京都の名所、御室「仁和寺」で雅やかなひととき
以前から行きたかった仁和寺。御室桜の見ごろに合わせて行こうと計画していましたが、都合がつかず、当初より1週間遅れの参拝となりました。桜の絶景は見られませんでしたが、境内の雅な風景と繊細な切り絵御朱印に大満足の1日となりました。
はじめての仁和寺に感動!
仁和寺(にんなじ)は仁和4年〈888〉に創建された寺院で、現在は真言宗御室(おむろ)派の総本山となっています。
皇室にゆかりが深い門跡寺院で、宇多天皇が出家された後に住まわれたことから「御室御所」とも呼ばれていました。
映画やドラマのロケ地としても知られ、最近では「陰陽師0」「陰陽師」や「るろうに剣心」「大奥」などが撮影されています。
境内にはきぬかけの路(一条通)に面した大きな二王門や国宝の金堂、五重塔、御影堂、観音堂に仁和寺御殿とも言われる御殿・宸殿などがあります。
二王門
仁和寺御殿でうっとりな時間
映画やドラマで見ていたせいか、既視感のある二王門から境内を望むとその広大さにびっくり!
二王門の左右にいらっしゃる仁王さんも迫力満点でした。
仁王像(阿像)
まずは境内に入って左手にある国指定の名勝「御所庭園」へ。
御殿
何はともあれ、御殿内の納経所でお目当ての春限定切り絵御朱印をいただき!
SNSで見ていたのよりもずっときれいで繊細な切り絵に感動です。
せっかくなので、御所庭園をバックに撮影していると、あとから来られた女性が「その方法いいね!」と一言。
「でしょう?」と心の中でガッツポーズ。
御所庭園では、勅使門の前に広がる白砂と左近の桜・右近の橘が並ぶ南庭と五重塔が借景となっている池泉庭園の北庭を楽しむことができます。
御所庭園・南庭
南庭の白砂には本当ならきれいな波のような模様が描かれているはずなのですが、現在書院修復中のためトラックが通った跡が残っています。
ちょっと残念。
でも宸殿の広縁に座って眺める北庭は絶景でした。
風情ある庭園をまったりと眺めるとても贅沢な時間…。
御所庭園・北庭から見える五重塔
御所庭園・北庭
宸殿から霊明殿へ続く渡り廊下から見る北庭(下の写真です)も風情があります。
宸殿と北庭
宸殿から霊明殿を見るとこんな感じです。
広々とした北庭はどの方角から見ても素敵でした。
北庭と霊明殿
お目当ての御室桜は?
美しい御所庭園で癒された後は、いよいよ御室桜です。
広い参道をずっと奥に進み中門をくぐると、御室桜が咲き誇っていたはずの場所。
散り始めという情報は知っていたので覚悟はしていましたが…。
散り始めというか、すでに散ってしまっている桜も少なくありませんでした。
とはいえせっかくなので、御室桜越しの五重塔は堪能。
桜の色味は思っていたのとは違いましたが、やはり美しい景色でした。
桜が満開ならさぞ美しかっただろうと想像しながら来年のリベンジを誓いました。
御室桜は終わってしまいましたが、境内には八重桜や御衣黄桜、山桜、ミツバツツジにシャクヤク、馬酔木(あせび)とさまざまな花が美しく咲いていました。
勅使門横の御衣黄桜
境内のあちこちに咲いていたミツバツツジ
参道沿いの八重桜
五重塔前の馬酔木
雅やかなたたずまい・金堂
境内中央の参道の最も奥には阿弥陀三尊がお祀りされている金堂があります。
慶長18年(1613)に建てられた京都御所の紫宸殿が寛永年間(1624~1644年)に移築されたもので、現存する最古の紫宸殿です。
金堂
格子状の蔀戸が雅やかで風情があります。
金堂の周囲にもミツバツツジやシャクヤク、八重桜が咲いていて美しい彩りを添えていました。
やっぱり壮大な五重塔
京都で五重塔と言えば、東寺。東寺の五重塔は何度も見ているのですが、仁和寺の五重塔は初めて。
遠くから見ているとそれほど実感はないのですが、近づくにつれその大きさに圧倒されます。
仁和寺の五重塔
仁和寺の五重塔は東寺と同じく上層から下層までは幅があまり変わらない造りです。
そのせいか、近くで見ると余計に大きく感じます。
ちなみに醍醐寺の五重塔は上層へ行くほど幅が小さくなっています。
仁和寺の五重塔
五重塔の東側には、仁和寺の鎮守社・九所明神があり、石清水八幡宮・伏見稲荷神社・賀茂社(上賀茂神社・下鴨神社)・松尾大社など九社の御祭神がお祀りされています。
九所明神
このあたりはあまり参拝者の方もいらっしゃらず、静かに散策ができる素敵な場所でした。
九所明神の参道わきのシャクヤクもちらほら咲いていました。
花まつり屋台村で休憩、のち春季名宝展
この日は4月中旬とは思えない気温の高さでした。
境内は樹々が多くてそれほど暑さは感じませんでしたが、1時間以上歩くとさすがにしんどい…。
そこで、御室花まつり屋台に出展されていた葉隠堂の抹茶オーレと花見団子で休憩!
お団子がもっちりしていて、すっきりした甘さの抹茶オーレにぴったりでとても美味でした。
一息ついたところで、霊宝館で開催中の春季名宝展を拝観しました。
霊宝館では仁和寺所蔵の仏像や経典、仏画が展示されているほか、桜に関する宝物も見ることができます。
穏やかな表情の仏様だけでなく、美しい花々が描かれた立花図に花鳥図などなど。
こちらにも春の景色が広がっていました。
霊宝館
御室桜の見ごろは過ぎても御室花まつりはまだ続いています。
これからは新緑が美しくなる仁和寺。
ゆったりと雅を味わいたい方はぜひお参りください!
仁和寺の基本情報
・住所 京都市右京区御室大内33
・電話 075-461-1155
・御室花まつり開催期間 2025年3月22日(土)~5月6日(火)
・開催時間 8:30~17:30(17:00受付終了)
拝観料
・単体券
A 国名勝仁和寺御所庭園 大人800円
B 霊宝館 春季名宝展 大人500円
C 御室花まつり特別入山料 大人500円
・共通券
A+B+C大人1500円/A+B大人1100円/A+C大人1100円
・HP https://ninnaji.jp/