シンプルなのに奥深い…昔から(古)永く(久)愛されるあっさり醤油ラーメン【古久龍 本店】富山の家族でつなぐ伝統の味
富山のラーメンといえば、真っ黒な醤油スープが特徴の「ブラックラーメン」を真っ先に思い浮かべる人は多いでしょうが、昔ながらの鶏ガラとあっさりした醤油ダシのラーメンが好みという人もまた少なくないのではないでしょうか。
シンプルで味わい深い。だからこそ、長年愛されるーー。
そんな1杯を味わえるのが、富山市のラーメンファンから根強い人気を誇る「古久龍(こくりゅう) 本店」です。
親子で営んでいた2店が統合して本店に
店があるのは、富山の下町的な昔ながらの住宅地、清水元町。富山地方鉄道 不二越駅の目の前です。
もともと本店があったのは、富山市堀川町。14年前に初代店主の八田和明さんが創業し、その後、息子で2代目の寛基さんが長江店を経営していましたが、2018年に2つの店を合併し、現在の清水元町へ移転してきました。
店内はカウンターとテーブル席、奥には小上がり席もあって、広々としています。
少人数から大人数までさまざまなシーンに対応し、平日はもちろん、休日も家族連れなど多くの客でにぎわいます。
1番人気はシンプルな 「味玉ラーメン」
「古久龍」の1番人気メニューは「味玉ラーメン」。
とろとろの味玉にチャーシュー、メンマ、ネギと、どれも定番の具材が盛り付けられたシンプルな1杯です。
鶏ガラベースのスープは、まろやかな中にも醤油のキリッとした旨味が効いていて、味に深みがあります。
麺は、長野県の製麺所で作られる特注品。
長野産の小麦粉を使用し、噛みしめるごとに小麦の香りとモチッとした食感を堪能できます。
コク深いスープにしっかりと麺が絡んで、お互いの味を引き立ててくれるのがラーメンならではの醍醐味です。
ラーメンとあわせて注文したい! 定番サイドメニュー
平日限定! 相性抜群なパラパラチャーハン
サイドメニューで人気なのは、平日限定メニューのチャーハン。
米の一粒ひと粒がパッラパラに仕上がっています。シンプルな味付けにしている分、細切れにたくさん入ったチャーシューがいいアクセントになっています。
ラーメンとの相性が抜群で、セットで注文する客が多いのだそう。
からしで食べる餃子
昔からラーメンとのセットと言えば、外せないのが餃子。
薄めの皮にたっぷりのあんを包み、パリッと香ばしく焼き上げています。
珍しいのは、「古久龍」では皿に和からしが添えられていること。
焼き餃子に辛みを足すとなると、定番は唐辛子が効いたラー油か、最近ではコショウも人気ですが、からしはあまり聞きませんね。
そのまま食べてもおいしいのですが、餃子のタレにちょっとからしを足して食べると、つんっと抜けるような辛みが効いて、さらにおいしく食べられます。
「古久龍」ならではの一品です。
“ラーメン店のおでん”も富山名物
そのほか、おでんも種類豊富に取り揃えられています。
ダシは透き通っていますが、大きな大根や豆腐はしっかりと飴色に染まり、どの具材にも味がよく染みています!
ラーメンができるまで、おでんとビールで1杯…というのも、富山の名物。長く愛される店の理由がこんなところにもありそうです。
一家で受け継ぐシンプルで繊細な味
「シンプルなラーメンなので、手を抜くと極端に味に出てしまう」
こう語るのは、現在、店を切り盛りする2代目店主の寛基さん。
あっさりしたスープ、定番のトッピング、サイドメニュー…どれもシンプルだからこそ、味にごまかしが効かず、丁寧な仕事が求められます。
2つの店がひとつになり、実親である先代から受け継いだ味を崩さないように家族一丸で店の味を守り続けているのです。
店の名前に込められた想いとは
そんな店の姿勢を反映するように、店名の「古久龍」にも初代店主・和明さんの想いが込められていました。
福井県出身の和明さん、店の名前の由来は九頭竜川の守護神として知られる「黒龍神社(くろたつじんじゃ)」ですがーー
「黒龍神社だけど、“こくりゅう”という響きがいいなと思って決めたんです。ただ、ブラックラーメンじゃないんで、黒っていう文字は使いたくなかった。それで、末永く続けていきたいなという想いを込めて、古く久しいという字を当てて古久龍という名前にしたわけです」(和明さん)
昔ながらのシンプルなラーメン、だからこそ永く愛されるラーメン。
まさに名が体を表しているラーメン店です。
新しい挑戦も! 地域の力を合わせて作る「絶品もつ煮」
そんな「古久龍」では、伝統の味を守りながら、新しい挑戦をすることも忘れていません。
それが、地域の飲食店「○福」とコラボした「絶品もつ煮」。塩味とみそ味の2種類を店頭の自動販売機で販売しています。
伝統と挑戦。両方を大切にしながら、地域の盛り上げにも貢献する。
どのメニューをとっても、末長く愛されるための店作りへの心が込められているようです。
出典:KNBテレビ「いっちゃんKNB」
2025年3月18日放送
記事編集:nan-nan編集部
【古久龍 本店】
住所 富山県富山市清水元町3-7
営業時間 11:00~15:00
17:30~22:00
定休日 火曜