今泉りおな「オンエアされるまで絶対に隠しきらねばならないと思っていました」【声優図鑑 by 声優グランプリ】
キャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by声優グランプリ』。今回は『ウマ娘 プリティーダービー』ヤマニンゼファー役などで活躍中の今泉りおなさんの登場です! ゲームが大好きで、ゲームの声優になりたかったという今泉さんはその夢を叶え、自分が好きだったシリーズ作品にも出演するなど充実の日々を送っています。そんな今泉さんの次なる野望とは、どんなことなのでしょうか?
今泉りおな
いまいずみりおな●1月26日生まれ。アーツビジョン所属。主な出演作は、アニメ『Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。』(フィナ)、『まったく最近の探偵ときたら』(夜靄ヒカリ)、『マッシュル-MASHLE-』(アンナ・クラウン)、ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(ヤマニンゼファー)ほか。
公式HP:https://www.artsvision.co.jp/talent/14410/
X:@Imaizumiriona
★今泉さんの手書きプロフィール&コメント動画は2ページ目に!
最初のお仕事の時は3時間も早くスタジオに行ってしまいました
――声優という存在を意識したきっかけは何だったんですか?
『NHK紅白歌合戦』で水樹奈々さんを拝見したときですね。それまでもアニメは好きで観ていたんですけど、声優という職業を知らずにキャラクターがしゃべっていると思っていたんです。あと、山寺宏一さんが『おはスタ』に出ていらっしゃったじゃないですか。でも、声優さんではなくタレントさんだとずっと思っていて、私の大好きな『美女と野獣』の野獣の声をまさか山寺さんが演じられているとは思わず、そこから声優について調べて、目指していこうかなと思いました。
――それから養成所に通うようになったんですね。
養成所に行きはじめて、年齢が近い子も周りにいたので、とても楽しく過ごすことができました。日ナレ(日本ナレーション演技研究所)の名古屋校に通っていたんですけど、今でもみんな仲良しなくらい、和気あいあいとしていましたね。
――事務所に所属になって、最初のお仕事は覚えていますか?
覚えています! 『ラブライブ!サンシャイン!!』のガヤで出演させていただいたのが初めてでした。その時の失敗談としては、間違えて3時間前にスタジオ入りしてしまったんですよ。スタッフさんが優しくて、「外は暑いし、このまま中にいていいよ」と言ってくださったんですけど、3時間もどうしよう?と思って……。それで養成所時代の友達の武田羅梨沙多胡ちゃんに「3時間早く入ってしまった。私はどうしたらいいんだろう?」と連絡したら、「どこにいる? もしかしたら同じスタジオに私も行くかもしれない」と言われて、実は同じ仕事に入っていたらりちゃん(=武田さん)が収録の2時間前に来てくれて、一緒にスタジオで待ってくれるという、そんな事件がありました。
――でも、早めに時間を間違えたからまだ良かったですよね。これが3時間の遅刻だったとしたら……。
大事件でしたよね。それ以来、時間に気をつけようと強く思いました。
――やはりデビュー当時は現場で緊張することも多かったですか?
緊張はしましたね。ただ、すぐコロナ禍になったので、アニメの収録に行ってもだいたい一人で収録することが多かったんですよ。逆にコロナが収束して、みんなで収録するとなったときに、「マイクワークってどうするの!?」とは思いました。コロナの期間、本当にマイクワークも何もやらずにいたので、それで大先輩の方々と一緒に収録するとなったときはけっこう困りましたね。
――マイクワークは教えてもらえるものでもないと聞きますからね。
いちおう、テストの段階で後ろで迷っていたりすると、先輩方が「こっちに入りな」と言ってくださるので、優しい先輩方に本当に支えられました。
――一人で収録するのと、先輩たちと一緒に収録するのとでは全然違いますか?
