書店、2024年)、『在野と独学の近代』(中公新書、2024年)など。

真砂充敏氏(田辺市長/南方熊楠顕彰会会長)

1957年和歌山県生まれ。和歌山県中辺路町議会議員を経て1996年7月、中辺路町長に就任。2005年5月、新制田辺市(旧制田辺市、龍神村、中辺路町、大塔村、本宮町の合併により発足)の初代市長に就任、現在5期目。世界遺産の巡礼道である熊野古道とサンティアゴ・デ・コンポステーラとの共通巡礼等、熊野の精神性を大切にした交流の仕組みづくりや、「1000年をつなぐ田辺市熊野SDGsプロジェクト」など、次世代に繋ぐ事業を展開している。

開催概要

「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録20周年記念シンポジウム「南方熊楠と熊野」

開催日:2024年12月15日(日)
開催時間:14:00~16:30(13:30開場)
会場:明治大学駿河台キャンパス リバティホール(東京都千代田区神田駿河台1-1 リバティタワー内)
アクセス:JR・地下鉄御茶ノ水駅から徒歩3分、地下鉄千代田線新御茶ノ水駅または地下鉄神保町駅から徒歩5分
参加費無料、定員400名(事前申し込み制)※申し込み多数の場合は抽選。抽選結果は2024年12月6日(金)に通知。
申し込み受付は下記専用フォームまたは電話にて、2024年12月5日(木)まで。
LoGoフォーム[会員登録不要]https://logoform.jp/form/nAhC/781350
AMARYS[会員登録必要]https://amarys-jtb.jp/minakata_tanabe/
田辺市観光振興課☎0739-26-9929(平日8:30~17:15)

【問い合わせ先】
田辺市観光振興課☏0739-26-9929
公式HP https://www.tb-kumano.jp/kumano-kodo/kumanokodo_20th_anniversary/20thsymposium_in_tokyo/

文=前田真紀 ※画像は主催者提供

前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。

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