職人技が光る、芳醇な香りただよう蕎麦 宇部市「手打ち蕎麦 きさく」
挽きたて・打ちたて・茹でたて、3拍子揃った香り高い蕎麦。
自ら石臼を挽き、、、自らそばを打つ、、、職人技が光る芳醇な香りただよう、こだわりの蕎麦をご紹介します。
2023年秋にオープンした宇部市にある「手打ち蕎麦 きさく」です。
製麺している様子
店主の松本侑也さんが製麺されている様子がお店に近づくと外からもみえます。
きさくのそば作りは、石臼を使った製粉から、始まります。
「本物の、おいしいおそばを食べてほしい。お客さんにとって良い時間なってもらえるような気持ちで、蕎麦を打って調理に臨んでいます」と店主の松本さん。
使う「そばの実」は、店主が信頼する埼玉県の農家で育てられたもの。
気候や土づくりにこだわり、そばに対する熱い想いを寄せる農家が作った、そばの実です。
石臼で丹精込めて手挽きされたそば粉は、熱に弱いそばの風味を保ち、細かい粒子と大きな粒子が混ざることで麺の弾力が生まれます。
そば粉全体に、水をいきわたらせます。そば粉とつなぎの割合は、9対1の「クイチ」 。
香りと、のど越しの良さを極めようと、店主がいきついた割合です。
そして、こねた生地を丁寧に伸ばしていきます。
研ぎ澄ませた指先の感覚で、できあがるそばの厚みを確認していきます。
機械には頼らず、日々、蕎麦と真摯に向き合う。均等に、そろっているようにも見えますがさらなる高みを目指し技術に磨きをかけます。
そして、そばのつゆにも心血を注ぎます。出汁は、北海道産の昆布に鹿児島県産の鰹節を使用。
中でも最高級品と言われる、本枯節(ほんかれぶし)の厚削りを使います。
熟成された鰹節と、昆布が生む出汁は濃厚な旨みと香り、そして味の深み生み出すそうです。
素材にこだわり、技術にこだわった「きさく」のそば。
店主のおすすめ
●天ざるそば 1600円
店主のおすすめは、天ぷらざるそばです。挽きたて打ち立てのそばは、そばの実の色。
よく見ると少し緑がかっているのが特徴です。
香り高いおそばの香りがし、そばつゆがちょっとキリっとしてる味わいなので、麺とよく絡んで美味しいです。
天ぷらは季節の野菜やエビ、
この日は、サクッとあがったナスやサツマイモなどです。
サツマイモは揚げる前に1度ふかすことで甘みを引き出し、良い食感が得られるそう。
天ぷらでも、ひと手間を惜しまない。
そして、季節や仕入れ状況によって種類が変わるのも楽しみの一つです。
職人技は、他メニューにも
そして、職人技は、蕎麦以外にも注がれます。
お出汁たっぷりでジューシーな出汁巻き玉子がこれまた絶品!
●出汁巻き玉子 600円
出汁は、そばつゆで使った、昆布と本枯節だしの2番だし。タマゴの味を活かすとなると、1番出しでは濃すぎるそうです。
うすく薄く幾重にも巻き、出汁と空気を含ませ、ふわふわに仕上げるまさに、プロのなせる技です!
店主が思い描くお店とは?
「お酒も日本酒も楽しんでもらって、美味しいつまみで楽しい時間を過ごしてもらって最後の〆に美味しい蕎麦があるっていうお店を作りたい。」と話す店主の松本さん。
お品書きにある「蕎麦前」とは、蕎麦を食べる前にお酒を楽しむこと。お蕎麦屋さんで、酒を飲み、そして肴を楽しむ。
「きさく」はそんな「粋」な楽しみ方ができるお店です。
●そばがきぜんざい 500円
こちらは、そばがきぜんざいです。
一品料理だけではなく、甘味でも店主のアイデアが光ります。そばがきは、そば粉をお湯で、練り上げたお餅のようなもの。
お酒のつまみとして知られています。
そば粉に程よく水を加えて火にかけ、ふっくらまとまとめていきます。
それを、北海道産の小豆で炊いた自家製ぜんざいの上にのせ炒ったそばの実を添えたら、そばがきぜんざいの完成です。
蕎麦屋のプライドをかけ、作られるきさくの料理。
お客さんの声を励みに、美味しさへの追及は続きます。
「帰られるお客様が直接、ぼくに声を掛けて、感謝の気持ちを言ってくれる。非常に有り難いですし、必ず期待に応えれるように、次に来て下さったときも美味しいものを提供できるようにしていきたいなを思ってます。」と店主の松本さんは話してくれました。