愛猫の『ウンチ』は健康のバロメーター!いいウンチ・悪いウンチ、それぞれの特徴
ウンチの回数と量
猫の便の回数や量も健康状態を知る手がかりになります。一般的には1日1〜2回で、食事内容や体格によっても異なりますが、1回の量は人間の親指1〜3本分が目安です。体格や食事内容、水分摂取量、年齢によって多少の個体差があります。
ただし2日以上排便がない場合は便秘の可能性があり、放置すると巨大結腸症を引き起こし、食欲不振や嘔吐、腸閉塞といった深刻な症状に発展するリスクも無視できません。
便秘からの巨大結腸症は一度患うと慢性化し、将来的には命に関わる重大な問題です。便秘対策のフードや薬、サプリメントについて動物病院で相談できます。たかが便秘と侮らず、早期に解決するよう心がけましょう。
一方で、1日に何度も便をする、量が極端に少ない、または多すぎるといった場合も注意が必要です。
いつもとウンチの状態が異なる場合は、獣医師の診断を受けるようにしましょう。
ウンチの色
猫の健康的なウンチの色は、いつも食べているフードの色か、それよりも少し濃いめの色になります。
一方、黒っぽい色のどろっとしたタール状のウンチや、赤いものが混じったり、付着したりしている場合は消化器官からの出血が考えられます。黒っぽい色は胃や小腸などからの、赤い色は大腸や直腸、肛門といった出口に近い場所からの出血が疑われるでしょう。
また白っぽいウンチは、脂肪が含まれている「脂肪便」です。消化不良、胆のうや肝臓の病気、すい臓機能の低下が考えられます。
濃い色から緑色のウンチは、腸炎による消化不良が考えられます。ただし離乳前の子猫のウンチが黄色いのは正常です。
ウンチの形と硬さ
猫の健康的なウンチはバナナ程度の柔らかさが理想とされています。やや硬めながらも指でつまめるくらいと覚えておくと良いでしょう。出たばかりのウンチは、水分を含みツヤがあり、表面に猫砂が付着するような柔らかさです。
逆に形がなかったり、水っぽかったりするのは下痢です。消化器官の炎症、寄生虫、感染症などが考えられます。2日以上下痢がつづく、下痢のほかにも気になる症状が見られる場合は、動物病院を受診してください。
ただし形があっても、硬すぎるウンチや小さなコロコロとした球状の便の場合は便秘の可能性があります。
ウンチのニオイ
ウンチのニオイは、猫の腸内環境や消化の状態を表すバロメーターです。健康的な猫のウンチはツンとした独特のニオイがします。
一方、極端にニオイが強い場合は注意が必要です。とくに酸っぱいニオイや、食べ物が腐ったようなニオイがする、突然ニオイがきつくなったなどの場合、腸内環境が悪化している可能性があります。
腸内環境を整えるためには、食物繊維の多いフードや乳酸菌入りのサプリメントを活用するのも有効です。
まとめ
猫のウンチは、日々の健康状態を反映する大切なサインです。色、形、硬さ、回数、ニオイに異常があれば、体のどこかに問題が生じている可能性があります。「たかがウンチ」と軽視せずに獣医師に相談するようにしましょう。
またウンチの異常に気づくためにも、健康な状態を把握しておくことが大切です。日々のトイレ掃除の際にはウンチの状態を観察することを習慣にしましょう。同時に、排便の回数や時間も記録しておくと役立ちます。
(獣医師監修:唐野智美)