猫が『舌をしまい忘れる』のはなぜ?出っぱなしになる理由4選
1.リラックスしているから
猫は鼻が短めなので、もともと舌の先が少し出やすい顔の作りといえます。そのためリラックスをして気が緩んでいると、舌が出てしまうことがあるようです。
野生では常に緊張をしているので、舌が出ていることはほとんどありません。一方で、室内で暮らしている猫は、緊張をする必要がないためリラックスをしていると、ついつい舌が出てしまうのだそうです。緊張感ゼロで気が緩んでいる状態とも言えるかもしれませんね。
飼い主さんに撫でられているとき、安心できる場所でくつろいでいるときなどに見られることが多いでしょう。
2.しまい忘れたから
単純に舌を「しまい忘れている」だけのことも。これは珍しいことではなく、猫はほかのことに意識を向けていると、無意識に舌を出したままにしてしまうことがあるのです。
たとえば毛づくろい中に飼い主さんに話しかけられてそちらに集中した、気になる音がして集中している、目の前を飛んでいる獲物に気を取られているといったときに起きがちです。
しばらくすると気づいて片づけることがほとんどですが、舌を出したままボーッとしている姿はユーモラスで、ついクスクスしてしまいますよね。
3.しまいにくい顔の形だから
猫の顔の形によっては、舌をしまいにくいこともあります。とくに鼻が低くて平たいペルシャやヒマラヤン、エキゾチックショートヘアなどの短頭種は、骨格の関係で舌が出やすい形状をしています。そのため、無意識のうちに舌が少し出たままになってしまうのです。
短頭種は舌が出ていても健康上の問題がない場合がほとんどです。しかし異常に乾燥しているときや、よだれが多いというときは、口の中に問題が生じている可能性もあるため注意が必要です。動物病院への受診を検討しましょう。
4.毛づくろいに疲れたから
毛づくろいをした後に舌が出っぱなしになっている場合、それは単に「疲れたから」です。猫は毛づくろいをする習性がありますが、長時間の毛づくろいのあとは舌やあごの筋肉が疲れて、一時的に舌を戻すのを忘れてしまうことがあるのです。
野生の猫にとって、毛づくろいは外敵に気づかれないためなど、生きるうえで欠かせない行動でした。そのため、必死におこなっていたのでしょう。この習性は人間と暮らすようになった今も変わらず受け継がれています。
とはいえ筋肉が疲れて舌をしまい忘れてしまうくらい必死に毛づくろいをするなんて「お疲れさまです」と声をかけたくなりますね。
まとめ
猫の舌が出っぱなしになる理由には、リラックスしているとき、単なるしまい忘れ、毛づくろいの疲れ、顔の骨格など、さまざまな要因があります。一時的で他の症状がないのであれば、ほとんどの場合は、心配する必要はありません。
しかし舌が出ている以外にも、よだれが異常に多い、食べづらそうにしている、開口呼吸をしているなどの症状が見られる場合は、歯肉炎や口内炎、呼吸器疾患などの病気が疑われます。早めに動物病院を受診しましょう。
可愛らしい仕草を楽しむのもいいですが、愛猫の健康管理にも気を配っていきたいですね。
(獣医師監修:唐野智美)