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十津川水系での渓流ルアー釣りで『オヤニラミ』と対面 生息域拡大中か

TSURINEWS

オヤニラミ(提供:TSURINEWSライター・福岡崇史)

8月上旬、今季最後の渓流ルアー釣行に行こうと計画し午前中に自宅を出発した。場所は馴染みの十津川水系の河川である。夏渓流は初めてでよりルアーへのアタックがあるのでは?という期待でワクワクしていたが…。

アブとハチの猛攻

いつものポイントに車を止めた。噂には聞いていたが、アブが車にバンバン当たって来る。嫌な事であるが、アブがいるという事は河川が綺麗な証拠でもある。しかし、アブの中に明らかに大きいハチがいる。ドアミラーに止まったハチは…何とキイロスズメバチ!しかも3匹もだ。スズメバチの中でも攻撃性が最も強いハチこれはまずい。

どうやら近くに巣があるようで安全性を考えて撤収し、支流河川に向かう事にした。支流河川の駐車スペースに車を止めて準備をしているとアブはいるもののハチは大丈夫そうなので入渓する。この間もアブはブンブンであるが虫よけを全身に振りかけて何とか入渓する事ができた。

25cm超えイワナ登場

支流河川は予想通り渇水状況で細かいポイント撃ちが必須になってくる。ほとんど水深がないので少しでも水深が有れば付いている可能性が高い。壺になっている場所に差し掛かりシルバークリークミノー・スローフォールカスタムを白泡の中に撃ち込みトゥイッチを入れると激しいチェイス。魚が戻って行ったタイミングでもう一度撃ち込むと今度はヒット!一気に浅い場所に誘導してキャッチ。渇水の割にナイスコンディションの25cm超えのイワナであった。

ヒットしたイワナ(提供:TSURINEWSライター・福岡崇史)

オヤニラミの調査へ

渓流ではこれ以上の釣果は望めないだろうと早上がりする事にした。一度着替えて休憩する。そういえば帰り道の河川でオヤニラミが釣れるという噂を聞いており調査してみようかという思いが頭を巡った。

オヤニラミとは、スズキ目ケツギョ科に分類される魚で縄張り意識が強く魚食性も強い魚である。特に産卵後は卵を守る性質がある事からムギツクやドンコといった他の魚が托卵するという事もあるらしい。オヤニラミという名前はその卵を守る姿がまるで親が睨みを利かせている姿に似ているという説などからついたと言われている。またその形状から川メバルや鰓蓋の後ろにある模様からヨツメとも呼ばれる。

しかし、このオヤニラミの自然分布は由良川(京都)以西の本州や四国、九州で今回の調査河川では自然分布ではない。つまり誰かが放流した個体が繁殖した可能性が高い。外来種である。しかし、日本の在来種であるため国内移入種という扱いである。そのため本稿では詳しい場所等の記載は行わない。

渓流の釣果が思わしくなかった事もあり少し遠回りになるが調査に入ってみる事にした。

オヤニラミのいる河川

今回得た情報だと割とボヤっとした所もあったのでいささか不安でもあった。とりあえずやってみない事には始まらない。偏向グラス越しに河川を除くと確かに魚はいる。しかしどのようなルアーが良いのかも分からない。

最近、ニュースに取り上げられていた大分県の大淀川のコウライオヤニラミ(これはれっきとした国外移入種の外来魚)にはスピナーが圧倒的に釣れるらしいが…。とりあえずアジングタックルにジグヘッドは小豆ちゃん0.4gと1.5inのワームでキャスト。着水後にオヤニラミが好みそうな緩やかな場所を流すとカワムツが大量に追いかけて来てヒット。何度流してもカワムツが連続でヒット。

ここで分かった事であるが、カワムツは意外とアゴの力が強くハンドポワードのようなマテリアルのワームだとバイトだけでずらされたり、挙句の果てにはボロボロにされてしまう。勉強になりました(笑)。

オヤニラミはその生態から縄張り意識が非常に強く特に緩やかな淵と抽水植物などの周りに多いらしい。すなわち両方の条件が整う場所を探すのが近道ではと考えて移動を敢行した。

カワムツが連続でヒット(提供:TSURINEWSライター・福岡崇史)

本命オヤニラミをキャッチ

移動先で抽水植物がそこそこある場所に到着した。静かに上から眺めていると植物の近くにカワムツとカワムツに比べて黒っぽい魚がいる。あれ!?オヤニラミじゃない?釣り人の勘とは恐ろしいものでなんだか閃く事が時折ある。

キャストして誘ってみると黒い魚が反応してくる。ちょっとでも離れると直ぐにカワムツの猛攻(笑)これは食いやすくしてみようと考えて月下美人のビームステックを半分に切って装着。出来るだけ植物寄りに落として誘うとバイトした!
合わせると大した引きも無くスッと上がって来た。やっぱり黒いし丸っこい。改めてしっかり見てみると鰓蓋の後ろの模様、体色は図鑑の通りのオヤニラミだ。うぉー居った!と声が出てしまった。

新しいターゲットを見つける事が出来たのと今後の可能性を感じつつもこんな短時間で探して釣れた事にその繁殖力と広がりは少し気がかりでもある。やはりこの河川の多くのエリアに生息しているのだろうと思うと生態系の変化に直結するだろう。今後も調査は続行したい。

ヒットしたオヤニラミ(提供:TSURINEWSライター・福岡崇史)

<福岡崇史/TSURINEWSライター>

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