県優良産業人 杉崎さん(サカタのタネ)が受賞 FAQ作成など実績評価
神奈川県はこのほど、第72回優良産業人表彰の受賞者を発表。都筑区からは株式会社サカタのタネ=仲町台=の杉崎和枝さん(58)が受賞した。杉崎さんは「普段の仕事を良く見てもらえていたことを知り、嬉しかった」と喜んだ。
表彰は、県と(一社)県商工会議所連合会が、商工業の振興に寄与した県内企業の従業員を表彰するもの。今年度は県内各市の商工会議所から推薦を受けた148人が表彰された。都筑区に本社を構える企業からの受賞は杉崎さんのみだった。
東京都出身で、農業系の大学を卒業した杉崎さんは、種苗関係の企業への就職を希望し、新卒で同社に入社した。
入社当初は「ガーデンセンター」に配属。その後、通信販売の担当などを経て、2017年12月から「お客様相談室」担当となった。
顧客満足度の向上
受賞につながった理由が「生産性の向上」につながった実績。その一つが、同社WEBサイト内に作られた「花と野菜のよくある質問FAQ」のページ。「顧客満足度の向上」を念頭に業務を続けていた杉崎さんが、他のメンバーらと協力し、相談室に寄せられる質問などをまとめ、3年ほど前に立ち上げた。ページは「時代の変遷で電話での質問に抵抗を感じる人や自己解決したい人に重宝されている」という。
また顧客対応に対しても「これまでの経験だけではなく、自信をもってアドバイスできるように」と消費生活アドバイザーや消費生活相談員(国家資格)、電話応対技能検定(もしもし検定)1級などの資格を取得するなど、安心して相談してもらえるよう、アップデートを続けてきた。
「正解は一つじゃない」
自身も自宅のベランダで花や野菜などを育てているという杉崎さん。「毎日が同じではなく、正解も一つじゃない」ところが園芸の魅力と語る。一方で、気候変動など環境の変化には戸惑いの表情も見せた。
今回の受賞について、まだ同室員など限られた社員にしか伝えていないという杉崎さん。ただ「兄が(自身の)フェイスブックで『(妹が)受賞したらしいです』と上げてくれました」と満面の笑顔を見せた。