先輩方は本当に素晴らしい方々ばかりなので、短いセリフの中にもいろんな考えがあって、こういうしゃべり方をしたんだなというのが伝わってきて、毎回勉強になりますね。しかも、一人のときは私はこう来ると思って言葉を発したけど、実際に仕上がったものを聴いてみたらニュアンスが違った!みたいなこともよくあって。一緒に収録できたらそういうことはないので、これからまだまだ緊張はしますけど、慣れていけたらなと思います。
――これまで出演した作品で、特に印象に残っているものはありますか?
初めて大きい役を頂いたのが『ウマ娘 プリティーダービー』で、その時に初めてセリフをたくさん収録させていただきましたし、ライブとか、舞台とか、全部が初めてだらけで、自分の中ですごく成長できたなという部分があります。歌もあまり得意ではなかったんですけれども、自分の苦手とどう向き合うかというのはとても考えました。
――『ウマ娘』のライブもそうそうたる方々が出走されていますからね。
その時にアーツビジョンの先輩の野口瑠璃子さんが一緒で、「こういうときって、どうすればいいんですか?」といった相談を受けてくださって、先輩が近くにいて良かったなとすごく思いました。事務所の先輩がいるだけでも気持ちがだいぶ楽になるので、一緒に出てくださって、優しくしてくださって、ありがたかったです。
――歌ったり踊ったりすることへの興味はあったんですか?
見るのは好きなんですけど、自分がやるとは考えていなかったです。ゲームの声優になりたいと思ってこの世界に入ったので、ゲームの声優になれて良かったなと思いつつ、最初の頃、歌は「大丈夫か?」となっていました。そこからボイストレーニングなども行きはじめて、昔よりは歌が好きになれました。そもそも『ウマ娘』に出演していなかったらボイトレに通おうとも思っていなかったので、成長する機会を頂いてありがたいなと思っています。
――ゲームと同じ役を舞台で演じたのも貴重な経験ですよね。
まさか私が舞台に出るとは!と思いました。それこそ周りの人たちが、アンサンブルの方たちも含めてすごい方々ばかりで、いろんなことを教えてもらったりすることができたのでありがたかったです。しかも、みんな仲が良かったのでとっても良い空気でした。もしギスギスしていたら泣いちゃっていたかもしれないです(笑)。舞台のメンバーとは今でも連絡を取ったりしているので、出演できたことは宝物だなと思います。
――舞台をまたやってみたいという意欲はありますか?
機会があったらどんなことでもやっていきたいなとは思っています。ただ、舞台とか歌のお仕事もありがたいですけど、やっぱりゲームがとても好きなので、ゲームのお仕事がいちばんうれしいかもしれません。
まさか自分がしんちゃんのいとこになる日が来るなんて!
――自分が出たゲームを遊んでみて、自分の声を聴くときはどんなお気持ちなんですか?
うれしいです! 「私の声が聴こえる!」と思って(笑)。もちろん新作のゲームで自分の声が付くのもうれしいんですけど、もともと自分が好きだった作品に出演できたときは「私、声優になったんだ」と実感できて、それもうれしかったですね。
――たとえば、どの作品ですか?
『アサシン クリード』というゲームがとても好きで、そのシリーズの中の『アサシン クリード シャドウズ』という作品に出演させていただきました。日本が舞台のお話だったので、どうしても出たかったのですが、「あまり外画に出たことないから、チャンスないかな?」と思っていました。そんななかで出演できたので、ゲームもすごくやり込みました(笑)。
――アニメでも自分が観ていた作品に出演できたという経験はありましたか?
『クレヨンしんちゃん』などもそうですし、あとは『名探偵コナン』や『ドラえもん』、『忍たま乱太郎』とかも子供の頃から観ていたので、「え? 出られるの?」みたいなびっくりもありました。『クレヨンしんちゃん』に関してはしんちゃんのいとこの野原菜摘ちゃん役を演じさせていただけることになって、「まさか自分がしんちゃんのいとこになる日が来るなんて!」と、お声がけいただいた時はびっくりしすぎて、これはオンエアされるまで絶対に隠しきらねばならないと思っていました(笑)。なので、オンエアされた瞬間に「しんちゃんのいとこになったよ!」と、早速両親に自慢しちゃいました。
――今後何か出演が決まっている作品はありますか?
