世界を戦った“空手姉妹”が目指す次なる挑戦とは?|『スポーツフェスタ古河2024』開催スペシャル対談
2024年11月4日(月・振休)に茨城県古河市で行われる『スポーツフェスタ古河2024』。
今年で3回目になるこちらのイベントは、大会史上最多の全40種の競技が無料で体験できるだけではなく、各種目のトップアスリートとして活躍したゲストから直接指導を受けられるのが特徴です。
今回は、空手全日本強化選手として長年活躍し、東京2020オリンピックをはじめとする世界大会でも数多くの実績を残してきた「染谷姉妹」こと、染谷香予さん(以下、香予)、染谷真有美さん(以下、真有美)をお招きし、Sports for Socialの代表山﨑蓮(以下、山﨑)と対談を実施しました。
アニメ『ドラゴンボール』の孫悟空に憧れてはじめた空手道。競技生活の中で度々襲いかかる苦難の先に見えたものとは。地元・茨城県古河市に対する熱い想いとともに赤裸々にお話いただきました。
かめはめ波に憧れて始めた空手
山﨑)はじめに、お二人が空手をはじめたきっかけについて教えてください。
香予)兄がアニメ『ドラゴンボール』の孫悟空に憧れたこがきっかけです。兄妹三人、かめはめ波が出せると信じていました(笑)
道場に通いながらもなかなか結果が出せなかったある日、兄が父に言った「もっと強くなりたい」の一言で両親の心に火がつき私たちの空手人生が大きく動き出しました。素人の父が空手を猛勉強してくれて母が献身的にサポートをしてくれました。
父の指導のもと、兄妹三人で地下足袋を履いて駐車場で練習をししたり、休日は母のお弁当を持って山奥の体育館で練習を行いました。
山﨑)駐車場から世界の舞台で活躍するというのは夢がありますね。長い空手人生の中で印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
真有美)競技人生の最終目標として『地元茨城国体での兄妹優勝、東京オリンピックでの姉妹優勝』2つの夢を心に決めました。長い空手人生でしたが、幼いころから変わらず3兄妹の絆が心の支えだったと思います。
国体での兄妹優勝は叶ったものの、姉妹でのオリンピック出場とメダル獲得は叶いませんでした。挑戦を終え「空手でやり残したことあるかな…」と考えたとき、世界の空手を学んでみたいという想いが湧きました。姉がセルビアの世界トップコーチと直接連絡を取り合ってくれて、姉妹で海外への武者修行の旅が始まりました。技術力はもちろん、人として素晴らしい指導者との出会い、世界中の仲間とともに空手に打ち込んだ日々は深く心に残っています。
香予)大会や合宿など、遠征期間中はホテルやアパートメントで約1ヶ月ほど生活するサイクルをしていました。サポート等はなく、計画から現地での手配などすべて自分たちで行っていました。非常にタフになりましたね(笑)。
“心”の成長と空手の魅力
山﨑)海外での経験もそうですが、空手を通して学んだことは非常に多いと思います。いろいろな学びがあったと思いますが、お二人の中で「これだ」と言える部分があればお聞かせください。
真有美)競技を続ける中で、心が折れそうになることは何度もありました。オリンピックの代表内定がコロナ化の影響で白紙になってしまったり。しかし、経験を重ねる度に困難を乗り越える力もそうですし、物事に対する考え方も柔軟になりました。
どんなにつらい状態でも、すぐに次の試合がやってきます。どん底でも前を向いて戦わないといけないわけですよね。その世界に飛び込み続けたことが、成長につながったと思いますし、人生も空手も通ずる部分はあるのではないかなと思います。
香予)私も“心”の部分での成長を強く感じます。華やかに見えるスポーツの世界ですが、現実は無理やりにでも自分を鼓舞し進まなければならないことがたくさんありました。
でも、どんなときも環境や人のせいにせず自分自身と向き合い続けていると必ず道が開けたんです。自身が心の痛みや苦しみを乗り越えることで人としての強さや優しさを学ぶことができました。
現在、古河市で『空手道スタジオ』の開業準備をしていますが、そのスタジオではそういう心の部分を大切にしていきたいと考えています。
山﨑)心技体。特に、心を鍛えるという点で空手から学ぶことはたくさんあるのだと感じました。順番が前後しますが、お二人が長年熱中した“空手の魅力”についても教えてください。
香予)形も組手も技の“美しさ”が大きな魅力だと思います。組手は中間距離で戦う競技なので、体の大小に関わらず誰にでも無限大の可能性があるというのが大きな魅力だと思います。
真有美)古くからの伝統を守りつつ、競技は進化していく部分におもしろさを感じます。多彩な技も魅力の一つだと思います。
山﨑)憧れの孫悟空にはなれましたか?(笑)
真有美)そうですね(笑)近づけるように修行を続けます!!(笑)
子どもたちと向き合い、寄り添いながら“心”を養う
山﨑)お二人は現在学校の“教員”として働かれています。現在のご職業に就くきっかけについて教えてください。
香予)故郷に空手道スタジオを立ち上げるという新たな夢ができました。地元に戻ってきたタイミングで晃陽学園からお声がけをいただき、6月から教員をやらせていただくことになりました。
真有美)空手から少し離れていこうかなとも考えていたのですが、競技としての空手だけではなく、健康増進や疲労回復など空手を通してできることはたくさんあるのでそういう部分に向き合っていきたいと思って働いています。
山﨑)「学生と一緒に成長したい」という言葉がありましたが、他に教育方針で大切にしていきたいことはどのようなことでしょうか?
