【立ち飲み・角打ち探訪記】クラフトビールに天ぷら、おでん、日本酒まで、タチノミスト御用達エリア(今泉オススメ3選)
博多の町では「山笠が終わると梅雨が明ける」といわれてきたが、そんな言い習わしも過去のものになるかもしれない。なんと今年は、6月中に梅雨明け宣言が出てから連日30℃を超える真夏日。熱中症予防のためにこまめな水分補給が必要なのはもちろんだが、せめて週末くらいはアルコールも補給したいところ。土日は早い時間からやっている立ち飲み屋も多いので、今回は"タチノミスト"御用達ともいえる今泉へと繰り出した。
1.圧巻の70タップを誇る、大阪発のクラフトビール専門店
最初に向かったのは、土曜日は15時からオープンしている「スタンドやまねこ yoca」だ。ここは大阪西成にある醸造所「ディレイラ ブリュー ワークス」の直営店で、日本最大級といわれる70タップものビアサーバーを持つクラフトビールの専門店。自社醸造を中心に常時20種類ほどの国産生ビールがタップにつながれ、いつでもフレッシュな一杯を飲むことができる。
生ビールはSサイズ(260ml)900円からMサイズ(330ml)1,200円、Lサイズ(473ml)1,700円の均一価格で、1杯目はタップリストの一番上にあった「Hazzy IPA」(写真はSサイズ)を注文。スタッフに聞くと、西成の醸造所から毎週新しい種類のビールが送られてくるというから、ちょっとクレイジーだ。それを目当てに、地元や遠方からもクレイジーなクラフトビールラバーが集まり、開店直後から大盛況。店内の冷蔵庫には国内のブリュワリーから取り寄せた缶ビールの品揃えも充実していて、クラフトビール好きには堪らない立ち飲みスタンドだ。
2.立ち飲みでサクッと食べられる天ぷら酒場
お次は「スタンドやまねこ yoca」と同じ通りにある「スタンド◎まるに」へ。1階は立ち飲み、2階はテーブル席という構成で、店内がいっぱいの場合は屋台感覚で道路側に張り出したカウンターで飲むこともできる。
店内のカウンターに着き、とりあえず生ビール(550円)を注文すると、「お通しです」と出てきたのは、なんと小鉢に入ったカレーライス! いかにも"おうちカレー"的な気取りのない味だが、ちょうど小腹が空いていたこともあり、これは嬉しい不意打ちだった。
この店の名物は串に差して揚げた天ぷらで、「串天ぷら盛り合わせ」(550円)をオーダー。ほどなく出てきたのは揚げたてのナス、鶏ささみ、海老、豚バラ、かぼちゃの5種類で、熱々を頬張れば生ビールが進んで仕方ない。
定番の天ぷらは1本165円からで、おでん大根やマグロのレア天などの創作天ぷらもいろいろ。もともと江戸前の屋台で生まれたといわれる天ぷらだけに、江戸っ子に倣ってサクッと切り上げた。
3.福岡の立ち飲み文化を切り拓いてきた「メグスタ」の新店
そして、今回最大のお目当てが、福岡の立ち飲み文化を切り拓いてきたMEGUSTAグループがこの5月にオープンした「ネオメグスタ 今泉店」だ。およそ10年ほど前、僕が借りていた事務所近くの警固小学校前歩道橋下にできたのが「メグスタ」の1号店で、オープン当初からよく通っていた。当時は「福岡で立ち飲み屋は流行らない」というのが定説だったが、今や同グループが主催する立ち飲みイベント"タチノミスト"に約5万人もの人が集まるのを、一体誰が想像しただろうか。
非常階段の奥という分かりにくいロケーションにある「ネオメグスタ 今泉店」は同グループの集大成ともいえる店舗で、"日本酒とおでん"が推し。まずはドリンク1杯、おでん1品、酒の肴2品が付いた「昼飲みハッピーセット」(19時まで800円)を注文した。
しっかりと米の味がするクラシックな日本酒とアゴ出汁おでんの組み合わせが、しみじみと旨い。さらに何品か追加すると、おでん出汁に浸した揚げたての「コロッケ」(218円)が秀逸で、関東の駅そばによくある「コロッケ蕎麦」を思わせるB級感が、立ち飲み酒場らしいツボを押さえている。
日本酒以外のドリンクも豊富で、酒の肴も218円〜から多彩に揃う。店内はオープンキッチンを囲むL字形カウンターをメインに約40名収容の広々とした造りで、筋金入りのタチノミストから初心者にもオススメだ。
スタンドうみねこ yoca
福岡市中央区今泉1-10-12
092-771-2232
スタンド◎まるに
福岡市中央区今泉1-12-14
050-1808-1002
NEO MEGUSTA 今泉店(ネオメグスタ)
福岡市中央区今泉1-21-5-1F
050-1022-4138