チキン、ポークに納豆や餃子、牡蠣も【スープカレー マルナ】約20種のスパイスを調合した本場・北海道の味を高岡で
札幌で火がつき、2000年代には全国的なブームとして一躍広まったスープカレー。
しっかりとスパイスが効いたスープ状のカレーに素揚げした野菜を煮込まずに加え、大ぶりのチキンや角煮などが添えられているのが特徴で、いまや一時的なトレンドやご当地グルメの域を超えて、カレーのいちジャンルとして定着した感があります。
富山にもスープカレーを提供する店はいくつかありますが、その先駆け的な存在となったのが、高岡市にある「マルナ」です。北海道で修行した味を富山で広めて20年近く、食べ慣れていない人にもやさしいスープカレーの店です。
「富山の人にも味わってほしい」
北海道に移住するほど感動したスープカレー
「マルナ」が店を構えるのは、高岡駅から歩いて5分ほどの駅南エリア。城端線の線路に沿うように並んだ住宅街の一画で、そのさらに先には国宝に指定されている瑞龍寺もあります。
店主の南奈奈さんがこの店をオープンしたのは、2007年。
当時はまだスープカレーが全国で一般的に知られる前でした。
「北海道のスープカレー店で1年修行してこの店をオープンしました。自分が感動したスープカレーを富山の人にも味わってもらいたいと思いまして」(南さん)
木をふんだんに使った店内はすっきりとした印象で、カフェのような雰囲気です。
「北海道旅行に行ったとき、若い女の子たちでにぎわう素敵なお店があったんです。『カフェかな?』と思って入ってみると、スープカレー専門店。今まで食べたことがないカレーに感動して、勤めていた税理士事務所を辞めて北海道に移住しました」(南さん)
そんな経緯でスープカレーに出会い、そのまま人生もスープカレーに捧げたという南さん。おしゃれな店の雰囲気もそんなワケがありました。
初めての人も安心 食べ方指南のやさしいメニュー
各テーブルに置かれたメニューには、スープカレーを食べるのは初めてという人も戸惑うことがないよう、わかりやすい注文方法や食べ方が書かれています。
9種のスープに豊富なトッピング 味も量も自由自在
メニューに従って、まずはスープカレーを選びましょう。
チキンは本場と同様、骨付きのもも肉が丸々1本、ポークも大きなブロック肉がゴロゴロと入っています。
この他、ラムやホルモン、シーフードに、北海道では定番だという納豆たっぷりのスープカレー、そして、揚げぎょうざや牡蠣が入ったものなど、9種類がラインナップされています。
どれにしようか迷ってしまいますが、スープだけではありません。
トッピングのバリエーションもめちゃくちゃ豊富。
ベーシックなスープを頼んで、トッピングでカスタムを楽しむのもよさそうです。
「マルナ」のオススメは、岩のりと焼きチーズ。
今回はやさいスープカレーに岩のりをチョイスしました。
カレーとトッピングを選んだら、お次は「辛さ」です。
子供でもおいしく食べられる0番から、店主も心配するほど辛い10番までの11段階。
人気は2~4番ですが、実は10番で物足りない人には11番もあるそうで、激辛好きのみなさんは存分にスパイシーなカレーをお楽しみください。
ライスは小・中・大から選ぶことができます。
最初の1杯目はどのサイズも値段が一緒で、おかわりは有料になります。
ついつい欲張って大を選びたくなりますが、初めての方はおなかと相談しながら決めてください。
というのも、スープカレーがけっこうなボリュームだから。
野菜ごろごろ具だくさん スープだけでもおなかいっぱいに
こちらが、そのスープカレー。
ラーメンやうどんの器のような、深くて大きなどんぶりの中には、かぼちゃ、ナス、ニンジン、ゆでたまご、ジャガイモ、オクラなどがゴロゴロと入っています。
「ジャガイモやニンジンはゆでて味付けして揚げてます。あとの野菜は素揚げですかね」(南さん)
スープカレーの名にふさわしく、とろみ感がまったくないスープには約20種類のスパイスが使われています。
「スープカレーといってもお店によってとろみ感はさまざまですね。うちは、私が感動した北海道のスープカレーを再現したいと思って作ってます」(南さん)
スパイスや野菜のうま味が凝縮したスープは深みがあり、舌でしっかり味わいたいおいしさと風味があります。
「毎日でも飲める、味噌汁のような存在でいられたら」と、南さん。
確かに、どんなごはんはやおかずにも合う味わいで、味噌汁代わりに食卓に並んでいても違和感はなさそうです。
スープに浸したり、ライスにかけたり。食べ方も自由
ところで、どんぶりで運ばれてきたスープカレー。
器にごはんを入れるか、ごはんにスープをかけるか、初めての人は少し戸惑うかもしれません。が、メニューには食べ方の指南もあるので、ご安心を。つまるところ、1人ひとりの好みにあわせて好きにやればいいようです。
スープをたっぷりと含んだごはんは、昔ながらのカレーライスとはまったく違う食感と味わい。南さんオススメの岩のりをスープに浸し、磯風味の味変もたっぷり楽しみました。
スープカレーの店の隣には、同じ屋号の「マルナ」でジンギスカンの店もあります。
「北海道で修行していたとき、スープカレーと同じぐらいジンギスカンに感動して。なので、スープカレー店の隣でジンギスカンの店も始めました。私の原動力は“感動”なんです」(南さん)
自らの感動体験から生まれた「マルナ」のスープカレー。高岡でちょっとした旅行気分を味わえるかもしれませんね。
【スープカレー マルナ】
住所 富山県高岡市駅南5-12-13
営業時間 火~土曜 11:00~15:00
定休日 日・月・火曜不定休