『ステラソラ』という10月にリリースされるゲームがあるんですけど、そこで初めてメインを務めさせていただいているので、事前登録よろしくお願いします(笑)。Yostarさんの作品はもともとプレイさせていただいていて、ずっと出演したいなと思っていたんですけど、今回『ステラソラ』でセイナちゃんというキャラクターを演じさせていただくことになって、とてもうれしい気持ちでいっぱいです。セイナちゃんは明るくて、前向きで、正統派な感じのキャラクター。そういうキャラクター自体、私は演じたことがなかったので、収録に挑む際も試行錯誤しながらでした。早く皆さんのもとに届けられたらなと思います。
――ここからはプライベートに関しての質問になりますが、最近ハマっているものは何かありますか?
お菓子作りがずっと好きなのと、最近はパン作りにハマっています。350℃まで温かくなるオーブンを新しく買ったので、パンがおいしく焼けるんですよ。発酵機能もあるので、ひたすらパンを焼いては食べています。お菓子作りは小さい頃からやっていて、その頃の夢がパティシエだったんですけど、パティシエは朝早く起きなきゃいけないと言われたので断念して(笑)、今は趣味の範囲で自分の食べたいものを作っています。
――では、休日はお菓子やパンを作って過ごすことが多い?
それもありますけど、ゲームをしていることのほうが多いかもしれないですね。PS5で『モンスターハンターワイルズ』とかをずっとしています。なので、いつかゲーム実況のお仕事ができたらな、なんて思いますね。お仕事としてゲームをするのも夢の一つです。
――声優同士で仲がいい方はいますか?
最近は星谷美緒ちゃんと毎日LINEでやりとりして、月1~2で遊ぶくらい仲がいいですね。神谷早矢佳ちゃんとは月1間隔で『モンハン』を一緒にやっています。
――最近テンションが上がったことを教えてください。
実家から2匹クワガタが送られてきて、今育てています。クワガタは毎年両親が送ってくれて、夏になったら飼っているんですよ。いつもは私が好きなノコギリクワガタを送ってくれるんですけど、今年は「1匹だと寂しいから」といってコクワガタも一緒に送られてきて、今2匹の面倒を見ています。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。今泉りおなのことを少しでも知ってもらえたらうれしいです。私自身、これからどんどん成長していきたい……というか、成長していくので! その成長過程を楽しんでいただけるように、そしてお芝居でも皆さんを楽しませていけるように、日々精進してまいりたいと思います。これからもよろしくお願いします!
~声優未来予想図~
Q:これからどんな声優を目指したいですか?
1年後の私 外画に出演
今のお仕事を大事にしつつ、外画にも出演できたらなと思います。外画には今まであまり出演したことがないので、出演してみたいですね。
3年後の私 好きなゲームに一つでも出演
『ファイナルファンタジー』シリーズと、『龍が如く』シリーズと、あと、ニトロプラスさんの作品に出演したいという野望があるので、3つのうち一つでも達成したいです!
5年後の私 出たいゲーム3つすべて出演
出演したい3作品の、3つすべて制覇できたらなと(笑)。夢はどんどん叶えていきたいなと思います。
10年後の私 声に深みを出して演技の幅を広げる
10年後は声に深みが出ていると思うので、年齢感も大事にしつつ、声の深みを活かして演技に取り入れられたらなと思っています。演技の幅が今よりももっと広がって、いろんなお芝居ができる、そんな声優になりたいなと思います。
撮影/篠田直人 ヘアメイク/GiGGLE 取材・文/仲上佳克
今泉りおなさん手書きプロフィール
今泉りおなさんコメント動画
▼動画URLはこちら
https://youtu.be/MrfVeY4UgUs
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