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下作延小学校PTA交通安全教室 「前例ない規模」で実施 事故多発受け、官民タッグ

タウンニュース

走行練習に取り組む参加者ら

下作延小学校で4月19日、高津警察署や神奈川県警の職員らが、地域の子どもたちや保護者に自転車の乗り方を教える「親子でいっしょにチリリン教室」が開かれた。当日は、自動車学校やJRなど地域の民間企業やさまざまな団体も協力。高津区内では前例のない大規模な催しとなり、賑わいをみせていた。

下作延小学校PTAが主催したこの教室には、親子連れなど150人以上が参加。県警や高津署の職員から自転車を運転する際の注意事項や、乗車前の点検事項の指導を受け「動き出す時は、人や車が来ていないか周囲を確認してから」「歩行者の飛び出しには気をつけて」などとアドバイスを送られた。

また校庭に作られたコースを利用した「走行練習」では、参加者が真剣な表情で実際に自転車を運転しながら実践に即した交通ルールを学んでいた。

人身事故、市内最多に

高津区では昨年、市内最多となる472件の人身事故が発生。中でも、下作延は69件と区内ワーストを記録している。

このような背景から、高津署は自転車教室の開催協力を下作延小PTAに要請。保護者らも「交通ルール以外の学びも深める場所にしよう」と、地域の各種団体や民間企業に声を掛け、大掛かりな催しを実現させた。

自動車学校などが協力

官民がタッグを組んだ当日の会場では、市交通局バスの運転席から死角になる範囲を実際に見て、危険性を学ぶ検証実験や、飲酒時の視界を体験できる向ヶ丘自動車学校(宮前区)のブース、電車の非常停止ボタンの操作体験ができるJR東日本のコーナーなども設置。高津消防署員による心肺蘇生法やAEDのデモンストレーションが実施され、来場者は交通ルールのみならず、傷病者対応の方法などについても知識を深め、有意義な時間を過ごしていた。

数カ月前に交通事故を経験したという参加者の駒井初子さんは「自身も把握していなかったルールもあり、大変勉強になった」とコメント。息子の悠人さんは「習ったことを参考に、事故を起こさないよう自転車の運転に気をつけたい」と語った。

「来年も開催を」声多く

催しを終え、高津署の担当者は「幼少期から道路利用に関する正しい知識を身につけることは大切。子どもたちが安全に自転車に乗るための知識と技術を習得する機会になったのでは」と総括。

実施に向けて、ボランティア集めや広報にも尽力した下作延PTAの柳楽智恵子副会長は「今回の参加者は一般来場者も合わせれば約250人にもなり、来年の開催を希望する声も多く寄せられた。こうした教室開催を通して交通ルールを覚えもらい『事故のない地域づくり』に繋げていけたら」などと、展望を語っていた。

消防署員による心肺蘇生法の実演も行われた

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