【動画】ロックバンド「スタレビ」の曲聴かせコメ栽培 食味向上に期待 上越市の農業会社「螢の里」
稲刈りを控えた新潟県上越市頸城区潟川東の田んぼの一角で2025年9月、根強い人気を誇るロックバンド「スターダスト☆レビュー」の曲が毎日流れている。これは、同所の農業会社「螢の里」(石田泰久社長)が試行している新しいコメの栽培方法。音楽を聴かせることで、食味の向上などの効果が期待されており、良い結果が出れば商品化も検討する。
(動画)土の中の埋めた水中スピーカーからスターダスト☆レビューの曲を流している田んぼ(2025年9月4日撮影)
同社は約150haの田んぼでコシヒカリやみずほの輝き、新之助など11品種のコメを栽培している。音響栽培は岩島利恵総務経理課長(55)が、たるの中に水中スピーカーを入れ音楽を流して発酵させたみそを製造している山本味噌醸造場(同市中央1)を参考に、「ほかと差別化したコメが栽培できるのでは」と提案。実験として、水中音響機器メーカー、ウエタックス(岩木)が水中スピーカーを提供した。
《画像:ウエタックスの水中スピーカー(上、螢の里提供)を田んぼに埋めて曲を流している》
品種はコシヒカリで、音楽は5月中旬の育苗段階から聴かせた。屋外のプールに水中スピーカーを設置し、毎日午前7時から午後6時まで11時間にわたって流した。スターダスト☆レビューは、「ロックだけでなく、ラテン調やバラードなどいろいろな曲があり、バランスがいい」(岩島課長)と選んだ。約1haのほ場に田植え後も土の中にスピーカーを埋め、最新アルバムやベストアルバムの収録曲を流し続けている。
《画像:音楽なしの苗(左)に比べ根が密集している音楽あり(右)の苗》
育苗段階では、通常の苗より5日遅く播種したにもかかわらず、音楽を聴かせた苗の方が根が太く密集していた。石田社長(61)は「初めての試みだが、育苗の根の張り方など音楽でこんなに差が出るのかと驚いた。コメの甘みが増すなどのいい結果が出れば」と期待を寄せる。
稲刈りは9月末から10月上旬の予定で、収穫後は専門機関による成分分析を実施するという。
《画像:「甘みが増すなどのいい結果が出れば」と期待する石田社長》
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