【石川・金沢カフェ巡り #15】歴史ある町家で古本を片手にくつろげる「こまつ町家文庫」。優しいスイーツと手作りジャムに心満たされる
編集部が金沢のカフェを訪ねるシリーズ企画、「石川・金沢カフェ巡り」。
今回は、小松市八日市町にある「こまつ町家文庫」におじゃましてきました。
2015年に龍助町でオープンし、2021年6月に現在の八日市町へと移転した「こまつ町家文庫」は、古本を手に、丁寧に作られるスイーツやランチを味わえるブックカフェです。
築90年の歴史ある町家をリノベーションした店内は、建具や梁などできる限り元の町家の雰囲気を残し、懐かしい記憶がふと蘇るような心地よい雰囲気。
襖絵の龍と鯉は、美術家・藤本絢子氏の作品で、非日常な気分も味わえる唯一無二の空間です。
高い吹き抜けの天井を見上げると、約100本のガラスでできた雫飾りが展示されていて幻想的!
加賀市在住のガラス作家・秋友騰尊氏によるもので、雨が多い石川県ですが、雨模様でも晴れやかな気持ちで過ごせるようにと想いを込めた作品なのだとか。
店内には至る所に本棚が設けられ、さまざまなジャンルの本や雑誌が並んでいます。
その数、約5,000冊!
そのほとんどが一度は誰かの手に渡り巡ってきた古本たちで、お茶をしながら読むのはもちろん、気に入ったものがあれば購入もできます。
奥には、周りを気にせず過ごせる席も。
時間を忘れて、本の世界にじっくりと浸ることができそうです。
2階にも、カウンター席やちゃぶ台でくつろげる畳のスペースがあり、その日の気分で心惹かれる場所を選んでくつろげます。
壁一面に並べられた、種類豊富なジャムの瓶も圧巻!
「こまつ町家文庫」で一つひとつ手作りしている名物の「世界文学ジャム全集」で、名作文学のタイトルになぞらえて命名したジャムシリーズです。
例えば小松産のトマトのジャムは、「トム・ソーヤーの冒険」ならぬ「トマト・ソーヤーの冒険」。
どれも無添加・無着色で、ほんの少しのきび砂糖を加えてコトコト煮詰め、旬のフルーツや野菜の美味しさをギュッと閉じ込めています。
この味を求めわざわざ遠くから買いに来る方もいるほどの人気商品!
本好きの方へのギフトにもおすすめですよ。
カフェメニューには、できる限り地元のものを使い、食べる人に寄り添って素材をセレクトしたスイーツやドリンクがラインナップ。
特におすすめは、レギュラースイーツのガトーショコラとチーズケーキを両方いただける「ハーフ&ハーフ」(650円)です。
旬の素材を組み合わせた気まぐれスイーツで、この日は「柚子のガトーショコラ」と「かぼちゃカラメルの米粉チーズケーキ」。
上質なチョコレートとココアをたっぷり練り込んだ小麦粉不使用のガトーショコラは、濃厚でどっしり食べ応え満点。
柚子が爽やかに香ります。
チーズケーキは、かぼちゃの自然な甘さとカラメルのほろ苦さがマッチしてホッとする味わい。
「世界文学ジャム全集」のジャムも2種類添えられ、一緒にいただくと味変でき食べ飽きません♪
ドリンクはイチオシの「加賀棒茶ミルクティー」(600円)を。
小松市の老舗「長保屋茶舗」の香り高い加賀棒茶で作るミルクティーで、棒茶の香ばしさにミルクの甘さが加わりほっこり温まります。
カップは平井悠一さんの作品で、手になじむ質感や優しい色合いが味わいをより豊かにしてくれているようです。
そしてリピーターに人気なのが、この「甘めのピザトースト」(600円)。
具材には日替わりのお惣菜がトッピングされ、ケチャップと自慢のトマトジャムを合わせた特製ソースがたっぷりのチーズと合い、甘みのあるフルーティーさがクセになります。
料理やスイーツはもちろんジャムの調理にも携わる、代表の金田奈津代さん。
「自分が本当に美味しいと思うものを、お客様にも味わってもらい喜んでもらえたらうれしいですね。一人で気ままに過ごしたり、お友達とおしゃべりしたり思い思いに過ごしていただければ」と話します。
平日は予約制でプレートランチを、土曜には手打ちそばも提供するなど、訪れる日によってさまざまな楽しみがあります。
本との出会いが新たな興味の扉を開き、心が満たされるブックカフェ「こまつ町家文庫」。
古本を片手に、穏やかな時間を過ごしてみては。
こまつ町家文庫
住所石川県小松市八日市町46
TEL0761-27-1205
営業時間11:00−18:00
定休日日〜火曜(不定休あり)
駐車場3台
公式webサイト( https://machiya-bunko.com/ )