真有美)「強制することのない指導」を心がけています。こちらから導くことも大切ですが、みんなのやりたいことを引き出せるような指導、コミュニケーションを図っていきたいです。
香予)まずは“心”の部分を養ってほしいと思っています。こちらが一方的に意見を押し付けるのではなく、生徒と向き合い、寄り添いながら、ともに成長していきたいです。
スポーツフェスタ古河、そしてその先の『空手道スタジオ』へ
山﨑)スポーツフェスタ古河には、初回開催から参加されていますが、参加して率直に感じたことを教えてください。
香予)実は、スポーツフェスタ古河は私が新たな道に進むきっかけをくれたイベントでもあるんです。普段のセミナーと違って、すべての方がチャレンジを楽しめるこのイベントに温かい心の繋がりを感じました。純粋に空手を楽しんでくれたり、一緒に練習できたことに嬉し涙を流してもらえたり…心にぐっとくるものがありました。
この純粋な空間にいたことで、誰かの力になりたいという気持ちをより強くしたんだと思います。そういう意味で、引退を決めるきっかけになったのかなと。
真有美)私も近い感情なのですが、イベントが終わったあとにすごく心があたたかくなりました。子どもたちの純粋さ、目のキラキラ、受け入れる柔軟性など。教える側がワクワクするようなイベントでした。
あとは、イベントで故郷に帰ってきて、「あ~故郷っていいな。この空気、人の良さが古河の良いところだな」と感じました(笑)。あたりまえだった景色の特別さが大人になってわかったというか、この故郷が自分には合っていると思います。
山﨑)今年のイベントの中身や昨年からアップデートしていることがあれば教えてください。
香予)テーマは「心を開放する時間」です。すべての方に楽しんでいただくことはもちろん、空手道の礼節を通じて、自分自身と向き合う時間をつくってほしいなと思います。
真有美)礼節も一つ要素として大きいのですが、いろんな人が楽しめるようにバランスをとることも考えてます。例えば、突きで新聞紙を破るようなゲーム要素を組み込んだり、空手そのものが楽しいと思ってもらえたら嬉しいです。
山﨑)最後に現在開業準備中の『空手道スタジオ』について、構想を教えてください。
香予)スタジオは古河駅近郊で開業予定ですが、“空手道場”ではなく“空手道スタジオ”という呼称にこだわりを持っています。
健康促進や趣味として楽しみたい方向けの『健康コース』と、本格的に競技力向上を目指す方向けの『道場コース』の2種類を用意いたします。どちらも共通しているのは“心身の健康”と“豊かな心づくり”がテーマであることです。
山﨑)空手道教室の開業も、スポーツフェスタ古河も楽しみにしています。本日はありがとうございました。
スポーツフェスタ古河2024 協賛社募集!
「わくわく・どきどき・るんるん」が体験できる、老若男女どなたでも楽しめる体験型スポーツイベントです。古河市イーエス中央運動公園を会場に、さまざまなスポーツ体験ができるほか、キッチンカーなどの飲食出店やバルーン搭乗など、1日楽しめるイベントです。
日本を代表するアスリートや古河市にゆかりのあるアスリートがゲストで来場します!(スポーツフェスタ古河2024 特設ページ)
古河をスポーツで盛り上げるためのイベントに協賛いただける企業を募集してます。
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