釜石で冬花火初開催 夜空の光見上げ、2025年それぞれの思い新たに…
釜石市の釜石港で11日、冬の花火の打ち上げが行われた。昨年8月11日、台風5号の影響で中止となった納涼花火の代替企画。一般社団法人釜石観光物産協会が主催した。約30分の打ち上げ花火を家族連れや若者グループが楽しんだ。
同市では例年、盆前に納涼花火大会を開催しているが、昨夏は台風の接近で天候悪化が予想されたため、開催日前日に中止を決定。翌日の順延も断念した。それに代わって行われたのが「釜石冬花火」。間もなく発災から14年となる東日本大震災の犠牲者の慰霊と新成人の門出を祝う目的で、震災月命日の11日に開催された。企業や団体などから寄せられていた納涼花火の協賛金を活用した。
納涼花火の半分ほどの時間を設定。水中花火は行わず、打ち上げ花火のみで構成した。観覧場所は港町のグリーンベルトと漁港岸壁に設けられた。訪れた人たちは冬の夜空に咲く色とりどりの光の大輪を目に焼き付けたほか、カメラを向けて写真や映像に収めた。
同級生ら10人で訪れた釜石中3年の岩井伶蒼さんは「とてもきれい。種類によって大きさや色合いも違ってすごかった。寒いけど、心を温めてくれるような花火」と感激。2カ月後に迫った高校受験に向けて「パワーをもらえた」と仲間と声を弾ませた。釜石高1年の女子生徒2人は「夏に見られなくて寂しかったけど、今日見られてうれしい。冬の花火は新鮮。寒かったけど見る価値あり。釜石の花火はこれからも続けてほしい」と願った。