四国水族館で<アオリイカの稚イカ>展示中 海に設置した「産卵床」に産み付けられた卵がふ化
香川県綾歌郡宇多津町にある四国水族館は6月19日、アオリイカの稚イカの展示を開始しました。NPO法人黒潮実感センターとの連携事業として、海に設置した産卵床からふ化したものです。
なお、生きものの状況により展示を変更または終了することがあるため、注意が必要です。
NPO黒潮実感センターとの連携事業
四国水族館は、NPO法人黒潮実感センターとの連携事業で、間伐材を使ったアオリイカの産卵床を海に設置。今回展示している稚イカは、今年5月に設置した産卵床に産み付けられた卵からふ化した稚イカです。
アオリイカの稚イカ(提供:株式会社四国水族館開発)
NPO黒潮実感センターは、持続可能な里海づくりのモデルとして、地元の小学生とともにアオリイカの産卵床を海に沈める取り組みを実施。磯焼けの影響で卵を産む藻場が少なくなり、減少傾向にあるアオリイカの保全に取り組んでいます。
今回の展示では、黒潮実感センターの取り組みに触れながら、卵からふ化し、成長していくアオリイカの様子を観察することができます。
NPO法人黒潮実感センターは高知県南西部に位置する大月町柏島をフィールドに、さまざまな活動を通じて、持続可能な「里海」のモデルをこの地に作る活動を行っています。
産卵床設置の様子(船上)(提供:株式会社四国水族館開発)
四国水族館では黒潮実感センターに出張し、地元の小学生と全4回の活動を実施。この活動では、産卵床の設置や回収のほか、小学校裏の人工林で伐林と放置林の違いを観察も行っています。
大きなヒレが特徴の<アオリイカ>
アオリイカは、軟体動物門頭足綱鞘形亜綱十脚形上目ツツイカ目閉眼亜目ヤリイカ科アオリイカ属に属するイカの仲間。最大全長は約40センチで、北海道南部以南の日本各地の沿岸、東南アジアの沿岸、オーストラリア北部の沿岸に分布しています。
胴体の周囲にある大きなヒレが「泥障(あおり)」のように見えることからアオリイカという名がつきました。泥障(あおり)とは馬具の一部で、泥が跳ねて衣服を汚さないようにするものです。
アオリイカの産卵期は4月から9月。海藻に卵を植え付けることから、高知県では「モイカ(藻イカ)」とも呼ばれています。
アオリイカの展示について
アオリイカの稚イカは、6月19日より展示開始。展示場所は、四国水族館の本館棟1階「太平洋ゾーン 流れ藻の景」です。
生きものの状況により予告なく展示を変更または終了することがあるので、訪問時には気をつけましょう。
詳しくは四国水族館の公式ホームページで確認できます。
※2025年7月13日時点の情報です
(サカナト編集部)